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コーヒーやお酒はダメ?【管理栄養士監修】「熱中症予防として飲み過ぎNGドリンク」3選

暑い日が続くと、注意しなければならないのが“熱中症”。熱中症対策のために「水分を摂りましょう」とよくいわれていますが、どのような飲み物を選べばいいのかご存知ですか?実は、水分であれば何でもいいわけではありません。なかには飲みすぎないように注意が必要な飲み物も……。今回は熱中症を予防するためにおすすめの飲み物や、積極的に飲むのは避けたい飲み物について解説します。

熱中症とは

熱中症とは、暑さなどが原因となり体温が上昇することで起こるさまざまな不調のことです。

私たちの体には、もともと体温を低下させる機能が備わっています。血管を拡張させることで皮膚に多くの血液を送り外へ放熱したり、かいた汗が蒸発するときに体から熱を奪ったりする作用によって、体温を調節しているのです。

しかし体が暑さに対応できないと、めまいや立ち眩み、頭痛、吐き気などさまざまな症状を起こします。また大量に汗をかくことで、体内から水分や塩分(ナトリウムなど)が失われてしまうことも。脱水状態になれば、筋肉のこむら返りや失神を起こす可能性もあります。

熱中症がさらに悪化すると、けいれんや昏睡など重篤な症状が見られることも。命に関わる可能性もあるため、このような症状が見られた場合には早急に医療機関への搬送が必要となります。このように、最悪の場合は命の危険もある熱中症。早めに予防することが大切といえるでしょう(※1)。

熱中症予防におすすめの飲み物

熱中症を予防するためには、水分を補給することが大切です。しかし、飲み物であればなんでも良いわけではありません。

ここでは熱中症予防のためにおすすめの飲み物を紹介します。

水や麦茶(ノンカフェインの飲み物)

熱中症予防のためには、こまめな水分補給が大切。人間は軽い脱水状態では喉の渇きを感じにくく、喉が渇いたと感じる前に水分を補給する必要があるのです。

通常の生活で摂取する水分量は、1日当たり2.5L必要といわれています。このうち食事から約1Lの水分を、飲み物から約1.5Lほど摂取しているとされます(※2)。日常で水分補給として摂るのであれば、水や麦茶などノンカフェインの飲み物がおすすめ。また、入浴中や睡眠中も体の水分は失われているので、朝起きた時や就寝前、入浴の前後にも水分の補給は必ず行うようにしてください。

スポーツドリンク

暑い日や運動時などに大量の汗をかいたときは、スポーツ飲料など塩分濃度が0.1~0.2%程度の水分を摂ることが推奨されています。

ただし、スポーツドリンクには糖分も多く含まれていることがほとんどです。そのため、あまり汗をかいていないときには飲みすぎに注意し、糖分の過剰摂取には気をつけてくださいね(※1)。

熱中症予防にNGの飲み物

熱中症予防に水分補給は必要ですが、飲みすぎに注意したいものもあります。

アルコール

アルコールは体内の尿を増やして水分を外に出す働きがあるため、水分を補給するために飲むのは間違いです(※1)。

ふだんお酒を飲む習慣があるという人も、なるべくお酒と同量の水を飲むようにしましょう。

カフェイン入りの飲み物

カフェインにはアルコールと同様に利尿作用があります(※3)。そのため、カフェインが含まれているコーヒーや紅茶、栄養ドリンクなどは嗜好品として摂取し、水やノンカフェインの飲み物でしっかり水分を摂れるとよいでしょう。

糖分が多い飲み物

ジュースなどの糖分が多い飲み物は、飲みすぎると血糖値の急上昇をまねき、肥満の原因にもなります。また、血糖値が急上昇するとのどが渇くため、さらに甘い飲み物を飲んでしまうという悪循環に陥りやすいのです(※2)。

ジュースなどはたまに飲むようにして、日常生活での水分補給には無糖タイプの飲み物を選ぶようにしましょう。

水分補給は適切にし、食事や睡眠も気をつけよう

熱中症予防のためには、カフェインやアルコール、糖分が多い飲み物は控えめにし、こまめな水分補給をすることが大切です。大量に汗をかいたときには、スポーツドリンクなど塩分も補給できる飲み物をうまく活用してくださいね。

また日頃の食事から塩分やミネラルをしっかり補給するために、バランスの良い食事を摂ることや、睡眠時間の確保も、熱中症予防に効果的といえます。

熱中症に負けない体づくりを心がけて、暑い夏を乗り切りましょう。