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マスクの効果を最大限に活かせる! 医師が教える「マスクの選び方、つけ方、捨て方」

長引く感染拡大と行動制限に加えワクチン接種も進み、意識にも少し慣れやゆるみが出てきてしまっていると思います。今回は初心に戻って再確認していただきたい感染対策の基本、マスクについての内容です。マスク不足の日々が嘘のように感じるほど、最近では多くの種類のマスクが販売されるようになりました。企業で産業医として働く医師が、効果を最大限に活かせるマスクの選び方、つけ方、捨て方について正しくお伝えします。また職場や町の中で見かけるマスク問題や疑問についてもお伝えします。

再確認! マスクの正しい知識

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ガーゼ、布、サージカル、ウレタン、不織布、N95…。

多くの種類のマスクが市場に出回り、値段やデザイン、柄、大きさ、性能もさまざまでどれを選んだらいいのかよくわからない…ってことはありませんか?

マスクは種類によって使い方や効果が違いますが、性能、値段、使いやすさなどから、おすすめは、使い捨てタイプの不織布マスクです。

不織布マスクは布マスクに比べて繊維同士の隙間は狭いのに通気性が良いことが特徴です。医療マスクとして知られているサージカルマスクもこのタイプに属されているのでサージカルマスクと表示されているものも安心です。

マスクはノーズワイヤーがついているものを選んでください。またパッケージ表示にPFE、VFE、BFE〇%と書かれているものも増えましたが、これらはフィルタ部分でどの程度の大きさの粒子をどの程度カットできるかを表しています。数値が高いものほど高性能と理解してください。

しかし、高性能フィルタを選んでもマスクの効果を左右するのは『つけ方』です。マスクをつける時は、手が清潔であることが前提です。

裏表は紐が外側に出ているほうがマスクの外側であるものが多いです。手を清潔にしてからマスクの鼻の部分の隙間を埋めるためノーズワイヤ―をしっかり押さえて隙間を埋めましょう。また頬と顎も隙間ができやすい場所です。いろいろなメーカ―のマスクがありますので自分の顔に一番フィットするマスクを探すことが大切です。

一方、夏場に人気のウレタンマスクやお財布に優しい布マスクは、不織布マスクに比べると飛沫を吸い込みやすく飛ばしやすいため感染対策として不安な点があります。

また、洗うたびに予防効果が減っていくため、ウレタンマスクや布マスクの多用や使用場面には十分注意して、人との距離が2メートルを保てないような職場や公共交通機関、会話時の使用は避けることをおすすめします。

しかし、感染リスクの低い屋外での活動や人との距離を保てるような場面での使用は可能と考えます。肌荒れで不織布マスクが難しい方はウレタンマスクの上に不織布マスクを重ねることことでより予防効果が得られます。

今年2月にアメリカの研究結果で2重マスクについての発表があり、2重マスクの有効性が話題になりました。この研究では、2重マスクがより安全というより、1重のマスクでもしっかりと顔にフィットさせることが感染対策として最も大切ということがわかりました。

不織布マスクと布マスクを重ね付けしても、感染予防効果が倍になるわけではありませんが、不織布マスクで隙間ができる方は大きめの布マスクを上からつけることで隙間を減らすことが期待できます。

こんな経験ありませんか?

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マスク生活が長引くにつれて、使い捨てがもったいなく感じてしまい、つい、帰宅後にマスクをそのまま玄関先や洗面所において、コンビニや宅配便受け取りの時に再利用してしまうことありませんか? 

また、車に乗った時にマスクを外し、降りるときにまたマスクをつける。ランチの時に外したマスクをバックに入れて、食べ終わったら取り出してまたつける。カフェでコーヒーを飲むときに外して、またつけて会話を楽しみ、また外してコーヒーを飲む…こんなことありませんか?

ここでのポイントは、マスクの衛生面を理解することです。ここまでマスクが日常的になると誰もがマスクの表面を無意識にさわってしまうこともあると思います。マスクは飛沫感染を防ぐ代わりにマスクの表面には目に見えないモノがたくさん付着しています。

見えないからこそ気づきにくく意識することが大切ですね。匂いや色がついていたらわかりやすいんですが、厄介ですよね。マスクの表面をさわった手で携帯電話やパソコンを触り、目をこすったり、食事をしたり、鼻や口を触ると感染リスクは一気に高まります。

飛沫感染予防と同時に接触感染予防も大切です。マスクの表面を触った後は手の消毒をすることでリスクを下げることができます。

基本的には使い捨てマスクは一度の使用が理想的です。しかしリスクを理解して、ちょっと後でもう一度外出するときに使いたい、というときは置き場所を玄関先にしておいて手と一緒にその場所も消毒してください。

使用後やマスク交換のときは、片方の耳のゴムの部分を持ってそのまま、蓋付きのごみ箱や紙などに包んで捨てる方がいいでしょう。そのあと必ず手洗いや消毒もしましょう。

職場や街中でみかけるマスクあるある

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産業医として職場の見回りをしていると、熱中症リスクや正当な理由がないにも関わらず、マスクをせずに仕事をしてされている方や電話の時に無意識にマスクを下ろしてしまっている方、鼻マスクで会議に参加している方を見かけます。

特に役職のある方が正しくマスクをつけていないと周りは不安ですよね。私は産業医として対象者には感染対策にご協力をお願いしますと離れた場所から声を掛けますが、産業医がいない場合や、すぐに対応してほしい時は、不安である気持ちを必ず会社側(総務部や健康管理室)に伝えてください。

残念ながらワクチン接種の有無に関わらず、マスク着用はまだまだ必要な世の中ですが、緩みが出てしまっているところもあります。危険と思ったときは一旦その場から離れることをおすすめします。

また、街中でジョギングをする方とすれ違う時に不安だという声もありますが、これに関しては運動される方の配慮が必要です。

ジョギングなどの呼気が激しくなるような運動をするときは、周囲への配慮として人の少ない場所や時間帯を選んでください。また、できるだけマスク着用がすすめられていますが、普段よりも身体に負荷がかかるため無理しないようにしてください。

マスクを正しく着用しても、残念ながら、完全に感染を防ぐことはできません。しかし、対策をしっかりとることで感染リスクを下げることはできます。

無症状感染者がいることやワクチン後のブレイクスルー感染対策としてもマスクの着用はこれからも意識して、みなさん安全に元気でお過ごしください。

竹中 奈織 
兵庫医科大学卒業後、病院勤務を経て産業医へ。シンガポール駐在経験のある3児のママ。妊娠糖尿病や妊娠高血圧になったことで予防医学を学ぶ。多くの人に今だからこそできる対策を伝えていきたい。

資格
日本内科学会認定医
日本医師会認定産業医
日本抗加齢医学会専門医

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※ 商品にかかわる価格表記はすべて税込みです。