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住居内の“熱中症”はとにかく危険! お部屋のプロ伝授「家の中が涼しくなるコツ」3選

猛烈な暑さが続く今年の夏。「熱中症に注意しましょう!」と呼びかけられることも多いですよね。外出や運動する際には熱中症に気をつけていても、室内での熱中症対策は、意外としていない方も多いかもしれません。今回は、室内の熱中症対策になる、お部屋をより涼しくするための3つのポイントをご紹介します。

熱中症の発生が一番多いのは「住居内」

消防庁によると、令和3年8月の熱中症による救急搬送人員は、17,579人。そのうち、発生場所別でもっとも多いのは「住居内」で、約4割を占めています(※1)。屋外やスポーツ中での発生が多いと思うかもしれませんが、実は自宅など住居内での熱中症の危険性はとても高いのです。

自宅にいるからと安心せず、熱中症の対策をすることがとても大切です。

1.ベランダの暑さ対策を行う

窓際の遮熱対策

日中の強い日差しが室内に入ってくると、カーテンや床が暖められて、室温がぐんと上がってしまう恐れがあります。ベランダからの強い照り返し(輻射熱)で、窓際はかなりの高温になってしまうことも。

室内に入り込む日差しや太陽熱を軽減するためには、遮光カーテン、遮熱カーテンライナーなど、窓際で熱を遮るアイテムを活用してみましょう。

筆者宅では、リビングの窓に透明な断熱UVカットフィルムを張って遮熱対策をしています。

また、昔ながらの壁に取りつける「すだれ」や「サンシェード」などで、ベランダに日陰を作って周辺の温度を下げる方法もおすすめです。窓際の遮熱対策をすることで、冷房の効きもアップして省エネも期待できるはず。

2.エアコンと扇風機を上手に活用する

エアコンと扇風機

部屋を効率的に涼しくするためには、エアコンと扇風機の併用がポイント! エアコンから出る冷気は部屋の下の方に移動します。扇風機やサーキュレーターを併用すると、冷気が素早く部屋全体に循環して、部屋のどこにいても均一な涼しさを感じられますよ。

扇風機とサーキュレーターは似ているようで、使用する目的が異なります。
・扇風機……冷気にあたって涼むもの
・サーキュレーター……空気を循環させるもの

サーキュレーターは強い風を遠くまで飛ばし、扇風機は優しい風を広範囲に届けます。目的や特徴は違いますが、どちらもエアコンと上手に併用すれば、室温のムラを少なくして、涼しく快適な温度管理がラクにできるようになります。

3.寝苦しい夜のひんやりアイテム

熱中症予防には、十分な睡眠をとって、暑さに負けない体を作ることもとても大切です。

しかし、日中の強烈な暑さが続くと、夜になっても寝室の温度が下がらず、なかなか寝つけなくて困ってしまうこともあるかもしれません。そんなときには、接触冷感のひんやり涼しい寝具に変えてみるのも1つの手です。

接触冷感の素材は、熱伝導率、熱拡散率が高く、吸水性・放湿性に優れていて、肌触りはサラサラしているのが特徴です。接触冷感は、アイテムそのものが冷たいのではなく、肌が素材に触れたときに、肌から素材に多くの熱が移動することで「冷たい」と感じるしくみになっているようです。その熱の移動量を数値で表したものが「Q-max」と言われ、この数値が大きいほど冷たさを感じると言われています。

敷きパッドや枕パッドなど、さまざまな接触冷感の商品がありますが、寝ている間中ずっと冷たいわけではありません。あくまでも、触ったときにひんやりと感じるアイテムなので、睡眠時の温度や湿度管理のためにはエアコンを活用しましょう。

休みの間も、熱中症には気をつけて!

室内での熱中症は、夏バテやお盆休み中の疲れが溜まりやすい今の時期も、要注意です!

休み明けの残暑が厳しい時期も、我慢せずにエアコンと扇風機を利用して、熱中症をしっかり予防しましょう。今回紹介したコツを参考に、外からの熱気を遮るアイテムや寝苦しい夜を快適にする寝具を取り入れるなど、室内を涼しく快適な温度と湿度に保てるよう、できることから試してみてくださいね。

【参考】
※1 令和3年8月の熱中症による救急搬送状況-消防庁

©demaerre/Ridofranz/gettyimages

のぞみ
シンプル志向の整理収納アドバイザー・ライター。「暮らしもこころも かろやかに」をテーマに、ものとじぶんとゆっくり向き合える、続けやすい暮らしのちいさな仕組みを提案しています。Instagram▶@non.karoyakani