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手軽だけど逆効果なんです… 管理栄養士が明かす「実はNGな朝ごはん」

朝ごはんを摂ることは、一日の始まりに体と脳を目覚めさせるために大切です。時間がない朝は、食事を手軽に摂るために簡単にすましているという人もいるかもしれません。しかし、なかには健康やダイエットの観点から注意したいメニューもあります。今回は管理栄養士の筆者が、食べすぎに気を付けたい朝ごはんメニューについてご紹介します。

朝ごはんで控えたほうがよいもの

最近では、ダイエットのためにと朝ごはんを抜いてしまう人もいるでしょう。しかし、朝ごはんを抜くと体や脳がエネルギー不足となり、だるさや疲労感が残って勉強や仕事の集中力が落ちやすくなってしまいます(※1)。

また、朝ごはんを摂らないと空腹時間が長くなり、昼食・夕食や間食を食べすぎてしまうことにもつながるため、体重増加の要因になることも。そのため朝は少しでも食べたほうがいいでしょう。

ただし、なかにはなるべく控えたほうがいいメニューもあります。ここから紹介する食事は「絶対に食べてはいけないメニュー」ではありませんが、摂りすぎには注意が必要なので、ぜひチェックしてみてください。

菓子パン

菓子パン

菓子パンは糖質や脂質が多く、食事というよりはお菓子に近い食べ物です。朝に菓子パンだけという食事は栄養バランスが偏り、高エネルギーになりやすいため、毎日のように続けていると体重増加や血糖値が上がる可能性も。

特にメロンパンやクロワッサンなどのサクサクしたパン、ドーナツやカレーパンなど揚げてあるもの、生クリームがたくさん使われているものは、脂質が多く含まれているため注意が必要でしょう。

パンを食べたいときは、食パンやロールパンなどのシンプルなパンがおすすめです。さらにたんぱく質が摂れるゆで卵や、野菜が摂れるサラダなどを組み合わせると栄養バランスもよくなりますよ。

グラノーラ

グラノーラとは、オーツ麦やナッツなどにシロップやオイルなどを混ぜてオーブンで焼き上げたシリアルの一種です。商品によってはドライフルーツが入っている場合もあります。

ドライフルーツは体に良さそうなイメージがあるかもしれませんが、フルーツを乾燥させている分濃縮され、少量でも高エネルギーになりやすい食べ物です。そのため、グラノーラは意外と糖分や脂質が多くなりやすく、ダイエット中の方は特に食べすぎに気を付けたほうが良いでしょう。

対策としては、シロップやドライフルーツが添加されていないオートミールに置き換える、なるべく糖質や脂質が低いタイプを選ぶなどがおすすめです。また、グラノーラを牛乳やヨーグルトと一緒に摂る場合は低脂肪タイプを選ぶようにしてみてください。

スムージー

スムージー

ダイエットや健康のためにとスムージーを飲んでいるという人もいるかもしれません。しかし、果物やシロップなどをたくさん使った甘いスムージーは糖分が多く、飲みすぎると血糖値や中性脂肪の上昇に影響をおよぼす可能性があります。

スムージーを手作りするならシロップなどの甘味は控えめにし、葉物野菜を混ぜたり豆乳や牛乳などたんぱく質が摂れるものも加えたりするとよいでしょう。ただ、胃の調子がよくない場合などは、消化されやすいスムージーを飲むのがおすすめです。体調に合わせて朝食を選ぶといいですね。

理想的な朝ごはんとは

これまで紹介したメニューのほかに、朝は時間がなくてごはんだけ・パンだけなどで済ますという人もいるかもしれません。しかし、これだけでは炭水化物に偏った食事となってしまいます。まずはたんぱく質を意プラスしてみましょう。例えばごはん食なら納豆や魚、パン食なら卵やハムなど。さらに副菜としてサラダやスープ、みそ汁などもあれば理想的です。

朝ごはんはできるだけバランスよく

朝ごはんはできるだけバランスよく

朝ごはんは一日の活動を始めるためのエネルギー補給として欠かせません。主食・主菜・副菜がそろったメニューがいちばん理想的ですが、朝ごはんを食べる習慣がない人はまずは食べやすいものから始めてみましょう。

また、ご紹介した「朝ご飯に避けたいメニュー」も毎日摂りすぎなければ問題ありません。今回お伝えした朝ごはんのポイントを参考に、元気よく一日をスタートさせましょう。

【参考】
※1 農林水産省.朝ごはんを食べないと?
©kai/PIXTA(ピクスタ) ©Mills/PIXTA(ピクスタ) ©photosomething/AdobeStock

筆者情報

寺内麻美
管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。