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“痩せ菌”が増える最強の食事って?【腸活研究者に聞いた】短鎖脂肪酸がすごいワケ!

ごちそう続きの年末年始は、腸活で代謝を上げ、太りにくいカラダ作りを心がけたいもの。賢く食品を選ぶだけで、ダイエットに期待できる短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)が増える可能性も! 専門家に効果と簡単メニューを教わります。

ダイエット成功のカギは「短鎖脂肪酸」を腸内に増やすことにあり!

先日行われた、江崎グリコのイベントに登壇した腸内環境研究の第一人者である福田真嗣さんが、短鎖脂肪酸の健康パワーを解説。脂肪細胞に過剰なエネルギーが取り込まれるのをブロックし、脂肪の蓄積を抑制することから、腸活ダイエットに効果が期待できるそうです。

福田さん 短鎖脂肪酸は腸内で作られる代謝物質で、主に「酢酸・プロピオン酸・酪酸」の3つを指します。短鎖脂肪酸には肥満抑制・免疫力向上・便通改善・疲労軽減・肌荒れ抑制・ウイルス感染抑制など、さまざまな健康効果が報告されています。

短鎖脂肪酸を腸内に効率よく作り出すには?

ーー腸内で短鎖脂肪酸をたくさん作り出すことができれば、ダイエットにもいい影響が期待できそう。どうすれば良いのでしょうか?

福田さん 腸内細菌のエサとなる食物繊維を含む食品が必要です。ただし腸内環境は一人ひとり異なるため、自分の腸内細菌が好きな食品を摂ることが大事です。どれが好きかは、自ら探すしかありません。

ーー自分の腸内細菌が好きな食品はどうすれば見つかるのでしょうか?

福田さん 水溶性食物繊維の多い食品を2週間食べてみましょう。便の色・形・回数などの変化や体調などを見ながら、自分にあったものを探し当ててください。

短鎖脂肪酸を効率的に生み出すための食品の取り入れ方

ーー同じセミナーに登壇していた管理栄養士・料理家の柴田真希さんは、腸内で短鎖脂肪酸を生み出すためには、1日に次の2つを摂ることを勧めています。

「ビフィズス菌入りヨーグルト 100g」×「水溶性食物繊維 2g」

柴田さん ヨーグルトはパッケージに「ビフィズス菌入り」と書いてあるものを選び、1日100gを目安に食べる習慣をつけましょう。水溶性食物繊維は、自分に合ったもの、食べたいものを選ぶと良いと思います。

水溶性食物繊維が多い食品の例と2gが摂取できる目安量

・オートミール 63g(約2人分)
・そば(ゆで) 400g(2食分)
・玄米ごはん 1,000g(6.7杯)
・納豆 87g(約2パック)
・さつまいも 222g(中1本)
・じゃがいも 500g(中5個)
・にんにく 49g(約5かけ)
・ごぼう 87g(約1/2本)
・にんじん 333g(約2本)
・たまねぎ 500g(約2.5個)
・しいたけ 500g(約33個)
・キウイフルーツ 333g(約3.3個)
・アボカド 118g(約3/4個)

出典:文部科学省「日本標準食品成分表2020年版(八訂)」より。重量は水溶性食物繊維(プロスキー法)の値より算出。

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短鎖脂肪酸を増やす簡単メニュー3選

ーー柴田さんは、ビフィズス菌入りヨーグルトと水溶性食物繊維を含む食品使ったメニューを3つ紹介していました。どれも簡単に作ることができるので、ぜひトライを!

「根菜のホットサラダ ヨーグルトのバーニャカウダ風」

「根菜のホットサラダ ヨーグルトのバーニャカウダ風」

©柴田真希

1. オリーブオイルとにんにくを温めて、粗熱が取れたらみそ+ビフィズス菌入りヨーグルトで味付けする。

2. ごぼう、ブロッコリー、にんじん、さつま芋、かぶなどの根菜類をディップして食べる。

「根菜のキーマカレー ヨーグルトソース」

「根菜のキーマカレー ヨーグルトソース」

©柴田真希

1. 豚ひき肉、じゃが芋、ごぼう、にんじん、しいたけを耐熱容器に入れてラップをふんわりかけ、電子レンジで4分ほど加熱する。

2. カレールウと水を入れてさらに4~5分加熱してキーマカレーが完成。

3. 麦ごはんにかける。

4. ビフィズス菌入りヨーグルトをトッピングする。

「焼き芋のヨーグルトスムージー」

「焼き芋のヨーグルトスムージー」

©柴田真希

1. 焼き芋、アボカド、しょうがを豆乳とヨーグルトでわり、スムージーにする。

ーー腸内に短鎖脂肪酸が作り出されるように、紹介された食品やメニューを取り入れながら自分に合う食品を見つけましょう。

Information

<教えてくれた人>

福田 真嗣(ふくだ・しんじ)さん

福田 真嗣さん

慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授・株式会社メタジェン代表取締役社長CEO。2015年にビジネスプラン「便から生み出す健康社会」でバイオサイエンスグランプリにて最優秀賞を受賞し、株式会社メタジェンを設立。

柴田 真希(しばた・まき)さん

柴田 真希さん

管理栄養士・料理家。給食管理、栄養カウンセリング、食品の企画・開発・営業などの業務に携わり、独立。27年間悩み続けた便秘を3日で治した「雑穀」や「米食の素晴らしさ」を広めるべく、雑穀のブランド「美穀小町」を立ち上げる。

<筆者情報>

椎原茜
ライター。記事を通して、読者の方々に役立つ情報を知ってもらい、ハッピーかつ快適な生活を送っていただきたいという思いで執筆中。

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