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自律神経が乱れてるかも!【女医が解説】「春に起こりやすい体調不良」の特徴と対策

4月は新年度のスタート。新しい気持ちでいろいろなことに取り組みたいと意気込んでいる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は体調不良が起こりやすい時期でもあります。今回は、そんな春に起こりやすい体調不良の特徴とその対策についてお伝えしていきます。

春に起こりやすい体調不良の原因

自律神経の乱れに注意!【女医が解説】春に起こりやすい体調不良の特徴と対策

1.激しい寒暖差

三寒四温ともいわれるように、春は日々の寒暖差を感じやすい時期です。寒暖差に対応するために交感神経が活発に働き、エネルギーが消耗されやすくなって、疲れやだるさなどに繋がるといわれています。

また、いわゆる「寒暖差アレルギー」といって、寒暖差によりくしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状をきたすこともあります。

2.気圧の変化

春は低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わり、気圧変動が大きくなりやすい時期です。その影響により、自律神経が乱れやすい時期だともいわれています。気圧の変化によって、片頭痛発作が起こりやすくなる場合もあります。

3.環境の変化によるストレス

春は新年度をむかえることから、卒業や進学、就職や転勤など、自分自身や家族の生活が大きく変化する時期です。生活環境の変化は緊張感やストレスに繋がってしまうため、自律神経が乱れやすくなるでしょう。

4.花粉症

花粉症の原因としてよく知られているスギやヒノキ科などは、春先にピークを迎えることが知られています。

花粉症は、花粉が原因となってアレルギー症状を起こすものです。花粉に対して人間の体が起こす免疫反応であり、鼻水やくしゃみ、鼻づまりなどの症状が起こります。

そのほかにも、のどや皮膚のかゆみ、熱っぽくなるなども起こりやすく、過剰な免疫反応は自律神経を乱す原因にも繋がります。

自律神経と不調の関係性って?

自律神経と不調の関係性って?

自律神経には体を活動的にする交感神経とリラックスさせる副交感神経があり、この二つがバランスよく働くことによって、体の状態が維持されているといわれています。

ところが、この自律神経は自分の意思ではコントロールできず、ちょっとしたストレスでもバランスが乱れてしまいがちに。そのため、先ほど挙げたような体調不良の原因が重なりやすい春には、自律神経のバランスが乱れて不調を感じる方が多くいらっしゃいます。

自律神経が乱れることで体に起こる不調とは?

自律神経が乱れると、めまい、息切れ、肩こり、しびれ、痛み、不眠、頭痛、だるさといった症状がみられる場合があります。

もちろん、これらは自律神経の乱れ以外の病気によっても起こりうる症状なので、気になる場合や症状が長引く、悪化するような場合はしっかり医師の診察を受け、診断してもらうことが大切です。

自律神経の整え方

自律神経の整え方

自律神経を整えるためには、ストレスを避けて良くない生活習慣を見直すことが重要です。それでは、具体的にどんなことに気をつけたらよいのかをみていきましょう。

また、慢性的なストレスがあると、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されるといわれています。このストレスホルモンを抑えるために大切なのは、運動と睡眠です。

運動でストレスを緩和

運動をすると、ストレスホルモンであるコルチゾールを、作用の弱いコルチゾンに代謝する働きが高まるとされます。これにより、ストレスによる体への影響を和らげることが期待できるのです。

ウォーキングや体操、サイクリングやジョギングなど、自分が取り組みやすい運動を行ってみましょう。適度な運動を取り入れることは、睡眠の質の向上にも繋がります。

質の良い睡眠をとる

睡眠も、ストレスホルモンを抑えるためにとても重要です。睡眠不足だと、ストレスホルモンが増えてしまうといわれています。

必要な睡眠時間には個人差がありますが、おおむね7~8時間程度は確保するのが望ましいでしょう。ただ、睡眠時間さえ確保すれば良いというわけではなく、睡眠の質を高めることも重要です。

そのためには、寝る1~2時間前から強い光を目に入れないようにし、食事も控えましょう。寝室はカーテンなどでしっかり遮光し、できるだけ暗くして騒音もない状態が理想です。

春を快適に過ごすために

春を快適に過ごすために

季節の変わり目に体調を崩しやすいという方は、ぜひ今回ご紹介した生活習慣を意識してみてください。自律神経を整えて、不調が起きやすい春を少しでも快適に過ごしたいですね。

©︎Maria Korneeva/Ekaterina Goncharova/Maria Korneeva/
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ママ女医ちえこ

ママ女医ちえこ(産婦人科医)
産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の身体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は13万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。
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