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“考える”だけでもOK!? 収納のプロが「地震対策」のために備えていること4つ

東日本大震災が起こった3月11日は、改めて防災の意識が高まる日です。地震や津波は、いつ我が身に起こるか予想がつきません。不測の事態が生じたときに、自分たちの身を守るためには家での避難経路の確保や、家具の置き方、備蓄用品の整理収納がとても大事になってきます。だからこそ、このタイミングで、自宅の“防災対策”を見直してみませんか? 整理収納アドバイザーの筆者が考える“地震対策でチェックすべきポイント”を紹介しますので、参考にしてください。

1.避難所へ行くか、在宅避難にするか

今、災害が起こったとしたら、あなたはどんな行動を取るでしょうか。とりあえず「早く避難所へ行かなくちゃ!」と考えていませんか?

マンションのように耐震設計されている建物に住んでいて、以下のように居住や家族に大きな問題がない場合は、避難所へ行くより在宅避難が望ましい場合もあります。

・家族にケガはない
・自宅や周辺が安全である
・水や食料など備蓄食材がある

避難所は、自宅に居住できなくなった方を一時的に受け入れて保護するための場所でもあります。災害が起こり、避難者が殺到する可能性のある避難所では、衛生面の確保やプライベートへの配慮、ペットとの共存など、環境の変化が予想されます。

精神面・体調面も考慮すると、住み慣れている在宅避難が安心なこともあります。そのために、家具に転倒防止の処理をしたり、安全を確保できる位置へ移動しておくなど、日ごろから備えておくことがとても大切です。

2.在宅避難の備えを考えよう

家庭内DIG

自宅での安全を確保するためには、“家庭内DIG”を考えてみましょう!

DIGとは、Disaster(災害)、Imagination(想像力)、Game(ゲーム)の頭文字を取って名付けられた略語で、参加者が地図を使って災害対策を検討する訓練のことです。

「一番安全なところはどこ?」「危ないと思うところはある?」「どうしたら解決できそう?」など、在宅避難で安全な環境を確保する方法について、家族内で話してみましょう。防災は家族みんなで考えてみることが大切です。

危険な場所や安全なスペースなどについて家族で意見を出し合うからこそ、今まで気が付かなかった点が見えてくるかもしれません。柔軟な発想力から解決策が見つかったり、災害に備えた部屋の片付けなど、すぐに行動に移せたりすると思います。

3.避難経路を確保しよう

玄関

家庭内DIGで出た意見を参考にして、

・安全な避難スペースはあるか
・家具などが転倒しないように対策はできているか
・避難経路は確保できているか

この3つのポイントを中心に、家の中を見直してみましょう。

玄関・廊下

廊下には捨てようと思っていた段ボール、玄関にはビニール傘や靴など多くのものであふれていませんか? 

避難経路である玄関と廊下には、いざというときにスムーズに移動できるよう必要最低限のものだけを置き、普段からこまめに整理することが大切です。

リビング

テーブルやソファなどの大型家具も、地震の揺れで思いのほか大きく移動することがあります。特に、液晶テレビは薄くて軽量なので、耐震ベルトやマットでテレビ台にしっかり固定しておきましょう。

加えて、玄関やベランダへの避難経路が確保できるよう、リビングの出入口や窓ガラス付近には家具を置かないなど、配置をよく検討してみてください。

寝室

地震のときは、家具の転倒や落下、移動などで負傷してしまうことも。就寝中に家具が倒れてきたら、逃げる間もなく下敷きになってしまう可能性があります。

また、家具が扉の前を塞いでしまうと、真っ暗な寝室から簡単に脱出できなくなります。家具の倒れてきそうな方向を想定して、転倒防止グッズで固定したり、扉を塞がないような配置にするなど、今一度見直してみましょう。

4.非常用ライトを準備しておこう

非常用ライト

夜間に突然地震が起こることもありますよね。たとえ日中に起こっても日が暮れれば不安は大きくなり、とても心細い夜になるはず。よって、非常用の懐中電灯やライトの準備は万全にしておきましょう。

筆者宅では、2種類の非常用ライトを常備しています。ライトを準備する際は次の3つを意識してみてください。

1.各部屋にミニライトを置く

入浴中に地震が起こり停電になったとしたらとても焦ってしまいますよね。

そんなときのために、筆者はお風呂から出てすぐ手が届く場所にミニライトを設置しています。その他、玄関、2つの子ども部屋、寝室、リビングの合計6か所の手に取りやすい位置に置いています。

2.夜間の避難に便利なヘッドライトを準備する

真っ暗な部屋の中で誰がどこにいるか、床に何が落ちているかも分からないとき、とても役に立つのがヘッドライトです。ヘッドライトを装着すれば、両手が自由になるため、足元に注意しつつ、すぐに室内の安全確認ができます。

外に避難する際も、避難リュックを背負い、空いた両手で家族の手をつなげば安心ですよね。なので、ヘッドライトは用意しておくのがおすすめです!

3.電池で駆動する非常用ライトを選ぶ

非常時に必要な電子機器は、充電式だと停電時に充電ができなくなる可能性もあります。自宅にある非常用ライトやラジオが何の電池で動くのか早めに確認し、充電式であれば買い替えを検討するのもいいかもしれません。

懐中電灯や携帯ラジオなどは、単4電池か単3電池のどちらかで動作可能な機種に絞っておくと、電池の備えがとてもラクです。筆者宅のミニライトとヘッドライトは、すべて単3電池1本で使えるものを用意しています。

災害時に少しでも安心できるよう万全の準備を

新生活がはじまるこの時期に、暮らしの変化にあわせて、災害への備えも一緒に考えてみましょう。家庭内DIGを通して家族みんなで室内の安全に配慮できると、安心して健やかに過ごせるようになります。

4つのポイントを参考に、地震対策を見直してみてくださいね。

のぞみ
シンプル志向の整理収納アドバイザー・ライター。「暮らしもこころも かろやかに」をテーマに、ものとじぶんとゆっくり向き合える、続けやすい暮らしのちいさな仕組みを提案しています。Instagram▶@non.karoyakani