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冬にやりがち…シワが増える人のNG習慣【医師監修】肌が乾燥しない食事も紹介!

悩ましい肌の乾燥。洗顔後のつっぱりや日頃のカサカサに悩んでいるなら、普段の行動を見直してみて! 美容皮膚科医が乾燥肌を助長させるNG行動と正しい対策を教えます。

冬は特に気を付けたい乾燥肌を助長させるNG行動3つ

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やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原院 院長で美容皮膚科医の宇井千穂さんに、特に冬場におこなってしまうと顔はもちろん、全身の肌の乾燥を助長させてしまう3つのNG行動を挙げていただきました。

それぞれ、NGな理由と正しい対策もあわせて確認しておきましょう。

NG1. 保湿を怠る・強くパッティングする

宇井さん 肌が乾燥すると角質の表面が乾いてはがれやすくなり、角質に隙間ができてしまいます。この隙間から表皮の水分が蒸発することを「蒸散」といい、水分が失われていくことでハリがなくなりシワやたるみにつながります。

肌は水分を保持する機能をもっていますが、蒸散はどうしても起こってしまうものです。

角層の保水機能を補うために保湿しましょう。化粧水だけでは蒸発してしまい、十分でないと感じるなら乳液や美容クリームなどの重ね塗りを。

1日で一番水分が蒸散するときはお風呂上がりの10分。その短い間にきちんと保湿しましょう。

また肌の大事なバリア機能を破壊しないよう、過剰刺激をなくすことも大切。タオルでゴシゴシこする、コットンで強くパッティングする、顔を指で触りすぎる、メイクを落とすことに集中して肌に刺激を与えてしまうなどが習慣化している人は注意しましょう。

NG2. 温かい部屋と冷えた場所を頻繁に行き来する

宇井さん 暖房の効いた温かい部屋から冷えた屋外や部屋に移るときには、皮膚の表面から蒸散しやすいことから、肌への影響が出てきます。肌の新陳代謝のバランスが保たれにくくなり、バリア機能が低下したり、皮脂の分泌量が正常ではなくなってしまうこともあります。

また冬は寒さでカラダの血流が悪くなることによっても肌の代謝を低下させてしまい、乾燥の原因となります。

できるだけ温かい部屋と冷えた場所を頻繁に行き来することは避けましょう。

NG3. 生活習慣の乱れ・ストレスをためる

宇井さん 乾燥しにくい健康で強い肌を作るためには、規則正しい生活を送る、充分な睡眠をとる、過労を防ぐなど、日々の生活に気を付けることも必要です。

またストレスをためることによりカラダの自律神経やホルモンバランスを乱さないようにしましょう。ストレスによって肌に対する意識が過敏になりすぎて、肌を必要以上に触ってしまったり、肌の扱いが雑になるなどの行動の変化によって、乾燥肌が悪化してしまうことも考えられます。

食事からも乾燥肌対策を

ーー宇井さんによれば、乾燥肌を改善するためには、正しいスキンケアに加え、規則正しい生活や適度な運動、栄養バランスの取れた食生活といったインナーケアも必要とのこと。そこで、食事でできる対策を教えていただきました。

宇井さん 食事から摂る栄養素は肌の状態に大きな影響を及ぼすため、なるべく偏りなく栄養を摂りましょう。

肌の細胞が生まれ変わるサイクルである肌のターンオーバーが正常におこなわれるために必要な栄養素として、タンパク質、ビタミンB2、ビタミン6は意識して摂取することをおすすめします。

ビタミンB2

レバーやうなぎ、肉、魚、アーモンドなどに多く含まれる。

宇井さん ビタミンB2は皮膚や髪、爪の細胞の再生や保護に関係している成分です。加えて脂質代謝を助けるので、過剰な皮脂分泌を抑制することで毛穴の開きやニキビ、肌荒れの予防にも効果的です。

ビタミンB6

牛、豚、鶏肉、レバーやマグロをはじめとした魚の赤身や、ひまわりの種やピーナッツなどの種実類に多く含まれる。

宇井さん ビタミンB6の代表的な働きはタンパク質、脂質、炭水化物の代謝です。それに加えて皮脂の分泌をコントロールする役割も担っているので、肌の健康には欠かせない栄養素です。

ビタミン類は食事からの摂取がむずかしければ、サプリメントで補ってもよいでしょう。

タンパク質

肉類、魚介類、野菜、豆類などに多く含まれる。

宇井さん タンパク質は皮膚や筋肉などを作る栄養素で、肌細胞の原料でもあります。タンパク質の一種であるコラーゲンは肌の真皮層において繊維のように絡んで肌の弾力やハリを生み出すスポンジのような役割をしています。

タンパク質をしっかり摂取することはコラーゲンの生成を助けることになり、肌の弾力やハリを保つことにつながります。さらにタンパク質はターンオーバーを促進する役割も担っているので、肌の生成には欠かせない栄養素です。

タンパク質を構成する20種のアミノ酸のうち9種は体内でつくることができないため、毎日の食事から積極的に摂取しましょう。

肉類や魚介類などに豊富な動物性タンパク質と、野菜や豆類などに含まれる植物性タンパク質の2種類がありますが、どちらもバランスよく摂ることが大切です。

ーーまさに今、乾燥肌に悩んでいる人は、NG行動をとってしまっていないかチェックを。正しい対策や肌に良い栄養素を摂取して、この冬を乗り切りましょう!

Information

<教えてくれた人>

宇井 千穂(うい・ちほ)さん

宇井千穂さん

やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原院 院長。1990年準ミス日本受賞。全日空客室乗務員を経て、北里大学医学部を卒業し、現在、皮膚科医、美容皮膚科医として同院長を勤める。

<筆者情報>

椎原茜
ライター。記事を通して、読者の方々に役立つ情報を知ってもらい、ハッピーかつ快適な生活を送っていただきたいという思いで執筆中。

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