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「ヨーグルトににごり酢をかけています」【医師たちに聞く】花粉症を改善させる食事術

そろそろ本格的に花粉が飛散する時期が到来。毎年、花粉症に悩まされる人は、今年は少しでも花粉に負けないカラダづくりを目指したいですよね。その時何を食べたら良いのでしょうか? 二人の医師に食事術をうかがいました。

食べて実践する花粉症対策! 何が正解?

花粉症

花粉症対策といえば、マスクやうがいで予防したり、服についた花粉を払ったりするほか、しっかりと睡眠をとって体調を整えることなどが基本といわれています。

そして食事から腸を整えたり、栄養補給したりと花粉症に負けないカラダづくりも重要です。

今回は、2人の医師に「花粉症の予防・対策に良い食べ物は?」と質問してみました。果たして、その答えは?

腸活にもなる「酢酸菌」をヨーグルトで取り入れよう

最近、花粉症症状の緩和やインフルエンザの増殖力抑制効果が確認されている菌があるとのこと。それは「酢酸菌(さくさんきん)」。アルコールを酢酸に変える力があり、酢をつくるのに使われています。

2023年11月、酢酸菌ライフが行った酢酸菌にまつわるセミナーでは、イシハラクリニック 副院長で医師の石原新菜さんが登壇し、酢酸菌の最新研究結果を発表しました。

石原さんによると、腸にはカラダ全体の7割もの免疫細胞が集まっているといわれており、発酵食品などに含まれる多様な菌を取り入れることで免疫バランスを整える一助となるとのこと。おなじみの乳酸菌や納豆菌と共に、酢酸菌も摂取することをおすすめしています。

石原さん 腸内には感染症などの病原体の侵入を感知し、免疫を作動させる働きを持つ免疫スイッチがありますが、なかでも重要なのは 「TLR2」と「TLR4」の2つです。乳酸菌や納豆菌は「TLR2」の免疫スイッチを押せるのに対して、酢酸菌は「TLR2」だけでなく「TLR4」も押すことができます。

酢酸菌の取り入れ方

ーー酢酸菌、ぜひ取り入れたいですね。どんな食材がおすすめなのでしょうか。

石原さん 酢酸菌のおすすめの取り入れ方は、発酵食品ににごり酢を合わせること。にごり酢とは酢酸菌をろ過せずに作られる酢です。

酢酸菌の研究結果の一つに、乳酸菌を加えることで相乗効果があると言われています。お好みの乳酸菌入りヨーグルトににごり酢をかけて食べるのがおすすめです。私も毎日、納豆やヨーグルトににごり酢を大さじ一杯かけることで免疫力向上を意識しています。

最近では小腸で働く乳酸菌とは異なり、大腸で働くビフィズス菌も注目されています。ビフィズス菌は花粉症対策としても研究が進んでいるので、ビフィズス菌と乳酸菌が両方入っているヨーグルトであれば、よりおすすめです。

アレルギー専門医のおすすめは、青魚や免疫バランスを整える食品!

ーーその他にも、花粉症対策になる食べ物を知りたいものです。瀬尾記念会 瀬尾クリニックの耳鼻咽喉科医・アレルギー専門医である瀬尾達さんは、次の食材を挙げています。

青魚

瀬尾さん サバやイワシなどの青魚にはアレルギー症状を抑える抗ヒスタミン作用が期待できるDHA・EPAが豊富です。

ユーグレナ

瀬尾さん 藻類の一種であるユーグレナには、免疫バランスを整える効果がわかっているパラミロンという食物繊維の一種を含みます。ユーグレナはスギ花粉症の症状を緩和する可能性も示されています。

レンコン、ゴボウ

瀬尾さん レンコン、ゴボウはビタミンCや食物繊維、免疫ビタミンとも呼ばれるLPS(リポポリサッカライド)を含みます。

その他、乳酸菌をとれるヨーグルトやポリフェノールを含むチョコレート、クエン酸を含む梅干しもおすすめです。

ーー今年の花粉症シーズンの食生活には、これらの食材を意識して取り入れてみるのも良さそうです。色々と試してみて、自分にとって効果のあるものが見つけてみましょう。

Information

<教えてくれた人>

石原 新菜(いしはら・にいな)さん

石原 新菜さん

イシハラクリニック 副院長。父・石原結實のクリニックで 主に漢方医学、自然療法、食事療法により、病気の治療にあたっている。わかりやすい医学解説と親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。

瀬尾 達(せお・わたる)さん

瀬尾 達さん

瀬尾記念会 瀬尾クリニック 耳鼻咽喉科医・アレルギー専門医。同クリニックでの診療の他、京都大学医学部、兵庫医科大学、大阪歯科大学、兵庫県立大学などで講師を務める。

<筆者情報>

椎原茜
ライター。記事を通して、読者の方々に役立つ情報を知ってもらい、ハッピーかつ快適な生活を送っていただきたいという思いで執筆中。

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