秋冬も食中毒に注意です! 管理栄養士&女性約100人に聞く「食中毒の体験談と対策法」
食中毒は夏場に起こりやすいイメージがある人も多いかもしれません。しかし実は、寒くなる秋冬も食中毒に注意すべき季節です。今回は食中毒を起こさないための対策方法や、20代~30代の女性が集まるanan Beauty+ clubのメンバー約100人に聞いた食あたりの体験談をご紹介します。
女性たちの「食あたりの経験談」を大調査!
今回は、anan Beauty+ clubのメンバーに「食あたり」についてアンケートを実施。女性たちに「食べ物の食中毒で、辛い経験をしたことがあるか」を聞きました。
※anan Beauty+ club…美容・健康・エコ好きな女性たち約100名が集まるanan Beauty+の読者組織。
Q. 食中毒で、辛い経験をしたことがありますか?
ピッタリ50%ずつに分かれる結果に。半数の人が「はい」と回答、食中毒で辛い思いをしたことがあるようです。食あたりになってしまうと、今まで味わったことがないほどの苦しみに襲われてしまうことも…。筆者は経験があるので「いいえ」と回答した人が羨ましい限りです。
続いて「はい」と回答した人に、具体的にどんな辛い経験をしてしまったのか、2度と経験したくないトラウマエピソードを聞いてみました。
「大好きな牡蠣に2回もあたってしまった。しかも焼き牡蠣であたっているので、火を通せばいいというわけでもなく…。大好きなのでたまに食べますが、なるべく避けるようにしています」(30歳・会社員)
「牡蠣の胃腸炎は本当にきつかった。もう2度となりたくない。高熱と吐き気、下痢で意識飛びそうだった」(38歳・専門職)
「牡蠣にあたったことがあって以来食べていなかったのですが『ここはあたらないよ』という友人を信じて、久々にお店で牡蠣を食べました。見事にあたり、次の日から旅行だったのですが、旅行先でリバースしました」(26歳・専門職)
「焼肉屋で、鶏肉に火が通ってなかったので腹痛に…かなり辛かった」(31歳・フリーランス)
「鯵を食べてアニサキスで腹痛に。痛すぎて、夜中に近くの大学病院の救急に行きました」(28歳・会社員)
「魚介のパスタにやられました。嘔吐、下痢、高熱で最悪でした」(32歳・会社員)
みなさん、辛い経験されていますね…。1番多かった原因は「牡蠣」。生でなくてもあたる可能性があるとは恐ろしいです。筆者は生牡蠣にあたったことがありますが、腹痛とおう吐が止まらない症状が2日続き、絶望的な辛さだったことを覚えています。
首相官邸のHP(※1)によると、年間の食中毒の患者数の約半分がノロウイルスによるもので、うち約7割は11月~2月に発生しているのだそう。これからの季節、特に要注意です!
※ 文・武市彩花
※ 2022年9月9日配信
秋こそ食中毒に注意! お弁当作りのポイントは?
秋は意外と食中毒が起こりやすい季節
秋は行楽シーズンということで、手作りのお弁当を持って出かける機会も増えるのではないでしょうか。涼しい日も増えたことで、つい油断して食中毒を起こしやすいようなお弁当の作り方や保存方法になってしまう人もいるかもしれません。
また、季節の変わり目は体調を崩しやすく、免疫力が下がりやすい傾向も。秋の行楽シーズンこそ食中毒に気を付けたお弁当づくりを心がけましょう。
秋のお弁当作りで注意したいこと
お弁当箱は清潔に保つ
お弁当箱に菌が残っていると食中毒の原因となります。熱湯消毒なども行い、よく乾かして使いましょう。また、使い捨ての容器を使うのも衛生的でおすすめです。
冷ましてから蓋をする
食中毒菌が増える理由は、水分・温度・栄養などの要素が考えられます。お弁当が冷めないうちに蓋をすると、温度が下がりにくく、水分が出やすくなるのです。結果的に食中毒菌が増える可能性があるため、必ず冷ましてから蓋をしましょう。
作り置きのおかずに注意
作り置きをしておいたおかずは、たとえ冷蔵庫に保存していたとしても、傷みやすくなったり食中毒菌が増えやすかったりする恐れが。なるべく当日調理したものが安心ではありますが、作り置きのおかずを使う場合は再加熱して冷ましてから詰めるようにしましょう。
