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意外とすぐに傷むんです…【管理栄養士監修】春のお弁当づくりで「必ず注意すべきこと」

4月から新生活が始まり、お弁当を作る機会が増えるという方もいるでしょう。また、お花見などで手作りのお弁当を外で食べるのも楽しいですよね。しかし、気温が上がってくる今の季節は、お弁当の衛生管理に注意が必要です。今回は管理栄養士の筆者が、春のお弁当作りで気を付けたいポイントを解説します。

春のお弁当づくりも、食中毒に注意!

春のお弁当づくりも、食中毒に注意!

4月はだんだんと暖かくなる日も増えますが、まだ寒い時期の感覚で食材を扱い、食中毒を起こしやすい保存方法になってしまうという人もいるかもしれません。4月からお弁当を作り始めるという人は、まだ不慣れなため傷みやすい調理方法や食材を選んでしまう可能性もあります。

また、お花見など外でのイベントも増え、手作りのお弁当を食べる機会もあるでしょう。今の時期は季節の変わり目で体調も崩しやすいため、食中毒予防を意識したお弁当作りが大切です。

食中毒予防の3原則を押さえましょう

食中毒にはさまざまな要因がありますが、おもに原因となる細菌が体内に入ることで発生します。食中毒予防のためには菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」の3原則を意識することが大切です(※1)。

菌をつけない

買い物のときは新鮮な食材を選び、肉や魚は水分が漏れないようにビニール袋などに包んで持ち帰りましょう。自宅で冷蔵庫や冷凍庫に保存するときも、生の肉や魚はほかの食品に触れないようにラップや保存袋などを使って保存するようにします。

また、調理の前はしっかり手を洗い、調理中でも生の肉・魚・玉子を触ったあとなどは手をきれいに洗いましょう。

菌を増やさない

菌を増やさないためには、温度や湿度に気を付けることが大切です。ごはんやおかずが温かいうちにお弁当に詰めてしまうと、蒸気で水分がこもりやすく、傷みやすい状態に…。必ず冷ましてから詰めましょう。

水分が多いと細菌が増えやすくなるため、お弁当に詰めるおかずの水分はよく切りましょう。仕切りや盛り付け用カップなどをうまく活用するのもおすすめです。生野菜や果物を持っていきたい場合は、別容器に入れておきましょう。保冷剤をつけるとより安心です。

菌をやっつける

加熱調理をするときは、しっかり火を通すことで殺菌効果が期待できます。目安は75℃以上で1分間以上の加熱(※1)。お弁当を作るなら、できるだけ当日作ったものが望ましいですが、前日に作ったものや作り置きのおかずを詰めるときは必ず再加熱しましょう。

春のお弁当づくりで気を付けたいポイント

春のお弁当づくりで気を付けたいポイント

お弁当箱は清潔に

お弁当箱は、必ずしっかり洗って乾かしたものを使いましょう。ふきんは雑菌が繁殖しやすいため、水分を拭き取るときはキッチンペーパーを使うと安心です。また、おかずを詰める前に、薄めたお酢でお弁当箱を拭くと食中毒予防になりますよ。

傷みやすいメニューを避ける

鶏肉や玉子などを使った炊き込みご飯は傷みやすいため、なるべく避けましょう。おにぎりにするなら、具材に梅干しや青じそなどを活用すると、抗菌作用が期待できるのでおすすめ。また、半熟卵は傷みやすいため、お弁当にはしっかり火を通したものを詰めましょう。

マヨネーズで和えたものは、水分が出てきて傷みやすいため避けましょう。マヨネーズだけでなくソースやしょうゆなどの調味料には水分が多く含まれます。調味料を使いたいときは別容器に入れたもの、小分けタイプのものを持っていき、食べる直前にかけるのが安心です。

お弁当の保存グッズを活用する

お出かけのときは、お弁当を長い時間持ち歩くこともあるでしょう。暖かい日はどうしても傷みやすいため、活用したいのが保冷バッグや保冷材などの保存グッズです。保冷材はケーキやアイスを買ったときにもらえるものを取っておけば使えますし、百均などに売っているお弁当用の抗菌シートの活用もおすすめです。

春のお弁当作りは食中毒に気を付けましょう

春の訪れとともにお弁当作りも楽しくなる季節ですが、気温の上昇による食材の傷みには注意が必要です。お弁当づくりの際には、食中毒予防の3原則をベースに、今回お伝えしたような注意点も押さえて、安心でおいしいお弁当ライフを楽しんでくださいね。

【参考】
※1 厚生労働省.家庭での食中毒予防
©Nana / PIXTA(ピクスタ) ©bonbon / PIXTA(ピクスタ)

筆者情報

寺内麻美
管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。