いまわたしたちにできること~美容・健康・環境も~

コーヒーが好きな人は要注意! 梅雨に体調を崩しやすい「気象病」の特徴と対策

梅雨になると、なんとなくだるい、疲れやすい、頭が痛いなどの症状を感じやすい人が増えるでしょう。その原因は、いわゆる「気象病」の可能性が。気象病とは、気象や天候の変化によって発症したり、悪化したりする体調不良の総称です。医学的な診断名ではないですが、最近話題になることが増えているトピックです。そんな気象病の特徴と対策について、女医の筆者が解説します。

気象病が起こる原因

コーヒーが好きな人は要注意! 梅雨に体調を崩しやすい「気象病」の特徴と対策

気象病になる原因は、ひと言で言うと「自律神経の乱れ」が考えられます。自律神経は、呼吸・血液循環・消化・体温調整をはじめとする、体に備わるさまざまな機能をコントロールしています。例えば、酸素を取り込むために呼吸をし、全身に血液を送るために心臓が拍動するといった変化が、意識しなくてもできるようになっているのです。

気温や気圧などの変化によって自律神経が乱れると、様々な症状を引き起こすことにつながります。梅雨は特に、体内の水分バランスが乱れやすい時期。東洋医学では、季節の変化など、体に悪影響を及ぼす外的要因のことを「外邪(がいじゃ)」と言います。

東洋医学には「湿」という概念があり、梅雨時期には「湿」という外邪(=湿邪)が問題に。湿邪は慢性的な疲労感やだるさ、頭痛、関節の痛みなどを引き起こすとされているのです。

コーヒー好きの人は要注意

コーヒー好きの人は要注意

湿邪による気象病を改善するためには、水分や塩分を適切に摂取するのがおすすめです。基本的に湿邪は、体に湿がたまった状態とされており、体内の水分の循環を良くすることが改善のポイントになります。

カフェインを含む飲料や食品は、利尿効果があるので効果的だと思いがちですが、控えた方がベター。カフェインには血管を収縮させる性質があり、気象病の症状として起こりやすい頭痛や偏頭痛を悪化させる可能性があります。そのため、コーヒー、紅茶、エナジードリンク、チョコレートなどの過剰摂取は避けた方が無難です(※1)。

また塩分が高い食品も、体内の水分バランスを乱すことがあります。特に加工食品や外食は、塩分が高い傾向があるので控えるようにしましょう。

食事以外の対策方法

適度な運動をする

食事面以外でおすすめしたい、気象病の対策を3つご紹介します。

【適度な運動】
まずは、適度な運動を心がけ、余計な水分をためない体作りをしましょう。軽い運動を習慣にして、汗をかけるように体を整えるのがおすすめです。その他、しっかりストレッチをしたり、早歩きをしたりして、水分をためにくく血行が良い状態にしましょう。

【十分な睡眠】
疲れがたまると、自律神経の乱れを引き起こしてしまいます。十分な睡眠をとり、体力の回復に努めましょう。

【ストレスケア】
慢性的にストレスがたまると、自律神経が乱れて体調を崩しやすくなります。自分に合ったリラクゼーション方法を見つけ、適切にストレス管理をしましょう。

もし、むくみや頭痛といった不調が続く場合は、医師に相談して適切な漢方を処方してもらいましょう。

まとめ

コーヒーなどのカフェイン好きな方は特に、梅雨の時期の気象病に気をつけましょう。適切な対策を行えば、体調不良を防ぐことができます。適度な運動とバランスの良い食事、適切な休息、ストレス管理を心掛けてください。もし、体調を崩してしまった場合は、セルフケアに取り組んでみましょう。

健康維持は自己管理から始まるもの。少し意識するだけで、気象病から身を守ることはできますよ。いよいよ梅雨が到来しましたが、皆さんの健康をお祈りしています。

【参考】
※1 農林水産省 カフェインの過剰摂取について

©︎Jamie Grill/DimaSobko/Tom Dunkley/gettyimages

筆者情報

ママ女医ちえこ

ママ女医ちえこ(産婦人科医)
産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。
YouTube:https://www.youtube.com/c/mama女医ちえこ