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婦人科に行くときはアンダーヘアを剃るべき?【女医が答える】「かかりつけ医には聞けないコト」Q&A

身体や体調のことについて不安があったとしても、直接病院で医師に質問するのはハードルが高く感じてしまう人もいるのではないでしょうか。特に、女性特有の悩みや婦人科関連のことについては聞きづらく、なかなか疑問を解消できないという人も多いようです。今回は「anan Beauty+」に寄せられた様々な質問に、産婦人科専門医の筆者がお答えしていきます。

Q.婦人科系検診のとき、アンダーヘアを剃っていくべき?

Q.婦人科系検診のとき、アンダーヘアを剃っていくべき?

婦人科系の検診の際にアンダーヘアを剃る必要はありません。アンダーヘアを剃っていなくても診察は可能ですので、気になさらなくて大丈夫ですよ。

Q.内診の日はシャワーを浴びてから行くのですが、診察の前にトイレに行きたくなると我慢してしまいます…

内診で外陰部をみせるのは恥ずかしいと感じるのもよくわかります。ですが、医師が診察する際には、手や足やお腹を診察するのと同じように、身体の異常がないかどうかという視点で診察していきます。爪に少し垢がたまっていてもそこまで気にしないのと同じように、外陰部が汚れていても気になさらなくて大丈夫です。

トイレを我慢していると、内診のときにお腹を押されることが不快に感じやすかったり、経膣エコー検査で子宮の状態が見にくかったりすることもあります。尿検査の指示がない場合には、あらかじめ排尿しておくのがおすすめです。ご心配な場合は、赤ちゃん用のおしりふきシートなどで拭き取っておくのもいいでしょう

Q.更年期を上手く乗り切るために、40代前半からしておくべきことはありますか?

Q.更年期を上手く乗り切るために、40代前半からしておくべきことはありますか?

更年期を上手に乗り切るコツは、意識的に自律神経のバランスを整えることです。具体的には、良質な睡眠、栄養バランスのいい食事、適度な運動習慣、ストレスをためないことなどが挙げられます。更年期は自分の生活習慣を見直すチャンスと考え、自分に無理を強いる生活をしていないか早い段階でチェックしてみてください。

更年期は閉経前後の一時的なものではありますが、もし生活に支障がでるような症状がある場合には、早めに婦人科で相談してみるのがおすすめです。

Q.妊活していた人から、“妊活をやめた途端に妊娠した”という話をよく聞くのですが、なぜでしょうか?

妊活をするにあたって、夫婦ともにストレスが高まりやすい状況になると言えます。妊活中は月経が来るたびに妊活の失敗を実感しやすいですし、不妊治療も大きな負荷になるはず。女性は頻回な受診やホルモン剤を使用する必要があることも、ストレスの要因になってしまいます。

ストレスをためすぎることは、妊活の成功にも悪影響を及ぼす可能性が考えられます。妊活をやめた途端妊娠したというのは、もちろん一概には言えませんが、ストレスから開放されたことが良い方向に働いたのかもしれませんね。

Q.婦人科検診に行くべき頻度を知りたいです。

Q.婦人科検診に行く頻度を知りたいです。

婦人科検診については、特に症状がない場合は、2年に1回の子宮頸がん検診を受けるのがおすすめです。月経痛や月経前の不調、不正出血、おりものの異常など、気になる症状がある場合には、その都度受診するようにしましょう。症状がない場合であっても、子宮頸がん検診のタイミングで経膣エコー検査も併用すると、子宮や卵巣の異常を早く見つけることができる可能性があるので、検討されるといいですね。

Q.産後の婦人科検診は1年以上空いても平気? 子育て中はなかなか病院へ通えず、検査ができません。

出産前は妊婦健診の際に、子宮頸がん検診やエコー検査などで一通りのチェックをするので安心ですよね。ただ、その後はまた2年おきの子宮頸がん検診が推奨されています。その他、子宮筋腫や卵巣のう腫などの婦人科疾患をお持ちの場合は、定期的なチェックや治療が必要となりますので、主治医の指示に従いましょう。

ふだん外来をしていると、お子さん連れで受診される方も多くいらっしゃいますよ。

Q.婦人科検診は必ず受けたほうがいいですか? 有料なのでつい省いてしまいます…

子宮頸がん検診は、20歳以降の女性は2年おきに受診することが推奨されています。一般的な他の部位のがんと違って、子宮頸がんは20代後半から増加し、若い世代でも発症するがんだからです。子宮頸がんは検診による早期発見により、完治が期待できるものですから、性交経験がない女性は別として、性交の経験がある場合は少なくとも2年に1度は受けておくことが勧められます。

万が一、不正出血などの症状がある場合は1年に1度の受診とし、同時に卵巣や子宮の状態をエコー検査などでチェックするのがいいですね。健康診断の場合はオプションになることが多いですが、クーポンで補助してくれる自治体も多いですので、一度お住まいの自治体のサービスを確認してみましょう。
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著者情報

ちえこサムネイルanan

ママ女医ちえこ(産婦人科医)
産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は15万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。
YouTube:https://www.youtube.com/c/mama女医ちえこ