健康診断前にやらないで…! 女医がこっそり明かす「健診前のNG行動」とは
みなさんは自分の身体の健康状態をきちんと把握できていますか? 健康診断で自分の状態を正確に把握することが大切なのですが、医師の視点からすると、実は健康診断や定期健診の前にしないほうがよい「NG行動」があります。結果に影響が出てしまい、正確な判断ができないこともあるので注意が必要です。今回はそのような行動をいくつかご紹介し、万全な状態で健康診断に臨んでいただくためのポイントをお伝えします。
健康診断前に避けるべき行動
健診直前だけいつもの食生活と違う
健康診断の直前に、飲み会や食事会などを計画するのはやめておきたいところ。健康診断の前だけど、ついつい友人や上司と食事会があると、食べすぎや飲みすぎにつながってしまいます。そうすると、本来は問題ないはずが異常値として出てくる可能性があります。
例えば、前日の夜にアルコールを摂取しすぎると、肝機能や脂質の指標に影響を与えることも。これによって、健康診断の結果が、実際の健康状態を正確に反映しなくなることがあります。同じように、脂っこい食事や過剰なカロリー摂取についても、血糖値や脂質の検査結果に影響することがあるので注意が必要です。
また、直前だけ健康的な食生活にするのもNG。健康診断の前は、なるべくいつも通りの食生活で過ごし、絶食時間を守るようにしましょう。
十分な睡眠をとれていない
健康診断の前夜は、十分な睡眠をとることが非常に重要です。睡眠不足は、血圧や心拍数に影響を及ぼし、疲労感が検査結果に反映される可能性があります。
適切な睡眠を確保することで、より正確な健康状態の把握が可能となります。カフェインなどの覚醒作用のある飲料を控えたり、ゆっくり入浴して副交感神経が優位な状態を作り出すなど、良い睡眠が得られるように対策するといいですね。
激しい運動をする
健康診断の前日に激しい運動を行うこともおすすめしません。激しい運動は肝機能や検尿結果に影響を与える可能性があります。また、運動後に筋肉痛が残ってしまった場合、それによる不快感で血圧が上がるなど、他の検査結果にも影響を与える可能性もあります。
水分摂取量が少なすぎる
健康診断の前日の水分摂取量が少ないと、尿検査で異常値が見られることがあります。特に、脱水状態は尿中の蛋白濃度を高め、健康状態に問題があると誤解される原因になることも。
健康診断前は、適切な水分を摂ることで、このような誤診を防ぎます。ただし、血糖値やコレステロール値に影響を与える可能性があるため、糖分や脂質などを含まない飲み物を摂りましょう。水や麦茶などがおすすめですよ。
おわりに
健康診断や定期健診の前には、今回ご紹介したような行動を避けるようにしましょう。正確なデータを得るためには、体調を整え、最良の状態で健康診断に臨むことが重要です。健康は日々の積み重ねですから、健康診断を機に日常生活の見直しをする良い機会とも考えられます。ぜひ参考にして、健康管理に役立ててくださいね。
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筆者情報
ママ女医ちえこ(産婦人科医)
産婦人科専門医であり、プライベートでは4人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は15万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。
YouTube:https://www.youtube.com/c/mama女医ちえこ