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実は避けたほうがいいんです… 管理栄養士が教える「ヨーグルトのNG食べ方」

花粉症対策をはじめ、免疫力アップや腸活を目的として、日常的にヨーグルトを食べている人も多いでしょう。せっかく食べるなら健康的な食べ方を知っておきたいですよね。今回は、ヨーグルトの「避けたほうがいい食べ方」や、より効果的に取り入れるためのポイントをご紹介します。

ヨーグルトに期待される健康効果

ヨーグルトに期待される健康効果

ヨーグルトには、私たちの体を作るうえで欠かせないたんぱく質やカルシウムが豊富に含まれ、さらに腸内環境を整えてくれる乳酸菌やビフィズス菌も含まれています。

近年では「腸活」という言葉もよく聞くようになりました。腸内環境を整えることで便秘予防や免疫力アップが期待され、健康に良い影響をもたらすことがわかっています。

腸内には善玉菌と悪玉菌、どちらでもない日和見菌が存在し、体に良い環境にするためには善玉菌を増やすことが大切です。そこで、善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌を含むヨーグルトを食べることで善玉菌が増えやすくなります(※1)。

商品ごとにさまざまな菌を含むヨーグルトが販売されていますし、腸内細菌の種類や数も人によって異なります。そのため同じヨーグルトをしばらく食べてみて、自身の体質に合った商品を見つけてみましょう。

ヨーグルトのNG食べ方

甘いシロップやグラノーラなどと一緒に食べる

ヨーグルトに砂糖や甘いシロップ、フルーツソースやジャムなどを加えるという人もいるでしょう。少量であれば問題ありませんが、摂りすぎると糖質が多くなり、血糖値の上昇や体重増加につながる可能性があります。

ヨーグルトのなかでも、ドライフルーツが添加されているものやフレーバータイプのものは糖質が多いため、できるだけプレーンタイプを選びましょう。甘さが欲しいときは、はちみつや生の果物などをプラスするのもおすすめです。

また、グラノーラも糖質や脂質が多くなりやすいため、摂りすぎには注意が必要です。ヨーグルトにプラスするなら少量にしておきましょう。

寝起きや空腹時に食べる

ヨーグルトはどの時間帯に摂っても問題ありませんが、ヨーグルトに入っている乳酸菌やビフィズス菌は、胃酸の影響を受けて生きたまま腸に届きにくい可能性があります。特に空腹時は胃の中の酸性度が高くなるため、気になる方は寝起きや空腹時に食べるのは避けましょう。

ただし、乳酸菌やビフィズス菌は死んでしまっても善玉菌を作るために有効な働きをするとされています(※1)。

ヨーグルトのおすすめ食べ方

ヨーグルトのおすすめ食べ方

善玉菌を増やす「プレバイオティクス」を一緒に摂る

ヨーグルトに含まれている乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は「プロバイオティクス」とよばれ、腸内環境を整えてくれる効果が期待されています。

また、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖などの「プレバイオティクス」を一緒に摂ることで、善玉菌は増えやすくなるとされています(※1)。そのため、プレバイオティクスをヨーグルトと一緒に摂ったり食事に取り入れたりすると良いでしょう。食物繊維は野菜・海藻・きのこなどに多く含まれ、オリゴ糖は大豆・たまねぎ・ごぼう・バナナ・アスパラガス・にんにく・ねぎなどに多く含まれます。

「バナナとヨーグルト」は腸内環境を整えやすい理想的な組み合わせといえるでしょう。プレーンヨーグルトにオリゴ糖シロップをプラスしてもいいですね。

定期的に食べる

ヨーグルトに含まれている乳酸菌やビフィズス菌は、食事から摂取したあとに腸内にある程度の期間は存在しますが、そのまま住み着くことはないといわれています。そのため、善玉菌の効果を期待するのであれば、できる限り毎日摂ることがおすすめです。

ただし、乳製品が体に合わない方もいますので、毎日のように食べていても腸の調子がよくないなどの自覚がある場合は無理に食べなくてOKです。納豆やみそ、キムチなどほかの発酵食品にも善玉菌が含まれていますので、さまざまな食品を取り入れてみましょう。

ヨーグルトを賢く食べて健康を目指しましょう

ヨーグルトには腸内環境を整えてくれる善玉菌が含まれ、便秘予防や免疫力アップが期待できます。花粉症や風邪などが気になる今の季節にはおすすめの食品です。今回お伝えした「NGな食べ方」や「おすすめ食べ方」も参考にぜひ日常に取り入れてみてくださいね。

【参考】
※1 厚生労働省.e-ヘルスネット 腸内細菌と健康
©flyingv/PIXTA(ピクスタ) ©kou/PIXTA(ピクスタ)

筆者情報

寺内麻美
管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。