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色やにおいをチェックして!【女医監修】「おりもの」でわかるカラダのサイン

みなさんはおりものの変化について、気にしたことはありますか。実はおりものは月経周期の中で増えたり減ったりという変化だけではなく、ネバネバしたり水っぽくなったりという変化もします。また、おりものの変化に病気のサインが隠れていることも。産婦人科専門医の筆者が、月経周期や病気によるおりものの変化について詳しく解説します。

おりものとは?

おりものとは?

そもそもおりものとは、女性の体から出てくる分泌物であり、子宮や腟からの粘液や古い細胞が混ざって出てきたものを指します。月経周期がある場合、ほとんどの女性にとって当たり前にあるものです。「なんだかベタベタするし、お気に入りの下着が汚れる…」とネガティブに思われがちですが、おりものは女性がしっかりと成熟している証拠でもあるんですね。

おりものには大きく2つの働きがあります。1つ目は、腟内をクリーンな状態に保つという働き(自浄作用)です。腟は排泄器官と近い位置にあることから、雑菌が入りやすい状態になっています。そのため、おりものには自浄作用により腟や子宮を守る働きがあります。

2つ目は、受精しやすくする働きです。排卵前のおりものは、精子を子宮内に導きやすくすると考えられています。

おりものの変化とホルモン

女性の体は、女性ホルモンの影響を受けて一定の周期で変化を繰り返しています。ほぼ1か月ごとの変化が月経周期による変化です。その他にも一生の中で大きな変化があり、それに合わせておりものの状態にも変化が起こります。

1.月経周期による変化

1.月経周期による変化

月経周期によって、次のような変化が考えられます。おりものの変化のパターンを覚えておくと、排卵日が近いなど自分の体の状態を把握しやすくなるはずですよ。

・月経前(黄体期)
濃い黄色やクリーム色で、やや粘り気がある状態になります。月経の数日前から少量の血液が混じることもあります。

・月経後(卵胞期)
少量で水っぽいか、一時的になくなることもあります。その後、排卵にむけておりものの量が増えていきます。

・排卵期
透明のゼリー状で、よく伸びる状態です。卵白のようなとろみのある性状になります。

2.年齢による変化

2.年齢による変化

おりものの量や質は、年齢によっても変化します。初めて月経を迎えてから、だんだんおりものの量が増えていくとされます。

10代のうちは、女性ホルモンの分泌が安定しないため、月経周期の不安定さとともに、おりものも安定しないことがあるでしょう。20代以降は女性ホルモンが安定していくのに従って、おりものも安定して分泌されるように。閉経が近づくと女性ホルモンの分泌が少なくなり、おりものの量も減っていきます。閉経後はほぼ出なくなるのが一般的です。

3.その他

その他には、妊娠期や授乳期、ピルやミレーナなどのホルモン剤を使用している場合にも変化が生じます。

おりものの変化と病気

腟トリコモナス症

おりものには腟内をクリーンな状態に保つ自浄作用があります。この働きは“デーデルライン桿菌”と呼ばれる乳酸菌によって起こり、腟内のpHを保つことで雑菌の繁殖を防いでいます。ところが、免疫が低下したり、抗菌薬を服用したりすると、腟内の細菌バランスが乱れることも。そうすると雑菌が繁殖しやすい状態になり、おりものの性状に影響することがあります。主な病気は次の通りです。

カンジダ症

カンジダという真菌が異常に増殖することで起こります。白くてカッテージチーズのようなおりものが出て、かゆみを伴うことが一般的です。

細菌性腟症

雑菌が繁殖することによって起こる病気です。おりものから魚のようなにおいがしたり、灰色になったりします。

腟トリコモナス症

トリコモナス原虫が増えることで起こります。緑色や泡立つおりものが出て、においやかゆみを伴うことがあります。

性器クラミジア/淋菌性頸管炎

それぞれ、クラミジアと淋菌に感染することで起こる病気です。おりものの量が増えたり、出血を伴ったりすることがあります。

がんなどの悪性腫瘍

血の混じったおりものや、大量で悪臭のするおりものが突然出る場合があります。

おりものの状態がいつもと違うと思ったら

おりものの状態がいつもと違うと思ったら

おりものは、女性の体の健康状態を映し出す大切なサインです。月経周期や年齢による正常な変化の場合もありますが、異常が続いたり、明らかにいつもの状態とは違ったりする場合は、婦人科で相談することをおすすめします。婦人科で検査を受けることで、何が原因か、治療が必要な状態なのかを判断できるでしょう。今までおりものの変化について気に留めていなかったという人は、ぜひおりものの量やにおいをチェックしてみてくださいね。

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著者情報

ママ女医ちえこ

ママ女医ちえこ(産婦人科医)
産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。
YouTube:https://www.youtube.com/c/mama女医ちえこ