ごはんの取り扱いに気を付ける
ごはんが熱いままお弁当箱に詰めると傷みやすくなるので、しっかり冷ましてからお弁当箱に詰めましょう。また、おにぎりは素手で握ると手についている菌で食中毒を起こしやすいため、ラップなどを使って握るのがベスト。秋は炊き込みご飯を作る機会が増えるかもしれませんが、傷みやすいためお弁当には不向きでしょう。
食べるときも食中毒対策を
会社などに持っていくお弁当であれば、冷蔵庫で保管できる場合もありますが、長時間お弁当を持ち歩くときは保冷剤を使って冷やしたり、抗菌シートを活用したりして菌を増やさない工夫が大切です。
また、食べる直前にも手洗いをしましょう。外出先で手洗い場が近くにない場合は、ウェットティッシュで手をふき取り、アルコール消毒をするとより安心ですね。
※ 文/管理栄養士・寺内麻美
※ 2022年9月17日配信
食中毒予防のために「やってはいけないこと」
ここでは調理器具の消毒・除菌など、家庭内で気を付けたい食中毒予防法を整理収納アドバイザーが紹介します。
エコバッグの汚れを放置
野菜についていた土汚れや、肉や魚の汁がエコバッグに付着したままだと、気づかないうちに細菌が繁殖しやすくなり、イヤな臭いの原因になることもあります。一見汚れているように見えなくても、エコバッグは定期的に洗うことがおすすめです。
また、食品と日用品を一緒のエコバッグにいれている場合も要注意! 汁が漏れやすい肉や魚は、他の食材に汚れが付かないよう、個別にビニール袋に入れてからエコバッグに入れておきましょう。できれば食品と日用品は別々のエコバッグを使うと、衛生的でより安心ですね。
スポンジの消毒・除菌をしない
調理中に食中毒を予防するには、まな板やスポンジの除菌をこまめにおこなうことも重要です。スポンジは小さな食品のカスが中に入り込み、濡れたまま放置していると、雑菌が繁殖しやすくなります。
スポンジの手軽な除菌方法は、除菌ができる台所洗剤をつけておくことや、熱湯での消毒がおすすめです。
筆者宅の方法は、簡単な3ステップです。
- 熱湯を1分ほど、ゆっくりとスポンジ全体にまわしかける
- 冷水ですぐに冷まして、しっかりともみ洗い
- シンクの隅に立てかけて、乾かす
スポンジラックに水垢や汚れがついたままだと、そこでも雑菌が繁殖しやすくなるので、ラックは定期的に洗うことも忘れずに!
まな板の除菌を忘れる
肉や魚を切った後のまな板は、表面の小さな傷に菌が入り込みやすく、汚れや菌が十分に洗いきれていないと、食中毒の原因になる可能性があります。
筆者宅のまな板の手入れは、以下の3つを心掛けています。
- プラスチック製まな板と包丁を、野菜用と肉魚用の2種類用意
(肉魚用まな板は年1回買い替え。去年使用した野菜用を、今年の肉魚用にスライドして使用) - 野菜用のまな板は、夏場にはキッチンハイターで週2回除菌
- 肉魚用のまな板は、使うたびに毎回除菌
木製まな板の場合は、ハイターなどの塩素系漂白剤が使用できないため、アルコールスプレーや熱湯をかけてこまめに除菌しておきましょう。
また、まな板の除菌の前にしっかりと汚れを落としておくことも重要なポイントです! 肉や魚を切った直後に熱湯をかけると、タンパク質が固まって、汚れが落ちにくくなってしまうことも。台所洗剤で十分に洗ってから、まな板の素材に合った除菌方法を試してみてくださいね。
※ 文・のぞみ
※ 2022年8月8日配信
日頃の対策を徹底して食中毒を予防しよう
食中毒を予防するためには、食材が触れるものや調理器具などを清潔にしておくことが大切です。お弁当を持っていくことが多いなら、食中毒を寄せ付けないお弁当作りのポイントも押さえておきましょう。ちょっとした油断が食中毒を招くこともあるので、普段から食中毒予防に取り組んでみてくださいね。
【参考】
※1 首相官邸.ノロウイルス(感染性胃腸炎・食中毒)対策
©Charday Penn/karinsasaki/OKrasyuk/dontree_m/gettyimages