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快眠のカギは深部体温! プロ直伝「冷房つけても寝苦しい夜」安眠のコツ

寝苦しい夜が続きますが、夏の快適な睡眠には「深部体温」のコントロールがキモになるのだとか。そこで今回は、2000人以上の睡眠課題を解決してきた、眠りとお風呂の専門家の小林麻利子さんに深部体温を下げるための6つの方法を伺いました。

暑い夜も快眠! 6つの深部体温コントロール術 

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残暑厳しく、寝苦しい夜。エアコンをつけていても汗がじんわり出てしまい、睡眠中何度か起きてしまう、という方は少なくないようです。

その原因は、体の内側の深部体温がうまく放散できていないからかも。エアコンで体の外から体温を下げようとしても、さまざまな理由から深部体温が適切に下がらず、熱ごもり状態になっている可能性があります。

深部体温のメカニズム

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6つの方法の前に、深部体温のメカニズムについてお話します。

私たちの体の内側の深部体温は、夜19時頃が最も高く、就寝約2時間前から体温が下がり始め、早朝4時頃にかけてどんどん下がっていき、起床時刻に向けて体温が上昇するというメカニズムがあります。冬眠中の動物の体温が低くなるように、私達人間も、体温が低下すると覚醒度が下がり、深い眠りに入るのです。

しかし、テレワークや暑い日が続くような毎日では日中の運動量が少なかったり、夜、暑さやストレス、悩みなどで自律神経の交感神経が刺激されていると末端の血管がキュッと収縮してしまい、体の内側の熱が外へ逃げていきづらくなります。

この状態だと、うまく睡眠に入っていけず、もし眠りについたとしても、途中で何度か起きやすくなります。ですので、うまく眠るためには、脳と体の深部体温をいかに下げるか、ということが大切なのです。ということで、深部体温を下げる方法をご紹介します。

1. お風呂で一時的に温度上昇させる

40度の湯船に15分、または温熱作用の高い、炭酸ガス系の入浴剤を入れて10分入浴を行ってみましょう。一時的に深部体温が上昇すると、その反動で、入浴後、深部体温がしっかりと急降下することがわかっています。

シャワー浴や半身浴、39度未満のお風呂では、深部体温が上昇しにくいです。可能であれば、ぷかぷか浮くタイプの水温計を用いて、きっちり水温を測りながら浸かればより良いです!

汗がにじみ出ていなければ、深部体温が上昇していない可能性があるので、めまい、ふらつき等に気をつけながら、5分延長してみてください。水分を適宜摂りながら行ってみましょう。

入浴後、汗がしっかりひいたら、ベッドに寝転んでOKです。

2. 就寝時刻の15分前からうっとり美容を行う

寝る前の15分間に、自律神経の副交感神経を優位にする習慣を取り入れていきます。これを私はうっとり美容と名付け、スマホやテレビを見てだらだらリラックスすることと区別させています。

副交感神経が優位になれば、手足などの末梢血管の血流が良くなります。血管が開けば、体の熱を持った血液が末端へ移動し、うまく熱を放出させてくれます。

方法は、今後いくつかご紹介していきたいと考えていますが、あなたの身近にある、いわゆるリラックスグッズやツールでOK! あくびが出たり、心臓の鼓動が遅くなってきたら、それはあなたにとって、副交感神経が優位になった証拠です。

キャンドル、頭皮マッサージ、ストレッチ…など。これを行えば、いつでも心が落ち着くという方法を用意しておくことが大切です。

3. 脳の深部体温低下のための頭皮マッサージ

すっと気持ちよく寝つくためには、体だけでなく脳の深部体温を低下させることが大切です。脳の深部体温を低下させるには、頭皮の血管を拡張し血流を良くすることが大切です。そうすると、内側の熱い血液が末端へ移行し放熱しやすくなります。

頭皮血流を良くする簡単な方法は頭皮マッサージです。ベッドの枕元に頭皮マッサージ用のコームやブラシを予め置いておけば、寝る前に必ず頭皮マッサージを行うという習慣にもつながりやすいです。

もちろん、グッズを用意せずに、両手を使って揉みほぐすのでもOK。特に、毎日のマスク装着で凝りやすい耳周りを中心に行ってみてください。

4. 濡れタオルで拭いたり、直接冷やす

お風呂やマッサージなどでケアはしたけど、なんだか頭が重かったり、考えごとで頭がいっぱいになっている場合は、直接頭を冷やすのもいいでしょう。おでこに直接貼れる冷却シートや、枕の上に乗せる薄いシートなどもおすすめです。保冷剤は、直接お肌に触れさせると皮膚が冷えすぎてしまいますので、タオルで巻いてご使用ください。

本来寝る前は、手足はポカポカとなる必要があります。そのおかげで、深部体温が放熱しやすくなるのですが、睡眠リズムが崩れてしまった時などは、足先が熱くなりすぎて寝苦しく感じることがあります。

その場合は、濡れたタオルで足全体を湿らせてみてください。気化熱といって、水分の蒸発過程で熱を奪ってくれます。

5. 日中の体温を上昇させておく

日中のケアも大切です。日中は活動的に行動して体温を上昇させておくことで、その反動で夜体温が下がりやすくなります。テレワークなどで1日中ずっと家の中にいる予定のときも、仕事前にコーヒーを買いに外に出たり、スーパーへの買い出しの際に早歩きをしながら向かったりと、できる範囲で日中の活動量を増やしましょう。

6. 温度や湿度の調整も行う

ここまで深部体温のコントロールをご紹介してきましたが、寝室の温度や湿度が睡眠に適した状態でなければ、適切に深部体温が下がっていきません。

睡眠に適した温度は26度、湿度は50%台です。温度においては、個人差はありますので、目安にしてみてください。

ただ、重要なことは、エアコンのリモコン設定ではなく、実際の温湿度計を確認することです。リモコンで設定した温度と実際の室温はイコールではないことも多いからです。

安くてもいいので温湿度計を寝室に1つご用意ください。

詳しいエアコン設定については、こちらの記事をどうぞ。
一晩中エアコンでも朝だるくならない! プロ直伝「夏の快眠」簡単テク

暑いと体を冷やすことばかりに目がいきがちですが、体の内側の温度を考慮することで、効率よく、就寝に適した体温になりやすくなります。ぜひ、お試しください。

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眠りとお風呂の専門家
小林麻利子

同志社大学卒業、京都市出身。SleepLIVE株式会社代表取締役社長。生活習慣改善サロンFlura主催。公認心理師。科学的根拠のあるデータや研究を元に、睡眠と入浴を中心とした生活習慣を見直すことで、自律神経を改善していく指導が人気。約2,000名以上もの悩みを解決し、テレビや雑誌など、多くのメディアで活躍中。不規則な生活になりがちな、芸能人やモデル、アナウンサーへも指導。

企業向けには、健康経営や睡眠関連事業支援などを行う。著書に『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン)『不美人習慣を3日で整える熟睡の練習帳』(G.B.)など多数。プライベートは、3歳児と0歳児の母。

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