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意外と忘れてるかも…【医師監修】防災グッズに「備えておくべき医薬品」

日本は地震や津波、台風といった自然災害が多く発生する国です。いつ起こるかわからない非常時に備えて、何を自宅に備蓄しておくべきかは非常に重要な問題です。特に薬は、緊急時にはすぐに医療機関や薬局にアクセスできないこともあり、手に入りにくい可能性があります。今回は、大規模災害や非常時に備えて用意しておくと安心な医薬品について、女医の筆者が詳しく解説します。

非常時に備えるべき薬

1.病院から処方されている薬

病院から処方されている薬

準備しておくものとして優先度が最も高いのは、持病などで普段から飲んでいる医薬品です。他の薬とは違ってなかなか手に入れられないこともあるため、緊急時にスムーズに持ち出せるように、1週間分程度、防災グッズに入れておくと安心ですね。

2.解熱鎮痛薬

解熱鎮痛薬も、常備薬としてストックしておきたいものです。災害時月経がかぶったときの生理痛対策としても使えますし、災害時のストレスで頭痛や腰痛が起こったときにも活躍しますね。一般的にはロキソニンなどの非ステロイド性抗炎症薬、タイレノールなどのアセトアミノフェンなどがおすすめです。普段使用しているものだと安心ですね。

3.整腸剤

避難所生活になった際など、いつもとは違う食事を摂取しないといけなくなると、お腹の調子を崩すことがあります。また寒い季節だと、冷えによって下痢がちになってしまうこともあるでしょう。そういったときに活躍するのが、腸の調子を整えてくれる整腸剤です。乳酸菌が配合されている、ビオフェルミンなどがおすすめですね。ストレスで胃痛が起こりやすい人は、あわせて胃薬を、下痢しやすいひとは下痢止め薬も入れておくと安心でしょう。

4.便秘薬

便秘薬

災害時には、水分摂取が少なくなったり、運動量が減少したり、食事摂取が不規則になることによって、便秘がちになることもあります。代表的な便秘薬には、酸化マグネシウムやコーラックなどがあります。

5.ビタミン剤

避難生活が長くなる場合には、栄養バランスが崩れやすくなります。そのため、ビタミン剤があると安心ですね。ビタミン剤には、体調を整えたり、風邪をひきにくくなるなどの効果が期待できるでしょう。マルチビタミン&ミネラルなど、まんべんなく栄養を摂取できるものがお手軽ですね。

6.風邪薬

災害時には寒冷や不衛生な環境、慣れない避難所生活によるストレスで、風邪を引きやすくなることも。総合感冒薬などを用意しておくと安心ですね。

さいごに

防災グッズを用意しよう

災害時に備えて、水や非常食、ライトやラジオといった基本的な災害対策グッズに加えて、今回ご紹介したような薬も入れておくと安心です。みなさんも、防災グッズの中身を見直してみてはいかがでしょうか。
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著者情報

ママ女医ちえこ

ママ女医ちえこ(産婦人科医)
産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。
YouTube:https://www.youtube.com/c/mama女医ちえこ