いまわたしたちにできること~美容・健康・環境も~

食べすぎたら逆効果に…!?【管理栄養士監修】「秋の味覚」のNG食べ方

「食欲の秋」と言われるように、秋に旬を迎える食材にはおいしいものがたくさんあります。さつまいもや栗、さんまなどを見かけると、つい買いたくなる人も多いのではないでしょうか。しかし、実は秋の味覚には注意したいポイントもあるのです。今回は管理栄養士の筆者が、秋の味覚のNG食べ方についてご紹介します。

さつまいも

さつまいも

さつまいもには、エネルギー源となる炭水化物や、むくみ予防に役立つカリウム、ビタミンCなどが含まれています。スイーツや料理にも使えるさつまいもは甘くて食べやすい食材であり、秋になるとつい食べすぎてしまうという人もいるかもしれません。そこで、さつまいもを食べるときに気を付けたいポイントをご紹介します。

カロリー過剰となる食べ合わせに注意

さつまいもは糖質が多く、食べすぎると糖質の過剰摂取につながります。そのため、さつまいもを使ったおかずを作った際は、ごはんの量を少し減らすといいでしょう。

また、さつまいもを使ったお菓子は、バター・油・生クリームなど脂質が多く、高カロリーな調味料がプラスされているものも多数。特にダイエット中の方は食べすぎに注意が必要です。

おすすめは、焼き芋やふかし芋にして、おやつ代わりに取り入れること。さつまいもを食べる量は、一日あたり中くらいのさつまいも2/3本(およそ150g)を目安にしましょう。この量は、一日あたりに間食から摂るカロリーの目安である200kcalに相当します(※1)。

食物繊維を摂りすぎる

さつまいもには食物繊維が豊富に含まれているとされます。食物繊維は適量を摂ることで腸内環境が整い、便秘予防などが期待できます。しかし、食物繊維を摂りすぎるとお腹の調子を悪くしてしまうケースも(※2)。さつまいもを食べるときは適量を守り、食べすぎには気をつけましょう。

栗

栗にはむくみ防止に役立つカリウムや、抗酸化作用のあるタンニンなどさまざま栄養素が豊富に含まれています。また、さつまいもと同様に糖質や食物繊維が多い食材です。そのため栗を食べすぎるとカロリー過剰となり、肥満の要因となることも。

栗を食べる量は、一日200kcalまでを目安として、およそ120gまでにするのがおすすめ。大きい栗なら5粒程、小さめの栗であれば8粒程度です。ただし、甘露煮や渋皮煮など砂糖が含まれている場合は、さらに糖質やカロリーが増えます。ダイエット中はなるべく量を控えるといいでしょう。

さんま

秋に旬を迎えるさんまには、良質なたんぱく質や、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、中性脂肪やコレステロールを下げる効果が期待できる不飽和脂肪酸などが豊富に含まれています。旬の時期にはぜひ食べてほしい魚ですが、いくつか注意点もあります。

生食の場合は食中毒に注意

さんまなどの魚介類には、アニサキスという寄生虫が寄生している場合があります。アニサキスが体内に入ると胃壁や腸壁に侵入し、激しい腹痛や吐き気などの症状を引き起こすことも。スーパーなどで購入できる魚介類はあらかじめアニサキスが除去されていますが、筋肉部分などに残っている可能性もあります。

食中毒を予防するためには、生の状態で購入した場合、すぐに内臓を取り除いてください。また、必ず目視でアニサキスがいないか確認しましよう。焼き魚にする場合は、中までしっかりと加熱することが有効です(※3)。

尿酸値が気になる人はほどほどに

尿酸値が高めな人は、尿酸のもととなるプリン体を多く含む食品は控えることが推奨されます。さんまの内臓や干物にはプリン体が多く含まれているため、食べすぎには気をつけましょう。

きのこ

きのこ

秋の味覚であるきのこには食物繊維やビタミンD類が含まれており、栄養価が高く低カロリーで、ダイエット中にもおすすめできる食材です。しかし、誤った食べ方をすると体の不調を起こすケースも。

有毒きのこに注意

9~10月はきのこによる食中毒が発生しやすい時期。毒性のあるきのこを食べないように注意が必要ですが、外見で毒きのこを見分けることは困難です。野生きのこで食用と判断できないきのこは、絶対に食べないようにしましょう。また、きのこを食べて体調に異常を感じたらすぐ医療機関に相談してください(※4)。

秋の味覚は適量を守って楽しみましょう

食べすぎたら逆効果に…!?【管理栄養士監修】「秋の味覚」のNG食べ方

秋の味覚は、健康に役立つ栄養素が豊富に含まれているため、ぜひ摂っていただきたい食材ばかりです。しかし誤った食べ方をしてしまうと、逆に健康を害する恐れもあります。今回お伝えしたポイントを参考に、ぜひ食欲の秋を楽しんでください。

【参考】
※1 厚生労働省.e-ヘルスネット 間食のエネルギー(カロリー)
※2 厚生労働省.e-ヘルスネット 便秘と食習慣
※3 厚生労働省.アニサキスによる食中毒を予防しましょう
※4 内閣府.食品安全委員会 毒キノコによる食中毒にご注意ください

©プロモリンク/PIXTA(ピクスタ) ©freeangle/PIXTA(ピクスタ)
©mao/PIXTA(ピクスタ) ©shige hattori/PIXTA(ピクスタ)

筆者情報

寺内麻美
管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。