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スタミナ飯やアイス好きは要注意!【国際中医薬膳師監修】「夏の胃腸疲れ」の特徴と対策

まだまだ過酷な暑さが続く日本の夏。高温と強い湿気で夏バテの症状を感じている人もいると思いますが、もしかすると不調には食生活が影響しているかもしれません。たとえば、ついつい手が伸びてしまうアイスが連日連夜の習慣になっていると、胃腸が疲れやすくなることも。今回は国際中医薬膳師の筆者が、夏の胃腸疲れの特徴と対策をご紹介します。

夏の胃腸疲れ=夏バテの原因に

夏の胃腸疲れ=夏バテの原因に

食生活は人それぞれ違うもの。それゆえ夏の胃腸疲れの原因もさまざまですが、代表的なものとして以下が挙げられます。

・のどごしのよい麺類をよく食べる……栄養不足による気力と体力の低下
・夏バテしないよう、あえてこってりした料理を選ぶ……消化不良による胃腸疲れ
・冷たいアイスを頻繁に食べる……砂糖の取りすぎと冷えによる胃腸疲れ

栄養が不足すると体のエネルギーも不足して、胃腸を動かす力が低下する可能性が。反対に体力をつけようとして、焼き肉・うなぎ・揚げ物などのこってりしたものばかりを食べていると、胃腸の消化能力が追いつかず、胃腸疲れにつながることも。

たとえば日本では「土用の丑の日」にうなぎを食べる習慣がありますが、韓国では「伏日」という暑気払いの日にサムゲタンなどを食べます。つまり、こってりとした食事ではなくても、気力や体力は補えると考えられているのです。

こってりとした食事がすべてNGというわけではなく、そのときの自分の体質に合わせて「元気になる食事」を選ぶことが大切だと思います。

冷たいアイスが、かえってだるさを招くことも

冷たくて甘いアイスは心の栄養になるので良いと思いますが、お風呂上がりのアイスが習慣になっている人は要注意。「冷たくて甘い食べ物」は甘さを感じにくいので、思っている以上に甘味料を摂取していることがあります。甘いものの取りすぎは体にだるさをもたらしやすく、胃腸の機能低下を招く原因にもなりかねません。また、砂糖の取りすぎは血流に悪影響を及ぼし、むくみの原因になることもあります。

特に身体がだるくなりがちな月経中は、甘いものが欲しくなる人もいるでしょう。しかし、白砂糖たっぷりのスイーツやチョコレートを摂りすぎると血液の流れが滞りやすいため、月経中は特に避けた方がよいとも言われています。

クールダウンできる食材はアイス以外にもたくさんある!

クールダウンできる食材はアイス以外にもたくさんある

夏の薬膳では、「暑さを冷まして胃腸を労わる」ことが基本とされていますが、アイスや冷たい麺などで内側から冷やそう、という意味ではありません。体にこもった熱を冷ますことを意味する「清熱(せいねつ)」に効果的な食材や、寒冷性の作用を持つ食材を活用しましょう、という意味なのです。

「清熱」の作用があるとされ、スーパーでも手に入りやすい食材には以下が挙げられます。

野菜……キュウリ、ゴーヤ、冬瓜、スイカ、トマト、ナス
果物……バナナ
その他…豆腐、あさり、しじみ など

「瓜」の漢字がつく食材や熱帯の地域で育つ食材など、暑い地域で育つ食べ物には寒冷性のものが多くあるので、積極的に取り入れるのがおすすめですよ。

アイス代わりのスイーツで胃腸も元気に

アイスがやめられない人は、代替できるスイーツを試してみてはいかがでしょうか。たとえば冷凍フルーツは旬の時期に収穫された甘みの強いものが多く、アイス代わりにおすすめです。とはいえ食べすぎは控え、適度な量を守りましょう。

胃腸疲れは夏バテにつながるうえに、栄養が不足することで美容面にもマイナスの影響を及ぼすこともあります。脳が食べたがるものばかりではなく、体が欲しがっているものは何かを意識してみてくださいね。
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筆者情報

坂本雅代
サロン経営や講師などエステ業界に15年携わり、男女延べ一万人以上を施術。小顔管理士や国際中医薬膳師などの知識を基に、食や美容、健康などのジャンルでライターとして活動中。