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医療ダイエットは効果なし?【専門医師に聞く】結局「痩せにくい人」の共通点

ダイエットでリバウンドを繰り返し、うまくいかないと悩んでいませんか? 最近は美容医療の敷居も下がっており、医療ダイエットを試してみたいと感じている人もいるかもしれません。今回は、美容医療クリニックの医師に、医療ダイエットの施術をもとに、ダイエットの心得を教えていただきました。

医療ダイエットの効果が出やすい人と出にくい人、その違いとは?

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「ダイエットが続かない…」は、多くの人が抱える悩みです。食事や運動が続かなかったり、メンタルのコントロールができなかったり、自分に合わないメニューを実践してしまったりと、失敗する理由はさまざま。どうすればダイエットを成功に近づけることができるのでしょうか。

今回は、ダイエットの秘訣を、医療脱毛や医療ダイエット、美肌治療などを行う美容医療クリニックの「Willbe Clinic(ウィルビークリニック)」院長の堀田歩希さんにうかがいました。

同クリニックの医療ダイエットでは、医療痩身・栄養医学・運動医学・精神医学の4分野から構成された痩身メニューを提供しています。そしてこれまでのダイエット経験や理想の姿などを詳しくヒアリングしてカラダの状態を徹底理解してくれ、オーダーメイドでコースを組んでくれます。

自分に合ったメニューを行うことで、誰もが一定の効果を期待できます。しかし、実際に取り組んでみると、効果が出やすい人と出にくい人に分かれるのだそう。どんなところに違いがあるのでしょうか。

堀田さん 効果が出やすい人は代謝がよく、脂肪が燃焼しやすい傾向があります。また施術と合わせてバランスの良い食事や適度な運動を行っていることが多いです。また継続的に痩身治療を受けることができるかどうかに関わらず、自己管理ができる人が多い傾向があります。

一方、効果が出にくい人は代謝が低めで、良い食事や運動習慣がない傾向があるのに加えて、自己管理が苦手というのが一つ、傾向として見られると思います。例えば食べたいものを限界まで我慢することが多く、ストレスが溜まるとたくさんの量を食べてしまうといった具合です。

自己管理ができない人の3つの理由とその解決策

ーーダイエットの自己管理は食欲などとの戦いがあり、難しいですよね。どうして自己管理ができないのでしょうか? 理由と解決策を教えていただきました。

理由1. 目標がない

堀田さん 体重の数値や期限などの目標がないと、自己管理の難易度が高くなってしまいます。普段から常に自己管理が徹底できている人はほんの一握り。何か目標がないと誘惑に負けてしまい、徐々に崩れていってしまいます。

「この日までに何kg痩せる」「何かのイベントまでにウエストを何cmしぼる」など、目指す目標が明確であればあるほど、自己管理は行いやすくなります。

ただし目標を設定していたとしても、目標が高すぎると達成することが難しく途中でくじけてしまうことも多いです。まずは無理のない小さな目標を立てて、それを実現させるというサイクルを心がけましょう。

理由2. 自分に甘い

堀田さん 自己管理ができない人のほとんどは、「できない」のではなく「本気でしようとしていない」というパターンだと思われます。自分にルールを課しても、それを守らなくては意味がなくなってしまいます。

ダイエットに我慢はつきものです。医療施術などによって我慢を最小限にすることはできますが、それでも自分で自分を変えようとする気持ちが弱いと、効果を完全に発揮することは難しくなってしまいます。まずは短期間でも良いので自分に厳しく、決めたルールを守れるよう工夫してみましょう。

理由3. 健康への興味が薄い

堀田さん そもそも自分の健康に興味が薄いと、長期的に自己管理を続けることは難しいでしょう。短期的な体重や体型にしか興味がない場合、短期的に集中してやせることができても、その後、ほとんどの場合にリバウンドしてしまいます。

短期的に集中して体重を落とせること自体は素晴らしいですが、その後のことも考える必要があります。将来の健康のためにヘルシーな生活を送ることを考えられると、長期的な自己管理を行いやすくなるでしょう。

