いまわたしたちにできること~美容・健康・環境も~

自律神経とお肌の調子を整える!…季節の変わり目に取り入れたい快眠術

9月に入りました。この時期は美容にとってまだまだ過酷な時期。今回は、マンツーマンの睡眠美容の指導をしている、眠りとお風呂の専門家の小林麻利子さんに、日々の美容を意識した、初秋の快眠術を伺いました。

お肌の調子も改善する初秋の快眠術

秋に入りかけたとはいえ、紫外線のレベルはかなり高く、日中はまだ暑いので外出は控えたいかたが多いのではないでしょうか。また、朝晩は過ごしやすいけど、寒暖差があるため自律神経が乱れがちです。そして、エアコン疲れはピーク! この時期は循環が悪くなり、お肌が乾燥したり、テカったりしがち。とにかく睡眠の「質」を高めましょう! 美容効果を高めることができます。

ビタミンDサプリと日焼け止めの塗りわけ

シミやシワの主な原因は、紫外線。でもカットしすぎると、睡眠や美容、免疫力、健康に不可欠なビタミンDの生成を妨げてしまいます。なので、帽子やフェイスカバー、アームカバーでしっかりカバーしても、手の平だけは日光浴をしましょう。アームカバーは手の平部分まで覆われているものが多いので、手の平部分だけカットしたり、日光浴の時だけめくって、手の平だけを太陽に向けるのもいいでしょう。

また、シミやシワが気になる顔や首、手の甲だけは全ての紫外線をしっかりカットしてくれる日焼け止めを塗り、シミや日焼けが気にならない脚や腕の内側はビタミンD生成を妨げない加工が施されている日焼け止めを塗るなど、日焼け止めの塗りわけもおすすめです。

食事でビタミンDを補えればいいのですが、日焼け止めや帽子などでカットされているかたは、添加物が入っていないビタミンDのサプリメントを利用することをおすすめします。一度血液検査でビタミンDの濃度を測って現状把握をするのも手です。

起床直後1分間はベランダへ

GettyImages-1319478041

体内時計の司令塔の視交叉上核が、朝が来たと判断するのは光のみ。音や香りではありません。朝の寝起きが悪いかたは、カーテンを開けるだけではなく、窓を開けてベランダに出てしまいましょう。これは雨の時こそ、必要な行動です。

この時に大切なことは、目の中に光を入れること。直射日光は避けて、ブルーライトカットメガネをかけているならメガネを外しましょう。日焼けが気になる場合は、帽子をかぶったり、スプレータイプの日焼け止めをささっとつけるのもありです。

光を十分に得ることで、セロトニンが分泌し、血液中のメラトニンが減少し、体を覚醒モードに整えてくれ、夜間のメラトニン分泌の元にもなります。この作用を高めるには起床後1分だけでなく、可能なら起床後2時間以内に、通勤したり、コンビニに行ったりと、日光を浴びる時間を伸ばしていきましょう。

歩行する前に筋トレをしておく

GettyImages-1272246892

9月に入っても、まだまだ日中は暑い日が続くので、外出してもすぐに建物内に入るようにしていたり、在宅勤務で自宅から一歩も出ない、というかたもおられるでしょう。

このような場合、日中の活動量が本当に少ないので、日中に体の内側の深部体温の上昇が小さくなってしまいます。日中に深部体温の上昇が大きければ、その反動で就寝の際にしっかり下がっていき深い眠りが得られます。しかし、活動不足で上昇が小さくなれば、うまく体温が下がらず、睡眠に課題が出る可能性があります。

対策は、無酸素運動から有酸素運動への切り替えです。子どものお迎えや買い物など、必要最低限しか歩くことがないかたでも、先に筋トレをして筋肉内の血流をよくしましょう。その後、少し早めの歩行するなどして、運動量をあげます。ボディラインの衰えを感じているかたは、その解決にもつながります。

ちなみに私は、大臀筋のためのスクワットを30回、上腕三頭筋の逆腕立てを20回した後に、ダッシュで子どもの保育園の送迎をしています。敢えて息を切らせて、心拍をバクバクと増やすことで、深部体温が上がりやすくなります。

