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冷蔵庫に入れるだけじゃ不十分!?【管理栄養士監修】食材が傷みやすくなる「NG保存」

冷蔵庫に保存していた食材が、いつの間にか傷んでいた…という経験はありませんか? 食材費が高騰している昨今、食品ロスはできるだけ減らしたいものですよね。そこで今回は、管理栄養士の筆者が、肉や魚、野菜などの食材を長持ちさせるポイントをお伝えします。

食材保存のポイント

食材保存のポイント

食材は、買った状態のまま冷蔵庫に保存すればいいとは限りません。食材ごとに適した保存方法は異なります。それぞれの特徴を知って、それに合わせた保存方法を心がけてください。また、冷凍できる食材は、冷凍しておくとより長持ちするでしょう。

肉の保存

肉の保存

肉は購入後に冷蔵庫に入れておけば、表示されている消費期限までを目安に保存できます。すぐに調理しない場合は、早めに冷凍保存するとよいでしょう。ここでは、肉を冷凍保存するときのポイントをお伝えします。

冷凍する場合はなるべく早めに

肉は早めに冷凍することで、新鮮な状態を保ちやすくなります。また、購入時は長時間常温で置くと傷みやすくなるため、保冷剤や保冷バッグなどを活用しましょう。

トレイに入れたまま冷凍しない

購入時のトレイに入ったままで肉を冷凍すると、空気が入りやすいため、酸化しやすくななると考えられます。また、トレイに使われている素材は温度が下がるまでに時間がかかるため、トレイに入ったままで冷凍すると肉が傷みやすい可能性も。必ずトレイから取り出して、ラップなどで密封しましょう。

冷凍する際は水気を拭き取って密封する

肉はトレイから取り出して、余分な水分が出ていれば拭き取りましょう。空気が入らないようにラップや保存袋で密閉すれば、酸化を防ぎ、傷みにくくなります。また、1度に使う分を小分けにして冷凍すれば、早く冷凍できますし、使うときも便利ですよ。

冷凍したものは1か月以内に使い切る

冷凍しているからと安心して、冷凍庫の奥に放置しっぱなしの食材はありませんか? 肉や魚などを家庭用の冷凍庫で保存する場合、早めに食べきった方がおいしく安全に食べられます。種類にもよりますが、冷凍して1か月以内に使い切れるようにするとよいでしょう。

魚の保存

魚の保存

魚も肉と同様に、すぐに使わない場合は冷凍保存するとよいでしょう。魚を冷凍する際も、肉の保存方法とほぼ同じポイントに注意すればOKです。また、魚の場合は以下のポイントにも気を付けてみてください。

丸ごと冷凍するのは避ける

魚の内臓は傷みやすいため、1尾丸ごと手に入った場合、下処理をしてから冷凍するとよいでしょう。魚も水気を拭き取り、空気がなるべく入らないように密閉するのがポイントです。

下味をつけてから冷凍するのもおすすめ

しょうゆやみそ、オリーブオイルなどで下味をつけて冷凍しておくと、傷みを抑えるだけでなく、すぐに調理ができて便利です。同じように、肉を冷凍する際も下味をつけておくといいですよ。

野菜の保存

野菜は、種類によって適した保存方法が異なりますが、冷蔵の場合は基本的に立てて保存すると、長持ちしやすくなると言われています。今回は、家庭でよく使われる野菜をいくつかピックアップして、保存のポイントをお伝えします。

青菜

青菜

青菜は乾燥しやすいため、濡れたキッチンペーパーで包み、保存袋に入れて冷蔵保存しましょう。冷凍保存する場合は、硬めに茹でて、しっかりと水気を絞ってから冷凍するのがポイントです。

じゃがいも

じゃがいもは低温障害を起こしやすいため、常温での保存がおすすめです。新聞紙やキッチンペーパーで包み、風通しの良い場所で保存しましょう。じゃがいもは生のまま冷凍すると、味や食感が落ちてしまいます。冷凍する場合は、マッシュポテトにしてから冷凍してみてください。

キャベツ

キャベツ

キャベツを1玉購入したときは、包丁で芯をくりぬき、水で濡らしたキッチンペーパーを詰めておくと長持ちしやすくなるでしょう。また、カットされたキャベツは、濡らしたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存してみてください。

かぼちゃ

丸ごとのかぼちゃは、涼しい場所で保存しましょう。カットされたかぼちゃは、種とワタを取り除き、空気がなるべく入らないようにラップ包み、冷蔵庫の野菜室で保存します。

にんじん

にんじん

丸ごとのにんじんは、キッチンペーパーや新聞紙で包み、茎の部分を上にして、冷蔵庫の野菜室で立てて保存しましょう。カットしたにんじんは、ラップでしっかりと包んで野菜室で保存します。

食材は適した保存方法で無駄なく使いましょう

食材をおいしく長持ちさせるためには、それぞれに適した方法で保存することが大切です。食材を腐らせてしまいやすいという方は、今回お伝えした保存方法をぜひ参考にしてみてくださいね。

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寺内麻美
管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。