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電気代が高くなる原因かも… 掃除のプロがやらない「エアコンのNG活用法」

この夏、電気代が一気に上がることを懸念している方も多いのではないでしょうか。夏の電気使用量が大きいものと言えば、エアコンです。間違った設定方法や掃除の仕方を改善すれば、エアコンの電気代はある程度削減できるはずですよ。コツコツと節電対策を積み重ねるために、エアコンのNG活用方法を確認しておきましょう。

今から始めるエアコンの節電対策

電気料金の値上げが話題になっている昨今。たとえば、2023年5月に東京電力が発表した値上げ率は平均15.9%(※1)、北陸電力では平均39.7%(※2)にもなるそうです。

光熱費アップが見込まれるなか、全消費電力のなかでもエアコンは大きな割合を占めるでしょう。経済産業省のデータによると、夏の19時ごろ、多くの地域においてエアコンが電気使用量の約38%を占め、消費電力がもっとも多くなるのです(※3)。

猛暑で暑い日が続くとエアコンの使用時間も長くなり、電気代を削減するのは難しそうと感じるかもしれません。今のうちに、間違ったエアコンの使い方をしていないか見直して、コツコツと続けられる節電対策を押さえておきましょう。

エアコンの「NG使い方」3つ

(1)エアコンをつけても暑いと感じたときに、設定温度を下げる

設定温度

エアコンをつけてもまだ暑いとき、むやみに設定温度を下げるのはおすすめできません。設定温度を下げると、消費電力がぐんとアップしてしまいます。

夏の冷房時の室温目安である28℃に設定し、“まだ暑い!”というときは、設定温度を下げるよりも「風量」を変更しましょう。風量がアップすることで体感温度が下がり、涼しく感じやすくなるはずです。

なお、温度設定を1℃高くすると約13%(約70W)の節電になるといわれています(※4)。まずは風量を変えてみて、その後は自動運転にしておくことが、効率的かつ必要以上の電力を使用しないためのポイントです。

(2)エアコンの風を下向きに固定したまま

電気代が高くなる原因かも... 掃除のプロがやらない「エアコンのNG活用法」

エアコンを使用していると、足元は冷えているのに、体の上部はまだ暑いと感じることはありませんか? 冷たい空気は、下の方に溜まりやすくなります。エアコンの風向きを下に向けたままだと、部屋の温度にムラができやすく、冷房効率が悪くなってしまうのです。

部屋全体に涼しい空気がいきわたるように、エアコンの風向きはスイングか水平に設定しておきましょう。扇風機やサーキュレーターを併用して冷たい空気を循環させると、設定温度を低くしなくても部屋全体がまんべんなく涼しく感じられます。

(3)エアコンの掃除をサボりがち

フィルター掃除

エアコンの高いところまでは手が届きにくく、ついついフィルター掃除を後回しにしてしまいがち、という方も多いかもしれません。

フィルターにホコリが溜まると、性能が下がって余計な電力を使用してしまいます。さらにエアコン内にカビが繁殖すると、アレルギー症状の原因となったり、嫌なニオイが発生したりすることも。節電面でも健康面でも、フィルター掃除は定期的に行うことが大切です。

環境省が推奨するエアコン掃除の目安は、2週間に1回程度。フィルター掃除をすると効率がアップして、冷房時で約4%の電力削減に繋がるとされています(※4)。掃除を忘れず定期的に行えるようにスケジュールを立てておくと良いですよ。

節電キャンペーンを利用して、省エネ対策のモチベーションアップ

光熱費削減のためには、エアコンだけでなく電気の使い方全体の見直しが必須といえます。しかし、実際に節電対策をするのは難しそうと感じている方も多いのではないでしょうか。

・毎日我慢ばかりでは辛くなりそう
・どれだけ使用量を下げればいいかわからない
・使用時間にメリハリをつけたい

それなら、各電力会社の節電キャンペーンを利用してみるのもおすすめです。

たとえば、筆者が利用している東京ガスでは、節電チャンス時間に目標値を達成するとポイントがもらえます。「東京都の節電プログラム」にも自動で参加でき、5日以上の節電達成で1,000円相当のデジタルギフト券が進呈されます(※5)。各電力会社によって条件や特典は異なるため、公式ホームページで確認してみてくださいね。

電力会社の契約者向けページでは、日別の電気使用実績が確認できます。時間ごとにグラフで表示され、標準的な使用量と実際の使用量の比較ができることも。具体的な数値を見ることで、使いすぎている時間帯がわかり、節電のヒントになりますよ。電力会社、料金プランの見直しのきっかけにもなるので、契約者向けページをぜひチェックしてみてください。

エアコンの設定や掃除を意識して、無理なく節電対策しよう

エアコン

節電は一気にできるものではなく、一つひとつのポイントを押さえて実践することが光熱費削減に繋がります。猛暑の中でも効率よく快適に過ごせるよう、エアコンの設定方法や電気使用量の見直しなどを、コツコツと積み重ねていきましょう。

【参考】
※1 東京電力エナジーパートナー.規制料金値上げの認可等について
※2 北陸電力.規制料金の認可等について
※3 経済産業省.どうやったら節電できる?明日からすぐに役立つ節電・省エネのヒント
※4 環境省.家庭でできる節電アクション | 3.エアコンで節電!
※5 東京ガス.夏の節電キャンペーン2023

筆者情報

のぞみ
シンプル志向の整理収納アドバイザー・ライター。クリンネスト1級。「暮らしもこころも かろやかに」をテーマに、ものとじぶんとゆっくり向き合える、続けやすい暮らしのちいさな仕組みを提案しています。Instagram▶@non.karoyakani