ダイエットの効果が出にくい人が食事で陥りやすいNG習慣3つと解決策

ーー医療ダイエットに関わらず、自分で行うダイエットにおいても、なかなか効果が出ないと感じている人もいるでしょう。

堀田さんによれば、実はNGな食事や運動習慣を持っていることも多いのだそう。どんな習慣なのか気になりますよね。今回は、食事のNG習慣と解決策を教えていただきました。

NG習慣1. 食事回数を減らす

堀田さん ダイエットで特に多い間違いが、食事回数を減らしてしまうことです。例えば、朝ごはんを抜いてしまったり、1日の食事を夕食だけにしたり、といった方法を取ってしまいがちです。するとほとんどの場合、お腹が空いてしまって間食に走ってしまったり、1食あたりの量が多くなってしまったりして、本末転倒に。

食事回数を減らすと、短期的には体内の水分量の関係などで、一時的に体重が落ちたように見えることもありますが、安定して体重を減少させていくことは比較的難しくなります。

ダイエットを成功させたい場合は、食事回数は朝昼晩で減らさずに、内容だけを調整しましょう。また、場合によっては間食を取り入れたほうが効果が出やすいこともあります。

NG習慣2. 早食いをする

堀田さん 早食いのほうがそうでない人よりも太りやすいといわれています。早食いをしてしまうと、満腹を感じる前に食べ過ぎてしまうため、カロリーオーバーになりやすいのです。

もともと早食いの人は、ゆっくり食事をすることを意識するだけでも、食事量が減ったり痩せやすくなることを実感できるかもしれません。ゆっくり食事をするときに意識するべきなのは、噛む回数を増やすこと。たくさん噛む分、時間をかけて食べられるうえに、消化不良の予防にもなり、いいことずくめです。

NG習慣3. 食事をストイックにしすぎる

堀田さん 食事をストイックにしすぎると、途中で無理が出てしまうことが多いです。厳しいカロリー管理や栄養素管理は理想ですが、無理のない範囲で行わないと続かなくなってしまいます。

ダイエットは1日、1週間といった単位では終えられません。数カ月続けることを見越して、厳しすぎるルールは避けましょう。人によって継続しやすい食事は異なります。食事の調整方法はさまざまにありますので、可能であればプロのアドバイスのもと自分に合った食事ルールを身につけるのをおすすめします。

ダイエットの効果が出にくい・自己管理が苦手な人へのメッセージ

ーー最後に、ダイエットの効果が出にくい人や、ダイエットの自己管理が苦手だと感じている人にメッセージをいただきました。

堀田さん 自己管理をしっかりおこなっていくことは難しく感じてしまいますが、まずは自己管理ができていないことに気がつくことが第一歩です。自己管理は継続できないと意味がないので、まずは無理のないところから、自分のペースでゆっくり始めてみましょう。

次第にカラダやメンタルが慣れてきますので、そのタイミングで次のステップへ進んでみるなど、持続可能な形で楽しみながら取り組んでいくことが大切です。

ーーダイエットがいつもうまくいかないという人は、もしかしたら自己管理が苦手なことが原因かもしれないとわかりました。また、NGな食事習慣に心当たりがあった人もいるはず。ぜひこの機会に、無理のない自分に合ったダイエット方法を見つけることから始めましょう!

Information

<教えてくれた人>

堀田 歩希(ほった あるき)さん

堀田 歩希さん

美容皮膚科医、Willbe Clinic統括院長。慶應義塾大学医学部卒。慶應義塾大学病院、大手美容皮膚科での勤務を経て2021年独立。「きれいは、みんなのものだ。」をスローガンに、経済的負担が少なく手の届きやすい美容医療を提供している。

<筆者情報>

椎原茜
ライター。記事を通して、読者の方々に役立つ情報を知ってもらい、ハッピーかつ快適な生活を送っていただきたいという思いで執筆中。

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