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お風呂に入っても体が冷えてます! 女医が避ける「冬のNG入浴」

寒い季節になると、温かいお風呂でリラックスしたいと思いますよね。しかし、間違った入浴方法では、逆に体を冷やしてしまうこともあります。そこで今回は、冬に避けるべき入浴法と、冷えを防ぐための適切な入浴法について、女医が実践していることをご紹介します。

冷えによるトラブルとは?

冷えによるトラブルとは?

冷えは、全身の血行不良を引き起こし、それによって肌荒れや筋肉痛、関節の痛みなどを引き起こす可能性があります。特に女性は冷え性に悩む方が多く、その影響で体調を崩すことも少なくありません。例えば、生理不順や生理痛の悪化など、女性特有の不調につながることも。そのため、女性の場合は特に冷えない生活習慣を身につける必要がありますね。

冬のNG入浴法

シャワーのみで済ます

忙しいと、浴槽にお湯をはるのが面倒で、シャワーだけで済ましてしまう人もいるかもしれません。ですが、シャワーだけでは体の芯まで温まりにくく、冷えを招く原因となります。特に冷えやすい冬季は、しっかりバスタブに浸かることで、全身の血行を促進することができるため、冷え対策になりますよ。

長時間入浴する

長風呂が好きという人も多いかもしれませんが、長風呂のしすぎには注意が必要です。長風呂をする場合は半身浴でぬるめの温度で長時間入浴するという方も多いと思います。ですが、お風呂の温度が下がってきてしまうと逆に冷えにつながることも。では、熱いお湯だといいかというと、そうでもありません。熱いお湯に長時間入浴することは血圧の上昇やめまいの原因になります。

入浴後の保湿を怠る

冬は特に、入浴後の保湿ケアが重要です。お風呂上りの肌の乾燥を防ぐために、保湿クリームやローションを使用しましょう。お風呂から出て時間が経つと、肌の乾燥が進んでしまうため、湯冷めしないように水分をタオルで吸い取ったら、速やかに保湿するようにするといいですね。

全身浴と半身浴の違い

全身浴

全身浴は、体を肩や首まで湯船に浸す入浴法です。この方法は体全体を温めることができ、特に寒い冬には体の芯から温まるのも嬉しいポイント。心臓に負担がかかりやすいため、高血圧の方や心臓疾患のある方は注意が必要ですが、若くて持病のない人なら特にトラブルなく短時間で全身を温めることができるのがいいですね。しっかりと水圧がかかるため、むくみ防止にも役立つでしょう。

半身浴

半身浴は、水面が心臓の高さかそれ以下になるように湯船に浸かる方法です。全身浴に比べて心臓への負担が少なく、ゆっくりと長く浸かることができますね。ただし、お湯が冷めてくると冷えにつながりますので、長すぎる入浴は避けましょう。

冷えによるトラブルを避けるためのポイント

冷えによるトラブルを避けるためのポイント

適温のお湯を使う

熱すぎるお湯に入ると、交感神経が高ぶってしまい、血圧が上昇したり脈拍が増加したりと、精神的にも肉体的にも活動的な状態を作ってしまうことも。一日の終わりのリラックスタイムを楽しみたいなら、副交感神経を優位にするためにも、熱すぎずぬるすぎない温度を意識しています。

入浴中の水分補給

発汗による脱水を防ぐためには、水分補給が大切です。特に冬季は水分摂取が少なくなってしまう人が多いので、注意したいですね。ただでさえ冬季は空気が乾燥しがちで体内の水分が失われやすいので、喉が渇いていなくても意識して水分を摂取するように心がけましょう。筆者はお風呂に入る前と後で、それぞれコップ1杯の水分補給をするようにしています。

入浴後の体温管理

入浴後は湯冷めしないように、速やかにバスローブやタオルで体をしっかり拭きます。保湿した後に、暖かい部屋着に着替えて体温の低下を防ぎましょう。

おわりに

お風呂に入っても体が冷えてます! 女医が避ける「冬のNG入浴」

以上のようなポイントを実践することで、冬の寒さに負けず、健康的な入浴を目指せるはず。冷えによるトラブルを避けるためにも、是非これらの方法を試してみてくださいね。

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著者情報

©ママ女医ちえこ
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ママ女医ちえこ(産婦人科医)
産婦人科専門医であり、プライベートでは4人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は15万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。
YouTube:https://www.youtube.com/c/mama女医ちえこ