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“秋刀魚”はグリルで焼かないほうがいい!?【管理栄養士監修】旬の食材で「栄養を無駄なく摂る方法」5つ

「食欲の秋」という言葉もありますが、秋は野菜や果物、魚などおいしい食材が豊富な季節。せっかく旬の食材を食べるのであれば、栄養を効率よく摂れたら嬉しいですよね。そこで今回は、秋に旬を迎える食材とそれぞれの栄養について、管理栄養士の筆者が解説します。また栄養を無駄なく摂取するためのポイントもご紹介するので、参考にしてみてください。

秋の味覚5選

旬の時期に獲れる食材は味がおいしいだけでなく、栄養価も高くなるといわれています。これからの季節はぜひ秋の味覚を積極的に摂りたいものですね。まずは秋が旬である食材について解説しましょう。

さつまいも

“秋刀魚”には疲労回復のパワーも!?【管理栄養士監修】旬の食材で「栄養を無駄なく摂る方法」5つ

さつまいもは、料理だけでなくスイーツにも使える秋の味覚の一つです。主に含まれる成分は炭水化物であり、糖質が多いですが、100gあたりのカロリーは普通の白ご飯よりも低い傾向にあります(※1)。

また、整腸作用が期待できる食物繊維が豊富なうえ(※2)、さつまいもに含まれるビタミンCは加熱しても壊れにくいといわれています。

さつまいもは低温でじっくり加熱することで甘味が増して、おいしく食べられますよ。さつまいもの栄養を無駄なく摂るためには、皮ごと食べられる“ふかしいも”や焼き芋にしたり、皮ごとお米と一緒に炊いたりする調理方法がおすすめです。

調理の際は皮をよく洗い、傷のある部分や汚れが取れない部分は包丁で取り除くとよいでしょう。

秋刀魚(さんま)

“秋刀魚”には疲労回復のパワーも!?【管理栄養士監修】旬の食材で「栄養を無駄なく摂る方法」5つ

秋刀魚は漢字が表すとおり、秋の味覚の代表ともいえる魚です。

秋刀魚にはビタミンB群やミネラルが豊富に含まれている食材。ビタミンB群は糖質や脂質の代謝に関与するビタミンであり、不足すると疲労の原因となるといわれています。そのため、秋刀魚は疲労回復のためにもおすすめな食材です。

また、秋刀魚に含まれている栄養素で注目したいのは、脂肪酸であるDHAやEPA。これらは必須脂肪酸とよばれ、体内でつくることができず、必ず食品から摂る必要があるのです。これらの栄養素は、動脈硬化の予防やLDLコレステロールを減らすなどの効果が期待されています(※3)。

秋刀魚といえばグリルで焼いたシンプルな塩焼きが定番の調理方法ですよね。しかし、グリルで焼くとせっかくの良質な脂が落ちてしまいます。秋刀魚の栄養をまるごと摂りたい場合には、刺身や煮物、炊き込みごはんなどで楽しむのもおすすめです。

栗はさつまいもと同じく糖質が多めで、様々なスイーツや栗ご飯などに使われますよね。

お腹の調子を整えてくれる食物繊維や、コラーゲンの生成に必要なビタミンC、むくみを解消してくれるカリウムが豊富なので、ダイエット中のおやつとしてもおすすめです。

また栗の皮には抗酸化作用があるポリフェノールも多く含まれているため、皮ごと調理する「渋皮煮」にするとよいでしょう。

きのこ

“秋刀魚”には疲労回復のパワーも!?【管理栄養士監修】旬の食材で「栄養を無駄なく摂る方法」5つ

椎茸やえのき、舞茸など、きのこは様々なジャンルの料理で活躍する食材です。

ビタミンやミネラルのほか、腸内環境を整えてくれる食物繊維が多く含まれています(※2)。また、きのこに多く含まれるビタミンDは、骨の健康を保つために大切な栄養素です(※4)。低カロリーで食べごたえもあり、ダイエット中の人はカサ増し食材として使うのもおすすめ。

きのこを調理するときには、水で洗うと栄養素が流れてしまう可能性があるため、水で濡らしたキッチンペーパーなどで汚れをふき取りましょう。また、スープや煮物、あんかけなどにして煮汁ごと食べるようにすると、溶けだした栄養素も一緒に摂りやすいですよ。

ごぼう

きんぴらや煮物、サラダなど幅広く使える食材であるごぼうは、品種にもよりますが秋に旬を迎える野菜です(※5)。ごぼうには食物繊維が豊富に含まれているほか、老化防止に役立つポリフェノールも摂ることができます。

ごぼうの栄養素を無駄なく摂取するためには、泥付きのまま購入し、表面を優しく洗って下処理しましょう。皮の部分に栄養素やうまみが豊富に含まれているため、洗いすぎないことがポイントです。

あく抜きの為に水にさらすときは、栄養素の流失を防ぐためにも5分以内に抑えるようにしましょう。

旬の食材を味わいましょう

旬の食材は栄養価が高くておいしいだけでなく、価格も安く手に入りやすいため、スーパーで見つけたらぜひ手に取ってみてください。今回お伝えした「栄養素を無駄なく摂れるポイント」も参考に、ぜひ秋の味覚を楽しんでください。