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更年期障害が起こりにくい人もいる?【女医が解説】「女性の体」に関する悩みQ&A

自分の体や健康状態に関して、何かしら不安や疑問を抱えている女性は少なくないのではないでしょうか。なかには、気軽に相談ができないということもあるでしょう。今回は、anan Beauty+に寄せられた質問の中から、女性の体に関するお悩みについてお話ししていきます。

Q.更年期症状を軽くするためにできることはありますか?

更年期対策のおすすめ

Q.更年期になる前に、更年期症状が軽くなるために何かできることがあれば教えてほしいです。 また具体的に更年期ってそもそもどんな症状があったり、どんな時に始まったと感じるのかも知りたいです。

更年期症状の改善にまずおすすめしたいのは、基本的な生活習慣を整えることです。また、更年期になる前から食生活や運動習慣を見直しておくと、なお良いでしょう。

例えば食生活。不規則な食生活をしていると、自律神経のバランスが乱れやすくなります。自律神経の乱れはホルモンバランスの乱れも引き起こすため、毎日3食、規則正しく食事をとることを基本としましょう。余裕があれば、腸内細菌を整えてくれる発酵食品や、更年期症状に効果的と言われるイソフラボンを含む豆類を取り入れるといいですね。

運動習慣では、毎日のウォーキングがおすすめです。リズミカルな運動は、「幸福ホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌を促すことが知られています。自律神経も整えたい場合は、起床後に日光を浴びながら、15分程度のウォーキングをすると良いでしょう。

Q.更年期は自分で気づけますか?

Q.更年期は自分で気づけますか? 更年期障害になりにくいタイプの人はいますか?

更年期になると、最初に自覚しやすいのが月経に関する症状です。具体的には、以下のような症状が起こりえると考えられます。

・月経周期の乱れ:稀発月経や頻発月経
・月経の持続日数の乱れ:過短月経や過長月経
・月経量の乱れ:過多月経や過少月経

このような月経に関する症状が現れるとともに、ホットフラッシュやのぼせ、めまいなどの血管運動性障害と言われる症状が続くケースが多いでしょう。ただし症状は個人差が大きく、疲労感や不眠、不安、抑うつ症状などが出る人もいます。

更年期障害になりにくい人の特徴としては、自律神経のバランスが整っていることが挙げられます。ストレスを上手にコントロールでき、適度な運動とバランスの良い食事、十分な睡眠をとれている人の方が症状は出にくいとされています。

Q.おすすめの温活はありますか?

手足の冷えや腰回りの冷えなど、季節を問わず女性の「冷え」に関する悩みはよく聞きます。人によっては冷えだけでなく、肩こりや首こり、腰痛、足の痺れなどの症状が現れることも。そうした場合には、「温め」を意識した温活が有用です。

そこで、おすすめの温活を3つご紹介します。

1.熱すぎない温度の湯船に毎日つかる

湯船に毎日つかる

湯船に毎日つかることで、効果的に体温を上げることができます。代謝も上がって体がぽかぽかと温まるので、シャワーだけで済まさず、湯船につかる習慣をつけたいですね。

2.ウォーキングや筋トレをする

習慣的に体を動かすことは、巡りやすい体づくりにもつながります。また、筋トレをして筋肉がつけば、基礎代謝のアップにも。冷え知らずの体づくりにつながるでしょう。

3.体を温めやすい食材をとり、冷えやすい食材を避ける

ショウガやニンニク、唐辛子などの食材は体を温め、代謝アップにつながる作用が期待できます。反対に、白砂糖を含むお菓子などは冷えにつながりやすいと言われています。温め作用のある食材を使った、温かいスープなどをとると効果的です。

Q.子宮筋腫になりにくい食生活について教えてください

子宮筋腫になりにくい食生活

子宮筋腫にはエストロゲンという女性ホルモンが関与していると考えられています。そのため、エストロゲンレベルを上げない食事がポイントになり、具体的には以下のような食生活がおすすめです。

・高脂肪食を避ける
・アルコールを避ける
・野菜や果物を積極的に摂取する
・食事や日光浴で体内のビタミンDを十分に保つ

ただし、食事だけで子宮筋腫を予防することはできません。定期的に婦人科検診を受けた方が良いでしょう。

Q.婦人科系の検診はどのくらいの頻度で受けるといいですか?

更年期障害が起こりにくい人もいる?【女医が解説】「女性の体」に関する悩みQ&A

婦人科系の検診は、検査の内容によって推奨される頻度が異なります。それぞれ、以下を参考にしてみてください。

子宮頸がん検診

子宮頸がんは20代後半から増え、40代がピークになると考えられています。そのため20歳以上の女性は、少なくとも2年に1度受けることが推奨されています。しかしながら、不正出血などの症状がある場合は、適宜婦人科で相談した方がいいでしょう。

子宮体がん検診

子宮体がんは、40歳代後半から増加して50~60歳代にピークを迎え、その後減少していくとされます。子宮体がんの検診は国の指針として推奨されているわけではありませんが、初期症状として不正出血を起こすことが多いため、不正出血がある場合は早めに検査をするといいでしょう。

乳がん検診

乳がんは女性が患うがんの中で最も多いがんと言われています。40歳以上の女性は、2年に1度検診を受けることが厚生労働省により推奨されています。また、母親や姉妹など、近い血縁者が若年で乳がんに罹患している場合には、それよりも早く検診を開始したほうがいいでしょう。

経膣超音波検査

経膣超音波検査は国の指針において推奨されているわけではありません。しかしながら、月経痛や過多月経など気になる症状がある場合は、併せて検査をしておくと安心でしょう。

性病検査

パートナーが変わったタイミングで検査を受けるのがおすすめです。もし複数の相手がいる状況であれば、定期的に検査をするようにしましょう。

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ママ女医ちえこ

ママ女医ちえこ(産婦人科医)
産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。
YouTube:https://www.youtube.com/c/mama女医ちえこ