大きな鏡があれば必ず姿勢の確認

運動量が少ない人は、自宅の中で歩く時も座っている時も常に美姿勢を意識しましょう。駅やスーパーの鏡の前で、必ずチェックすることを習慣にすれば、見た目も若々しくなり、運動量も上がるので、眠りの質の向上にもつながります。

私が心掛けていることをお伝えすると、まずは足裏からスタート。小指側に体重が乗りがちなので、バランスを気を付けます。膝は内側を向きやすいので真正面に向けるために、お尻の中臀筋と深層外旋六筋で、太ももの内側の内転筋を使って、太腿を外に向けます。膣のあたりにきゅっと力を入れて、骨盤底筋群を締めて、おへそを縦長にします。腰はそらさずお腹に力を入れます。胸を開いて肩甲骨を寄せて、胸椎3番目から首を伸ばしてあごを引いて、首筋をすっと上へ伸ばします。腰をそらない、胸を開く、などと1つだけでもいいので意識するだけでも大きく変わります。

入浴中のバスミルクと入浴後のボディオイル

GettyImages-964171878

暑いとシャワーですませたくなるところですが、血流をよくするためにも湯船へ浸かりましょう。約1分の間に血液が全身を巡ることが分かっています。エアコン疲れでお肌もくすみがちというかたは、ぜひ湯船に浸かりましょう。

その際に、天然のアロマだけで香り付けされているバスミルクを入れて、ゆったり呼吸を繰り返しながら入浴がオススメです。副交感神経の活動が活発になり、リラックスするだけではなく、お肌の保湿も守ってくれます。

入浴後は、全身にアロマのボディオイルを塗布して、香りをしっかり嗅ぎながらリラックスします。暑苦しいと、交感神経が刺激されがちです。ゆったり呼吸を繰り返すことで、自律神経の状態も整ってきます。暑ければ、ドライヤーの際は扇風機などで快適に環境を整えて、汗がしっかりひいてからおやすみしましょう。

よく噛み、焼き野菜だけでなく生野菜は1食1品

GettyImages-1271249376

紫外線対策には食事も重要です。特にビタミンCが豊富なピーマン、パプリカ、リコピン豊富なトマト、ルチンが摂れるアボカドは高頻度に摂取したい野菜です。筆者も食卓に多く出します。また、食事はよく噛むことも大切です。唾液が出て、消化を助けるだけでなく、食事に時間がかかり、食べ過ぎを防いでくれます。消化活動の体内時計のリズムも整いやすくなりますので、睡眠対策には不可欠です。

季節問わず、寝る前のうっとり美容

うっとり=副交感神経刺激と定義しています。これは季節問わず大切なことではありますが、いつまでも若々しく美しくいるためには、大変重要な器官である、自律神経はしっかり整えていきたいところです。特に寝る前15分間だけでいいので、意識して、アロマ、深呼吸、メンタルケア等々、できる範囲で行っていきましょう。さまざまなうっとり美容の方法は、「熟睡の練習帳(G.B.)」をご参照ください。

老化を止めることはできなくとも、遅くすることは可能です。毎日のちょっとしたケアでぐっすり眠れてきれいになれる! 人生一度きりですから、後悔のない毎日を送れるといいですね。できることからぜひ始めてみましょう!

IMG_0055_1-768x593-1

眠りとお風呂の専門家
小林麻利子さん

同志社大学卒業、京都市出身。SleepLIVE株式会社代表取締役社長。生活習慣改善サロンFlura主催。公認心理師。科学的根拠のあるデータや研究を元に、睡眠と入浴を中心とした生活習慣を見直すことで、自律神経を改善していく指導が人気。約3,000名以上もの悩みを解決し、テレビや雑誌など、多くのメディアで活躍中。不規則な生活になりがちな、芸能人やモデル、アナウンサーへも指導。

企業向けには、健康経営や睡眠関連事業支援などを行う。著書に『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン)『不美人習慣を3日で整える熟睡の練習帳』(G.B.)など多数。プライベートは、3歳児と0歳児の母。

(C)DjelicS/Getty Images
(C)Carles Navarro Parcerisas/Getty Images
(C)Westend61/Getty Images
(C)Taiyou Nomachi/Getty Images