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自分の不調に気づけていないかも… 女医監修「体調を崩すサイン」3つ

私たちは日々の中で、様々なストレスにさらされていることが多いです。そして、ストレスを我慢しすぎた結果、体調を崩してしまうことも…。我慢をしすぎているとき、体からは色々なサインが出ています。今回は、体調を崩してしまう前に自分で気付くべき3つのサインと、自分でできる対処法についてお話しします。

注意すべき3つのサインとは?

自分の不調に気づけていないかも… 女医監修「体調を崩すサイン」3つ

我慢のしすぎで体調を崩す前には、自分自身から色々なサインが発せられています。「心のサイン」「体のサイン」「行動のサイン」に注目して、ストレスが溜まっていることに早く気付くことが大切。それぞれ詳しく見ていきましょう。

心のサイン

心のサイン

1.イライラが続く

我慢のしすぎでストレスが溜まってくると、些細なことでイライラしやすくなります。特にイライラが続くときは、高いストレス状態が続いていることを示しています。

2.不安感や恐怖感が強まる

ストレスが蓄積すると、不安感や恐怖感が強まることがあります。これは、心のバランスが崩れていることを示唆しているでしょう。

3.悲観的な考えが増える

ストレスによって、ネガティブな考えや悲観的な考えが増えることがあります。特に、ネガティブ思考を頭の中で何度も繰り返してしまう「反芻(はんすう)思考」の状態に陥ると、抑うつ状態が悪化しやすくなると考えられます。

気付いたら同じ悩みについて、何度も繰り返し考えてしまっているような場合は要注意。また、自分に自信が持てなくなるなど、ポジティブな考えが減っている場合も注意が必要です。

体のサイン

体のサイン

1.頭痛や肩こりが続く

ストレスが溜まると、筋肉が緊張しやすくなり、頭痛や肩こりが続くことがあります。

2.胃腸の調子が悪くなる

ストレスが原因で胃腸の働きが悪くなり、胃痛や食欲不振、便秘や下痢などの症状として現れることがあります。

3.睡眠障害

ストレスが溜まると、寝つきが悪くなる、途中で目が覚める、疲れが取れないなどの睡眠障害が起こることがあります。反対に、いくら寝てもすっきりしない、眠気がとれないといった「過眠」の症状が出る場合もあるでしょう。

行動のサイン

行動のサイン

1.人間関係のトラブルが増える

ストレスが溜まると、人とのコミュニケーションがうまくいかなくなり、人間関係のトラブルが増えることがあります。

2.仕事や学業のパフォーマンスが低下する

ストレスが溜まっていると、集中力が低下しやすくなります。考えがまとまりづらくなったり、気付いたらぼーっとしてしまったりして、仕事や学業のパフォーマンスが低下することも。また、思うように活動できない自分を過剰に責めてしまう症状がでることもあります。

3.過食や過活動状態になっている

ストレスが溜まると、過食症状が現れることがあります。また、ストレスで抑うつ状態になる人もいれば、躁状態になる人も。

躁状態になると、たとえば眠気を感じなくなって夜中にランニングをし始めるなど、疲れを感じず異常に活発になったり、次々に思考が頭に浮かんでどんどん行動したくなったり……といった症状が現れます。それにもかかわらず、「自分は絶好調だ」と捉えてしまい、心身の不調を認識しにくい場合があります。

体調を崩す前にできること

体調を崩す前にできること

心と体、行動のサインを意識しつつ、実際に体調を崩してしまわないように、食事・睡眠・ストレスケアを行っていきましょう。

1.食事

バランスの良い食事を心がけて、体に必要な栄養を摂取し、ストレスに対抗できる力をつけましょう。

【食事のポイント】
・シリアルやパン、おにぎりといった手軽な糖質で食事を済ませていると、タンパク質やビタミン、ミネラルといった栄養素が欠乏し、体調もメンタルも悪化しやすくなるので注意する
・主菜の他に、副菜やサラダなどを一緒に摂るようにする。外食なら定食メニューにするなどして、タンパク質、ミネラル、ビタミンをしっかり摂る

【メンタル安定のために大切な栄養素】
・ビタミンB3(ナイアシン)…不安、不眠、緊張、注意力低下といった症状の軽減が期待できる
・カルシウム、マグネシウム…メンタルの安定と筋肉の正常な働きに重要
・ビタミンB6、葉酸…メンタルを安定させるセロトニンを体内で合成する(※1)

2.睡眠

睡眠不足が続くとストレスホルモンが上昇し、メンタル状態の悪化を起こしやすくなります。良質な睡眠を確保することで、心身をリフレッシュさせ、ストレスの蓄積を防ぎましょう。

枕やベッド、パジャマは寝心地の良いもので揃えてみてください。寝室は真っ暗にして、騒音がない状態が理想です。寝る前はカフェインをとらず、TVやスマホなどの光刺激を避けましょう。リラックスできる習慣を取り入れるのも効果的です。

3.ストレスケア

ストレスを解消する方法は人それぞれですが、運動や趣味、リラクゼーションなど、自分に合う方法を見つけて実践しましょう。

運動をすると、ストレスホルモンが代謝され、体への悪影響が軽減されます。趣味やリラクゼーションで気持ちを切り替えることで、前述した反芻思考を断ち切れることも。また、仲間と楽しい時間を過ごすと、ストレス解消効果が期待できます。

まとめ

我慢のしすぎに気を付けて、体調を崩さないようにしましょう。自分が感じているサインに敏感になることで、体調の変化に早めに対処し、より健やかな生活を送ることができます。それでも体調がすぐれない場合は、ひとりで抱え込まずに誰かに相談したり、気軽に医師に相談してみてくださいね。

【参考】
※1 厚生労働省.e-ヘルスネット セロトニン

©︎RUNSTUDIO/sinceLF/kazuma seki/Eri Miura/gettyimages

ママ女医ちえこ

ママ女医ちえこ(産婦人科医)
産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。
YouTube:https://www.youtube.com/c/mama女医ちえこ