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実は間違ってるかも…【女医監修】やってはいけない「NG寒さ対策」と簡単温活

寒い季節になると、防寒対策として厚着をしたり、カイロを使用したりと、いろいろな工夫をしている人も多いと思います。ですが、間違った方法では効果が薄いばかりか、逆に健康を害することも……。今回は、ついやりがちな「NGな寒さ対策」と、正しく体を暖める方法を女医の筆者が解説し、皆さんが快適な冬を過ごせるようにお手伝いします。

実はやりがちな「NG寒さ対策」

NG1.アウターを着るタイミング

NG1.アウターを着るタイミング

寒さを調節するのに必須なのが、コートやジャンパーなどのアウター。着用するタイミングも大切なことはご存知でしょうか。体がいったん冷えてしまってからアウターを着用しても、体があたたまるまでに時間がかかってしまう場合が多いでしょう。そのため、温かい室内で、体が冷える前に着用した状態で外出するのがおすすめです。

NG2.防寒小物を使用しない

首周りや手首、足首などは、血流が多いので熱を失いやすい場所です。マフラーや手袋などを使用し、熱を逃さないようにするといいでしょう。アウターだけではなく、防寒小物を上手に使うことで、驚くほど暖かさを保つことができます。特に寒い日は、帽子も活用してみるといいですね。

NG3.過剰な重ね着

冬になると、多くの人が厚着をしますが、過剰な重ね着は逆に汗をかいてしまい、後から体を冷やす原因となったり、ムレによる肌トラブルを起こすリスクもあります。屋外と室内で気温差が大きな時期でもあるため、脱ぎ着しやすく、調整しやすい服装が良いですね。

また、ヒートテックなどの防寒インナーは冷え防止に有効です。ただし、汗をかきやすいシチュエーションでは逆に熱くなりすぎて汗をかいてしまい、後から体が冷えてしまう場合も。あくまでも活動量が少ないときに着用するのがおすすめ。その他、体を締め付けるような厚着は血行が悪くなるため避けたほうがいいでしょう。

NG4.過度な暖房

NG4.過度な暖房

室内を過度に暖めると、外気との温度差が大きくなり、体温調節が難しくなります。また、過度な暖房は空気を乾燥させてしまうため、風邪をひきやすくなる恐れがあり注意が必要でしょう。

また就寝時の注意として、電気毛布をつけっぱなしにしていると、かえって寝付きにくくなることも。よりよい寝付きを得るためには、体の内部の温度が緩やかに低下していくのが理想とされているため、電気毛布はタイマーで一定時間でオフするようにしておくといいでしょう。

簡単温活のポイント

適度な重ね着

通気性がよく、湿気がこもりにくい素材を選び、適度に重ね着をするのが良いでしょう。フリース素材は湿気がこもりやすいものもあるので注意が必要かもしれません。寒い冬に着ぶくれを防ぎたい場合は、機能性インナーの着用がおすすめです。

ただし、上で述べたようなデメリットもあるため、比較的活動量の少ない日に使用しましょう。ある程度の距離を歩いたり、運動をしたりする場合は、メリノウールなど保温性とともに速乾性や通気性に優れたインナーをおすすめします。

室内環境の調整

室内を暖めるためにエアコンを使用する人も多いと思いますが、足元のほうの空気までしっかりと暖めるのは難しいことも。ストーブやヒーターを組み合わせたり、電気毛布や厚手の靴下、スリッパなどを活用して足の冷えを対策したいですね。

また、加湿器を使用することで適度な湿度を保ち、空気の乾燥を防ぐことも大切。お肌の乾燥を防いでくれるとともに、喉にも潤いを与えてくれて、風邪の予防にもなるでしょう。また、湿度が上がることによって、体感温度が上昇し、暖房器具の設定温度を上げすぎなくなり省エネにもつながるはずです。

簡単温活のための食生活・運動

簡単温活のための食生活・運動

体を温める食材を取り入れ、栄養バランスを考えた食事を心がけてみましょう。しょうがやにんにく、シナモンや唐辛子などの内側から温めてくれる食材を取り入れてみてください。また、ネギや玉ねぎ、にんじん、にら、しそなども積極的に摂りたいですね。

また、全身の血流を促すためにも、ウォーキングなどの軽い運動で血行を良くするのがおすすめです。

おわりに

間違った寒さ対策は、かえって体を冷やす原因になることも。適切な着衣、室内環境の調整、生活習慣の見直しなど、正しい方法で体を暖めることが大切です。今回ご紹介したような対策を取り入れて、快適な冬を過ごしましょう。
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著者情報

ちえこ-1-1-768x213-1-2

ママ女医ちえこ(産婦人科医)
産婦人科専門医であり、プライベートでは4人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は15万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。
YouTube:https://www.youtube.com/c/mama女医ちえこ