いまわたしたちにできること~美容・健康・環境も~

アイスやお酒が大好きな人は要注意! 女医が教える「夏太りしやすい人」のNG習慣

夏といえば、暑さによる夏バテで夏やせしてしまう人もいます。ですが、逆に夏太りしてしまうケースもあるでしょう。今回は、夏太りのリスクとその対策について詳しく解説していきます。

1.夏太りの原因とは?

1.夏太りの原因とは?

夏太りの原因(1)糖分の多い飲食物

夏になると、冷たい食べ物や飲み物を摂取したくなりますよね。アイスクリームや甘みのある冷たい飲み物は、冷たい状態でちょうどいい甘さに感じられるように糖分が多く含まれています。これらの飲食物を大量に摂取すると、糖質を摂りすぎてしまい、夏太りの原因につながりやすくなるでしょう。

夏太りの原因(2)夏の基礎代謝の低下

暑いと汗をたくさんかくことから、どんどんエネルギーを使っているような気分になるかもしれません。しかし、夏は基礎代謝が低下しやすいとされるため、注意が必要です。

人間の体には、自律神経の働きにより、寒さにさらされると代謝を活性化して熱を産生する仕組みがあります。そのため、寒い冬は基礎代謝が上がりやすいことが知られています。ですが、夏は寒さの刺激がないため、冬に比べて基礎代謝が低下しやすいと言われています。基礎代謝が下がると、消費するエネルギーが減少し、体脂肪が蓄積されやすくなるため注意しましょう。

夏太りの原因(3)熱帯夜による睡眠不足

熱帯夜が続くと、たとえ睡眠時間を十分確保していたとしても、暑さでなかなか眠れなかったり、喉が乾いて起きてしまったりと、眠りが浅くなりやすいでしょう。睡眠が十分にとれていないとストレスホルモンが上昇し、食欲が増す、インスリンの分泌量が増えるなど、太りやすい状態になってしまいます(※1)。

2.夏太りしやすい人の特徴とは?

アイスやお酒が大好きな人は要注意! 女医が教える「夏太りしやすい人」のNG習慣

夏太りしやすい人の特徴(1)食べすぎ

夏は暑さで食欲が落ちる人も多いでしょう。しかし逆に冷たい飲食物への欲求が増え、結果的に食べすぎてしまう人は、夏太りしやすい傾向があります。内側から熱を冷まそうとして、冷たいアイスやビールをつい摂取してしまうという人は注意が必要ですね。

夏は発汗が多いため、汗と一緒に多くの水分とミネラルを失いやすくなります。それが原因でだるくなったり、食欲が落ちたりするなど、いわゆる夏バテ症状が出やすくなることも。その際に、手軽に食べやすいそばやうどんといった糖質を多く含む食事に頼ってしまったり、糖分を含んだ飲み物やアイスなどを多く摂ったりする人は、糖質摂取が過剰な状態になりがちです。

その一方で、ビタミンやミネラルが不足していると、代謝が落ちてしまいます。つまり夏は、糖質の摂りすぎと代謝の低下のダブルパンチにより、太りやすくなる可能性があると考えられるのです。

夏太りしやすい人の特徴(2)運動不足

暑さで外出を控えがちになって運動量が減ると、消費カロリーが減ります。食事量が同じでも、運動不足によって太りやすくなることがあるので気をつけましょう。

夏太りしやすい人の特徴(3)お酒をよく飲む

暑い日は、ビールがおいしいですよね。しかし、残念ながらアルコール飲料を飲むことで食欲が増進してしまい、食べすぎによって夏太りしやすくなる人もいます。

3.夏太りを防ぐ対策

3.夏太りを防ぐ対策

対策(1)糖分の摂取量をコントロールする

アイスクリームや冷たい飲み物の摂取量をコントロールすることで、糖分とカロリーの過剰摂取を防げます。無理に我慢するのではなく、量や頻度を調整することが大切です。なお、汗をかいたときにスポーツドリンクをよく飲む人もいるかもしれませんが、スポーツドリンクは意外と糖質を多く含むものが多いため注意しましょう。

対策(2)栄養バランスを考える

冷やし中華や冷たいうどん、そば、そうめんなどばかり食べていると、どうしても栄養が糖質ばかりに偏りやすくなります。不足しがちなミネラル、ビタミン、そして体力を保つのに大切なタンパク質をしっかり摂るようにしましょう。

汗で失われやすいナトリウムやカリウムを補うには、梅干しがおすすめです。ナトリウムやカリウムのほか、抗酸化作用のあるビタミンEや(※2)、疲労回復に効果のあるクエン酸も含んでいます。また、ビタミンB群とタンパク質を多く含む肉、魚、卵、レバーなどを積極的に摂取するといいですね。

対策(3)基礎代謝を高める運動を行う

対策 (3) 基礎代謝を高める運動を行う

基礎代謝を高める運動を行うことで、消費カロリーを増やし、太りにくい体質を目指すことが可能です。基礎代謝をアップさせるには、筋肉量を増やすのが効果的。屋内で筋力トレーニングをしたり、夜間や早朝にウォーキングをしたりするなど、涼しい時間帯を活用して運動してみましょう。

対策(4)アルコールの摂取を控える

お酒を飲む機会が増えたときは、カロリーの高いおつまみを避け、低カロリーのものを選ぶようにしましょう。また、お酒自体の摂取量を控えることも大切です。

対策(5)熟睡できるように、寝室の環境を整える

睡眠不足は肥満の原因になってしまいます。個人差もありますが、睡眠時間は1日7~8時間を目安にしましょう。また、時間を十分確保しても、眠りが浅いと睡眠不足に陥ることがあります。熟睡できるように、寝室の環境を整えることから始めてみてください。

おわりに

おわりに

暑い夏は、アイスクリームなどの冷たいものが特においしく感じられるでしょう。しかし、糖質の過剰な摂取は夏太りのリスクを増加させる可能性があります。ただし、適度な摂取と適切な対策を心がければ、健康的な体を保つことは可能です。夏の楽しみを満喫しつつ、自分の体を大切にしましょう。

【参考】
※1 厚生労働省.e-ヘルスネット 睡眠と生活習慣病との深い関係
※2 厚生労働省.e-ヘルスネット 抗酸化ビタミン
©mapo/Westend61/demaerre/seksan Mongkhonkhamsao/maroke/gettyimages

筆者情報

ママ女医ちえこ

ママ女医ちえこ(産婦人科医)
産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。
YouTube:https://www.youtube.com/c/mama女医ちえこ