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婦人科を受診すべきタイミングがわからない…【女医が解説】月経に関するQ&A

現代女性は一生涯に450回程度も月経を経験すると言われています。月経の状態は人と比べにくく、なにか不安や疑問があっても相談しにくいこともあるでしょう。今回は、月経に関する様々な質問に、産婦人科専門医の筆者がお答えしていきます。

Q.月経がなかなか来ません。どうすればいいでしょうか?

Q.月経がなかなか来ません。どうすればいいでしょうか?

月経がこない場合の対応は、今まで順調にきていたのに遅れているのか、それとも今まで一度も月経を経験したことがないのかなど、ご質問者様の状況によって異なります。

もし初経(初潮)を迎えていない場合、高校生になってもこないようであれば婦人科で検査をするのが望ましいです。遺伝的に初経が遅いという方もいらっしゃいますが、一度しっかり確認しておくとよいでしょう。

月経周期が乱れ、3か月以上間隔が空いてしまうような場合は、すぐに婦人科を受診しましょう。妊娠していないのに月経が遅れているときは、ホルモンバランスが乱れている可能性があります。いずれにせよ、婦人科でしっかりと原因をチェックしておくと安心です。妊娠の可能性が少しでもある場合は、まずは市販の妊娠検査薬で確認してみましょう。

Q.月経痛がひどいです。どのレベルの痛みになったら病院に行くべきですか?

月経に関する症状は、かなり個人差が大きいもの。全くトラブルを感じない人もいれば、社会生活が送れなくなるほど寝込んでしまう人まで様々です。そのため、女性同士でもつらい思いを共有できないことがしばしばあります。

症状がつらい、少しでも改善したいと感じるのなら、それが婦人科を受診するべきタイミングです。婦人科には月経に関する悩みで受診される方が多くいらっしゃいます。医師に相談すれば、一人ひとりの悩みに合わせた解決策を提案してもらえるでしょう。婦人科は全ての女性の味方。怖い場所ではありませんので、ぜひお気軽にお越しくださいね。

Q.月経前後の体調の悪さについて教えてください。

月経前後は、約1か月ごとの月経周期の中で最も不調を感じやすいときであると考えられます。なぜなら、月経前後は女性のホルモンバランスがガラッと変化していく時期だからです。

そのため、月経前には情緒不安定、イライラ、落ち込み、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害、食欲不振・過食、めまい、倦怠感といった精神的な症状をきたす場合があります。また、身体的には腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、肌荒れ、お腹の張り、乳房の張りなどの症状がみられることも。

月経のある女性は月経前後に何かしらの変化を感じる場合が多いですが、なかでも日常生活に支障をきたすほどの症状は、月経前症候群(PMS)と呼ばれます。

気になる症状がある方は、月経の何日前からどのような症状があり、いつぐらいまで続くのかなどを把握しておいた方がいいでしょう。PMSの症状とうまく付き合うために、自分が心地よいと思えるセルフケアを見つけられるといいですね。

Q.月経痛って治せるんですか?

婦人科を受診すべきタイミングがわからない…【女医が解説】月経に関するQ&A

月経痛を完全に解消するまではいかなくても、症状を軽くしたり、日常生活に支障の出ない程度にまでコントロールしたりすることはできます。

例えば、鎮痛薬を効果的に使用することで、痛みがピークに達する前にコントロールすることが可能です。また、漢方薬や低用量ピルを使用することによって、痛みを緩和することもできます。自分にどれが合うのかがわからない人は、婦人科で相談してみるといいでしょう。

©︎ben-bryant/penyushkin/gettyimages

ママ女医ちえこ (産婦人科医)

ママ女医ちえこ(産婦人科医)
産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の身体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は13万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。
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