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春こそ腸活!【管理栄養士監修】体調を整える「春の食事法」

春の気配を感じるこの時期、花粉症に悩まされている人も多いのではないでしょうか。花粉症の症状を和らげるためには、生活習慣に気を付けることも重要といわれています。そこで今回は、意識したい食事の摂り方のポイントについて管理栄養士の筆者がお伝えします。

そもそも花粉症の原因は何か

花粉症がつらい人必見!【管理栄養士直伝】体調を整える「春の食事法」

くしゃみや鼻水、目のかゆみといった症状で知られる花粉症は、花粉に対して私たちの体が起こすアレルギー反応。花粉を外に追い出すためにくしゃみなどが起こるため、症状を悪化させないためには、なるべく花粉を体内に入れないことが重要です。

また、花粉症以外のアレルギー疾患を持っている方や、家族にアレルギー疾患を持っている人がいる方は、そうでない人と比べて花粉症になりやすいといわれています(※1)。

花粉症を改善する方法は?

花粉症は予防や悪化を防ぐ対策をとることが大切といわれています。また、現時点で「花粉症の症状を改善する」という根拠のある食べ物もありません。しかし、日頃から睡眠をしっかりとって、規則正しい生活習慣を心がけることは免疫機能を保つためにも重要です。

腸内環境を整えることはアレルギー症状を緩和する可能性が期待されているため、花粉症が気になる人は「腸を整えること」を意識して食生活を見直すと良いでしょう(※1)。

花粉症がつらい人におすすめ! 腸内環境を整えるための食事とは

花粉症が辛い人におすすめな腸内環境を整えるための食事とは

善玉菌を食事で補う

「乳酸菌」や「ビフィズス菌」という名前を聞いたことがある人も多いでしょう。これらは腸に存在する腸内細菌のなかでも、健康を維持するために良い作用をもたらしてくれる「善玉菌」に分類されます。生きた善玉菌が含まれる食材を摂ることで、腸内の善玉菌を増やすことが期待できるとされています。

善玉菌を含む食品で代表的なものが、ヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆やみそなどの発酵食品です。善玉菌は毎日摂取することが望ましいとされているため、意識的に摂ると良いでしょう(※2)。

善玉菌のエサとなる食材を摂る

善玉菌のエサとなる食べ物を摂る

善玉菌を増やすためには、エサとなる成分を食べ物から摂取することも大切です。善玉菌を増やす働きがある食品成分には、食物繊維やオリゴ糖などがあります(※2)。

食物繊維を多く含む食べ物として挙げられるのが大豆製品・野菜・果物・きのこ・海藻などです。また、主食を玄米や麦ごはん、全粒小麦パンなどに置き換えると効率よく食物繊維を摂取できます(※3)。

一方、オリゴ糖は大豆・玉ねぎ・ごぼう・ねぎ・にんにく・アスパラガス・バナナなどに多く含まれています。食物繊維とオリゴ糖、善玉菌を含む食品を一緒に摂ると、より善玉菌を増やすことが期待できるでしょう。

悪玉菌を増やす食べ物は控える

腸内環境を整えるためには、腸内にとってよくない働きをする「悪玉菌」を増やさないことも大切です。

悪玉菌は、たんぱく質や脂質の多い食事が続くと増えやすいことがわかっています。また、不規則な生活やストレス、便秘なども悪玉菌を増やす要因です。日頃から生活リズムを整えて、バランスの良い食事を意識しましょう(※2)。

食事や生活習慣の見直しを

春こそ腸活!【管理栄養士が教える】体調を整える「春の食事法」

花粉症を予防・改善するためには規則正しい生活を意識することや、腸内環境を整えるための食生活を心がけることが大切です。腸内環境を整えてくれるとされている善玉菌を増やすために、発酵食品や食物繊維・オリゴ糖を含む食品を日常的に取り入れてみてくださいね。

【参考】
※1 厚生労働省.花粉症Q&A集
※2 厚生労働省.e-ヘルスネット 腸内細菌と健康
※3 厚生労働省.e-ヘルスネット 食物繊維の必要性と健康

©︎Westend61/istetiana/Yagi Studio/gettyimages
©︎takeuchi masato/PIXTA(ピクスタ)

寺内麻美
管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。