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実は避けたほうがいいんです… 管理栄養士が教える「豆乳のNG飲み方」

豆乳は美容や健康にいい飲み物というイメージがあり、毎日のように飲んでいるという人もいるでしょう。しかし、豆乳はたくさん飲めばいいわけではありません。飲み方によっては健康に悪影響を与える可能性も……。今回は、管理栄養士の筆者が「豆乳のNGな飲み方」をご紹介します。豆乳の適量を知り、うまく取り入れて日々の健康に役立てましょう。

豆乳に含まれる栄養素

豆乳には、美容や健康をサポートする成分がたくさん含まれているため、特に女性にはおすすめの飲み物です。

豆乳に含まれる大豆イソフラボンは抗酸化作用が期待でき、老化予防に役立つといわれています(※1)。また、ビタミンB群やビタミンEなど美容に役立つビタミン類や、腸内環境を整えてくれるオリゴ糖も含まれています(※2)。さらに豆乳には、私たちの体づくりに欠かせない肌や筋肉の材料となるたんぱく質が含まれている点も魅力の一つです。

豆乳のNGな飲み方

温めすぎには注意

温めすぎには注意

温かい豆乳が飲みたいとき、鍋や電子レンジで加熱したら膜が張った、という経験はありませんか? 豆乳を過度に加熱すると固まりやすくなり、膜が張ったり、凝固した成分で口当たりが悪くなったりすることがあります。

豆乳を温めたいときは、ゆっくりと温めて沸騰させないようにしましょう。料理に使う際も、後から加えて沸騰させないようにすると仕上がりが良くなりますよ。

糖分の摂りすぎに注意

豆乳は、豆乳、調整豆乳、豆乳飲料などに分けられます。その違いは、できあがった豆乳から水分を除いた残りの成分(大豆固形分)の含有量や、飲みやすくするための調味料の有無です(※3)。

大豆固形分は豆乳、調整豆乳、豆乳飲料の順に多く含まれ、大豆固形分が多いほど豆乳本来の味を強く感じられます。水に浸したり蒸したりした大豆を絞り、何も味付けをしないものが豆乳です。調整豆乳は砂糖や塩などを加えて飲みやすくしたもので、豆乳飲料はコーヒーやフルーツなどのフレーバーが加えられたものを指します。

調整豆乳や豆乳飲料は、飲みやすいように味付けしてあるため、豆乳独特の味が苦手という人は飲みやすいかもしれません。ただし、豆乳と比べると糖分が高めとなり、特にダイエット中の方は飲みすぎに注意が必要です。最近では調整豆乳や豆乳飲料でも糖分を抑えた商品もありますので、栄養成分表示などもチェックするようにしてうまく選べるといいですね。

豆乳を大量に飲むのはNG

豆乳を大量に飲むのはNG

豆乳は美容や健康にいいというイメージから、毎日摂るという人もいるかもしれませんが、摂りすぎは注意が必要です。豆乳は清涼飲料水などに比べると低エネルギーではありますが、飲みすぎれば体重増加につながる可能性があります。

また、豆乳に含まれている大豆イソフラボンは、長期間過剰に摂取することで、乳がんリスクを高める可能性があるといわれています(※3)。豆乳を毎日飲みたい場合は、1日あたりコップ1杯(200ml程度)を1~3杯程度にしておくといいでしょう。

豆乳は適度に飲んで健康を保ちましょう

豆乳にはたんぱく質やビタミンE、大豆イソフラボンなどが含まれていて美容と健康にうれしい飲み物です。しかし、豆乳は種類によって栄養成分が異なり、飲みすぎは健康によくない可能性があります。今回お伝えした適切な摂取量と正しい飲み方を心がけ、豆乳を効果的に摂取しましょう。

【参考】
※1 厚生労働省.e-ヘルスネット 抗酸化物質
※2 厚生労働省.e-ヘルスネット 腸内細菌と健康
※3 農林水産省.大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A
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筆者情報

寺内麻美
管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。