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一気に傷みやすくなります! 管理栄養士が教える「梅雨時期のNGお弁当」

今年も梅雨の季節がやってきましたね。気温や湿度が高くなり、じめじめしやすい梅雨の時期は、食材が傷みやすい条件がそろう環境でもあります。特に長時間持ち歩くお弁当は、食中毒に注意が必要です。そこで今回は、管理栄養士の筆者が、梅雨時期に気をつけたいお弁当のポイントをお伝えします。

梅雨の時期にお弁当が傷みやすい理由

一気に傷みやすくなります! 管理栄養士が教える「梅雨時期のNGお弁当」

お弁当の食品が傷むのは、食中毒の要因となる細菌が増えることが原因です。食中毒菌は20~40℃で活発に増えるとされ、湿度が高いと増殖しやすいという特徴があります(※1)。

そのため、湿度と温度が高い梅雨は、まさにお弁当が傷みやすい時期といえるでしょう。

梅雨のお弁当作りで注意したいこと

梅雨のお弁当づくりはここに注意

お弁当箱や調理器具は消毒を徹底する

食中毒を防ぐためには、食中毒菌を食品に付着させないことが大切です。お弁当を作る際は手をよく洗い、調理器具やお弁当箱は、熱湯やアルコールを使って消毒しましょう。

おかずはしっかり加熱する

食中毒菌の多くは熱に弱いため、しっかりと加熱してからお弁当箱に詰めましょう。作り置きのおかずも、再加熱した方が安心です。

水分や温度に注意

梅雨の時期は湿度や温度が高く、食中毒菌が増える環境になりやすいため、注意が必要です。お弁当には水分の多い食品を避け、加熱した食品は冷ましてから詰めることを心掛けましょう(※2)。

梅雨の時期に傷みやすいおかず

お弁当による食中毒を予防するためには、傷みやすい食品を避けることも大切です。そこで、お弁当には避けたいNG食品を紹介します。

炊き込みご飯

炊き込みご飯

炊き込みご飯や混ぜご飯には、鶏肉や野菜、たまごなどさまざま食材が入っています。食中毒菌が増えやすく、白米よりも傷みやすいため、お弁当に詰めるのは避けたほうがいいでしょう。ごはんに味をつけたい場合は、直前に味をつけられるように、ふりかけを持っていくのがおすすめです。

また、梅干しをごはんに混ぜることで、殺菌効果が期待できます。日の丸弁当のようにご飯の上に丸ごと置くよりも、梅干しを細かく刻んでごはんに混ぜ込むとよいでしょう。

ゆでたまご

たまごは、食中毒の要因となるサルモネラ菌が付着している可能性があります。サルモネラ菌は熱に弱いため、しっかりと加熱することが大切です。ゆでたまごの場合、半熟状態では食中毒のリスクが高まります。しっかりと中まで火が通っているか確認しましょう(※3)。

煮物

煮物

煮物は汁気が多いため、水分を好む食中毒菌が増える要因となりやすい食品です。特にじゃがいもや里芋など、でんぷんが多い食品は傷みやすく、夏場のお弁当には適しません。

お弁当に煮物を入れる場合は、詰める前にできるだけ汁気を切り、鰹節やとろろ昆布などを一緒に入れて汁気を吸わせるとよいでしょう。

生野菜

生野菜はもともと水分を多く含む上、お弁当を持ち歩くうちに水分が出てきてしまい、食中毒菌が増える環境になりやすいです。野菜をお弁当に入れたい場合は、茹でて水気を切ったものがおすすめです。マヨネーズやドレッシングで和えると水分が出て傷みやすくなるので、食べる直前にかけましょう。

また、お弁当によく使われるミニトマトは、ヘタの部分に菌が付きやすいため注意が必要です。ヘタを取ってよく洗い、水気を切ってからお弁当に入れてください。

なお、生野菜を持っていきたい場合には、別容器に入れて保冷剤で冷やしておくとよいでしょう。

ハムなどの加工食品

ハムなどの加工食品

ハムやソーセージ・ちくわなどの加工食品は、味が付いているので使い勝手がよく、お弁当に使う人も多いのではないでしょうか。しかし、これらは冷蔵保存が基本のため、そのまま常温で持ち歩くと傷みやすくなります。お弁当に入れる際は、必ず加熱しましょう。

梅雨の時期は、お弁当による食中毒に気をつけて

冬場と比べて食品が傷みやすい梅雨の時期は、お弁当による食中毒に注意が必要です。少しの工夫と、傷みやすい食品を避けることで、食中毒のリスクは減らせます。

しかし、いくら気をつけていても、食材が傷んでしまうことはあります。食中毒を予防するためには、変なにおいがするなどの異変を感じたときに、食べないことが大切です。今回お伝えした食中毒予防のポイントを意識して、梅雨の時期を乗りきりましょう。

寺内麻美
管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。