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秋の“なんとなく不調”予防に!管理栄養士直伝の「疲労回復ごはん」

夏の暑さも和らぎ、涼しくなってくる今の時期は、過ごしやすい気温ではありますが夏の疲れを引きずっているとだるさを感じることも。体調を整えるためには、食事でしっかり栄養を摂るための工夫も大切です。そこで今回は、秋の体調不良を予防するためにおすすめの食材やレシピをご紹介します。

秋の不調におすすめの食事とは

秋の不調におすすめの食事とは

夏の暑さによる疲れが体調にあらわれやすい秋の初めは、体調を崩さないよう食事にも気をつけたいものです。基本的にはさまざまな食材をバランスよく摂ることがおすすめですが、なかでも積極的に摂っていただきたい食材や栄養素についてお伝えします。

たんぱく質

たんぱく質は肌や髪、筋肉など私たちの体をつくる材料となる栄養素です。特に運動後の疲れには、たんぱく質が不足しないように食事で補給しましょう。たんぱく質は肉・魚・玉子・大豆製品などに多く含まれています。

ビタミンB群

ビタミンB群は体内で糖質・脂質・たんぱく質を分解し、エネルギーを生み出す重要な働きをしています。なかでも注目したいのはビタミンB1。糖質の代謝を助ける働きをし、ビタミンB1が不足すると疲労感やだるさなどにつながるといわれています。ビタミンB1は肉・魚・玉子などに多く、とくに豚肉はよい供給源です。

抗酸化ビタミン

抗酸化ビタミンとは、免疫力低下の要因にもなる「活性酸素」の働きを抑えるビタミンのことです。ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどが抗酸化作用の強いビタミンといわれています。これらは野菜や果物に多く含まれているため、積極的に摂るとよいでしょう(※1)。

秋の体調を整えるためのレシピ3つ

ここからは、秋の体調不良を回復させるためにおすすめしたいレシピを3つご紹介します。旬の食材も取り入れてみたので、ぜひ参考にしてみてください。

鶏むね肉とパプリカのオイスターソース炒め

鶏むね肉とパプリカのオイスターソース炒め

鶏むね肉は良質なたんぱく質が多く含まれ、パプリカにはビタミンCが豊富に含まれています。また、辛みのついた味付けは食欲増進効果が期待できます。

【材料(2人分)】
・鶏むね肉:1枚
・赤パプリカ:1/2個
・黄パプリカ:1/2個
・しめじ:1パック
・料理酒:小さじ1
・しょうゆ:小さじ1
・片栗粉:小さじ1
・ごま油:大さじ1

(A)
・オイスターソース:大さじ1
・みりん:大さじ1
・しょうゆ:小さじ1
・豆板醬:小さじ1
・おろしにんにく:小さじ1/2

【作り方】
1.鶏むね肉はそぎ切りにし、縦にカットして棒状にする。料理酒としょうゆを揉みこみ、10分ほど置いておく。その後、片栗粉を揉みこむ。
2.赤パプリカ・黄パプリカは種とわたを取り除いて細切りに、しめじは根元を切り落としてほぐしておく。
3.フライパンにごま油を入れて熱し、1の鶏むね肉を入れて中火で炒める。鶏むね肉の色が変わったらパプリカとしめじを加え、火が通るまで炒める。
4.3に(A)を混ぜ合わせた調味料を加え、炒め合わせたら器に盛って完成。

【ポイント】
豆板醬の量はお好みで調整してください。冷めてもおいしく召し上がれるため、お弁当のおかずにもおすすめです。

さつまいもと玉ねぎの豚汁

さつまいもと玉ねぎの豚汁

豚肉には糖質の代謝を助けるビタミンB1が多く含まれ、疲労回復に役立つと考えられます。また、秋の味覚であるさつまいもには、加熱しても壊れにくく抗酸化作用のあるビタミンCが含まれています。

【材料(2人分)】
・豚こま切れ肉:100g
・さつまいも:1/2本
・玉ねぎ:1/2個
・生姜:1かけ
・小ねぎ:適量
・ごま油:大さじ1
・水:400ml
・和風顆粒だし:小さじ1
・みそ:大さじ2

【作り方】
1.さつまいもは1mmほどの半月切りにして水にさらす。玉ねぎは薄切りに、小ねぎは小口切りにする。生姜はすりおろす。
2.鍋にごま油を入れて中火で熱し、豚肉を入れて炒める。
3.豚肉の色が変わったら水と和風顆粒だし・さつまいも・玉ねぎを加えて、具材がやわらかくなるまで5分ほど煮る。
4.3を弱火にして味噌を溶かし入れ、火を止めて器に盛り、生姜と小ねぎを散らして完成。

【ポイント】
豚肉はバラ肉などほかの部位に代えてもおいしく作れます。ごぼうやにんじんなどほかの根菜を加えても栄養たっぷりの1品となりますよ。

鮭のレモンマリネ

鮭のレモンマリネ

鮭には良質なたんぱく質のほか、ビタミンB群や抗酸化作用のあるアスタキサンチンが豊富に含まれています(※2)。ビタミン豊富な野菜と合わせて酸味を効かせたマリネにすると、食欲がないときもさっぱりと食べられますよ。

【材料(2人分)】
・生鮭:2切れ
・塩・こしょう:少々
・小麦粉:小さじ2
・オリーブ油:小さじ1
・玉ねぎ:1/4個
・にんじん:1/3本
・ピーマン:1/2個
・塩:ひとつまみ
・レモン:1/2個

(A)
・酢:大さじ2
・オリーブ油:大さじ2
・塩:小さじ1/2
・砂糖:小さじ1
・レモン汁:小さじ1

【作り方】
1.鮭は一口大にカットして塩・こしょうで下味をつける。
2.玉ねぎは薄切り、にんじんとピーマンは細切りにし、電子レンジ600Wで1分加熱する。レモンは薄い輪切りにする。
3.(A)を混ぜ合わせてマリネ液をつくる。
4.1の鮭は5分ほど置いたら水気をふき取り、小麦粉をまぶす。
5.フライパンにオリーブ油を入れて中火で熱し、鮭を焼く。片面に焼き目がついたら裏返し、中まで火を通す。
6.鮭と野菜、3のマリネ液、レモンを合わせて、粗熱がとれたら冷蔵庫で30分ほど冷やして完成。

【ポイント】
鮭が熱いうちにマリネ液につけると味が染みこみやすくなります。レモンやお酢の酸味を効かせることで、塩分が控えめでもおいしく食べられます。

旬の食材を取り入れて元気に秋を過ごしましょう

体調を整えるためには、今回ご紹介した食材のほかに、旬の食材を取り入れることも大切です。旬の食材は栄養価も高く、季節を感じられる食事になりますよ。食生活においていちばん大切なのは栄養バランスのとれた食事ですが、疲れを感じたら疲労回復が期待できる食品も意識して摂り入れていきましょう。

【参考】
※1 厚生労働省.e-ヘルスネット 抗酸化ビタミン
※2 厚生労働省.e-ヘルスネット 抗酸化物質
©puhimec/Adobe Stock

筆者情報

寺内麻美
管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。