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実は逆効果です! 部屋を“きれいに見せよう”として失敗する「NG収納術」

自分なりに部屋をうまく片づけているつもりでも、実は逆効果になっていることもあるでしょう。整理収納アドバイザーである筆者が、きれいに見せようとして失敗してしまいがちな「NG収納術」の特徴を3つ解説いたします。

NG収納1.「いる・いらない」の2択で分ける

見える収納ケース

「定期的に片付けている」「持ち物の量をきちんと把握している」という方は、ものの要不要を迷わずに判断できるでしょう。しかし、いつも収納からものが溢れていたり、片付けが得意ではないという方は、まだ使うかもと思ってなかなかその場で判断できないかもしれません。

整理するかどうか即決することが難しい方は、「要不要」の2択ではなく「使用頻度」で考えることをおすすめします。筆者は以下のように基準を設けています。

・1軍=毎日~1週間に1回使っている
・2軍=1か月に1回、3~4か月に1回くらい使っている
・3軍=1年に1回くらい使う
・補欠=1年間一度も使わなかった

使用頻度を優先する収納

例えば、筆者宅では、毎日使うキッチン用品はキッチンツールスタンドに入れて出しっぱなしにしています。ときどき使う2軍は収納ケースにまとめて吊戸棚の一番下の手が届きやすいところに、3軍は吊戸棚の一番上に保管しています。

一年以上使わなかったものは、一旦ゴミ袋に入れて2週間ほど置いてみて、取り出してまで使いたいと思わなければそのまま処分するようにしています。

「いる・いらない」を即決できず、いつも判断を後回しにしてしまう場合は、過去や未来の使い方ではなく、現在の使用頻度で分けてみてくださいね。

NG収納2.真っ白なケースや蓋つき収納ボックスを使う

見える収納ケース

白くて四角いファイルケースや蓋が付いている収納ボックスを使うと、見た目がゴチャゴチャしなくなり、すっきりと整ったように感じますよね。

しかし、
・ラベリングをしないと中身が分からない
・ラベリングをしていても、ケースを引き出すか、蓋を開けないと在庫数を把握できない
・ものの種類と在庫数まで把握できていなので、買い忘れや重複買いをしやすくなる

といったことも。「ケースの中身が一目で確認できない」ことで、余計なお金やアクションを増やしてしまうのです。

片付けのプロである筆者自身も、在庫を把握しておらずつい持っていることを忘れてしまうことがよくありました。そのため、高さがある真っ白なケースは持っていませんし、蓋のある収納ボックスには3軍のものだけを入れています。

1軍、2軍のものを入れるには、半透明やカゴなど中身が見えやすいものや高さが低めのものを選ぶと、在庫管理がぐんとラクになりますよ。

NG収納3.先に「隙間収納グッズ」を取り入れる

無駄に収納を増やさない

ものがうまく収まらない場合、コの字ラックや吊り下げ収納など、隙間を有効利用できる収納を取り入れるのは要注意です。とりあえず収納スペースを増やしてから溢れているものを収めよう! という案は、「ただものを移動しただけ」になってしまいます。

収納するときは、まず不要なものを手放してから、本当に必要なものを使いやすい場所にしまうことが大切です。

・使い勝手が悪く長年手に取っていないものは処分する
・傷んでいたり壊れかけているものを買い替えのために捨てる

など、改めてものの状態を見直すと、手放すタイミングのものが意外と多いことに気が付くはず。そうすれば、収納スペースを増やす必要はありません。

最初から収納グッズを増やすよりも、まず今必要なものを選び取る。それから、最も使いやすい高さ・位置にぴったりの収納アイテムを検討したほうが、暮らしやすさがぐっとアップしますよ。

まとめ

良かれと思って最初に収納術を取り入れたり、アイテムを購入する前に、

・使用頻度を優先
・見やすさ重視
・収めるもの、場所が決まってから収納グッズを購入

この3点を意識して、自分のライフスタイルとものの持ち方を見直してみましょう。片付けは試行錯誤の連続です。何度も見直していくうちに、自分軸での判断基準が分かるようになり、自然とすっきりした状態をキープできるようになっていきますよ。

筆者情報

のぞみ
シンプル志向の整理収納アドバイザー・ライター。クリンネスト1級。「暮らしもこころも かろやかに」をテーマに、ものとじぶんとゆっくり向き合える、続けやすい暮らしのちいさな仕組みを提案しています。Instagram▶@non.karoyakani