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たった3分でOK! 医師が教える「目の疲れを取る」簡単な方法

そろそろ花粉の影響で目がしょぼしょぼになりがちな季節が到来。またステイホームによるスマホやPC漬けで、疲れ目も気になっていませんか? そんな目の不調が生じがちな今の時期は、カラダを健康に保ちながらアイケアを。医師が解説します。

花粉症やスマホ漬けで「目」の不調を感じていませんか?

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3月といえば花粉が飛散し始める時期。毎年、目がしょぼしょぼしたり、かゆかったりと何かとトラブルを感じる人も多いのでは?

そして最近は、ステイホームでますますスマホやPC漬けの毎日が続き、疲れ目も感じているかもしれません。

そんな目の不調を感じがちな今の時期は、ただ目薬をさすだけでない、カラダの内側からのアイケアを実践しましょう。医師の石原新菜先生が教えます。

目の不調の原因は食生活にもあり?

千寿製薬が先日「瞳のチカラ白書」の2021年度版で、全国47都道府県の男女5,640人を対象にした「瞳」に関するWeb調査を発表しました。

1日のディスプレイ視聴時間は「平日11.7時間」、「休日12.4時間」と生活時間の7割を占めている状況の中、目の疲れについてたずねたところ、全体の73.9%が「目の疲れを感じる」と回答。そのうち、14.9%は「とても疲れている」と回答しました。さらに目に関するトラブルの有無を聞くと、全体の85.5%が何らかの目のトラブルを抱えており、女性は90.3%にも上りました。

また目の疲れやトラブルで日常生活に支障をきたした経験を聞いた結果、「目が疲れているのに、スマホを見るのをやめられない」(47.6%)、「夕方になると昼よりも見えにくくなると感じる」(42.0%)、「疲れ目からくる頭痛などカラダの不調を感じる」(32.4%)などが上位となりました。

そして意外にも、不調は食習慣にも関係があるようです。目が疲れている人ほど、「食べ過ぎてしまうことが多い」「カロリーをコントロールできていない」「糖質を摂り過ぎている」など、「良くない食習慣の実践度」が高い結果となりました。

良くない食習慣の実践度

全体的にスマホなどのディスプレイを見る時間が長く、目が疲れていたり、カラダの不調を感じたりしてはいるものの、やめられない人が多くいる様子。また真相はわかりませんが、食生活の乱れが目の不調の一因となっている可能性もあるようです。

花粉症に疲れ目…食事や生活習慣からの対策

ーーそんな目の不調が起きがちな今の時期こそ、アイケアはしっかり行いたいものです。そこで、免疫や疲れケアに詳しい医師の石原新菜さんに、花粉症対策と共に疲れ目のケア方法について教えていただきました。

花粉症対策

石原さん 花粉症の症状をなるべく和らげるには、粘膜に付着する花粉の量をいかに減らすかが重要です。花粉症の症状は目や鼻、気道、皮膚に出やすいですが、これはアレルギー反応が起こるマスト細胞が皮膚や粘膜に多く分布しているから。アレルギー症状を防ぐには、マスクや衣服、メガネなどを活用してなるべく皮膚や粘膜に花粉を付着させないこと、付着した花粉をすぐに洗い流すことです。目は、目薬をするようにしましょう。

ーー花粉症の症状と食生活や生活習慣は関係していますか?

石原さん 関係しています。バランスの悪い食生活、ストレス、加齢、環境汚染、抗生物質などの常用などによって花粉症リスクが高まるおそれがあります。

ーー花粉症の症状をやわらげるにはどんな食生活がおすすめですか?

石原さん カラダ全体をアレルギーに対抗できる状態に整えることが大切です。そのためには、皮膚や粘膜を丈夫にすること、腸内環境を整えること、免疫バランスを整えることの3点を意識することがポイントです。

ーー具体的におすすめの食品を教えてください。

石原さん 皮膚や粘膜を丈夫にするには、大豆・肉・魚・卵などのたんぱく質、腸内環境を整えるには、乳酸菌と食物繊維、特に植物性乳酸菌を含むぬか漬け、キムチ、納豆、味噌、切り干し大根などがおすすめです。食物繊維は麦や雑穀などの穀類、さつまいもやこんにゃくなどのいも類、豆やおからなどの豆類、ごぼうなどの野菜類、アボカド、きんかん、ドライフルーツなどの果物類、きのこ類、わかめひじきなどの藻類に豊富に含まれます。

免疫バランスを整えるには、藻(も)類の一種であるユーグレナだけが持っている「パラミロン」という食物繊維がおすすめです。パラミロンには免疫細胞の働きのバランスを整える作用が確認されています。ユーグレナは、パウダー状のものやドリンク状の製品で売られています。その他、めかぶ、わかめ、れんこんなどに多く含まれる「LPS(リポポリサッカライド)」は、体内に入ったアレルゲンを食べてくれるマクロファージを活性化するといわれます。

疲れ目ケア方法

ーースマホで酷使しがちな目のケア方法を教えてください。

石原さん 疲れ目は、目の筋肉が疲れているということです。近くでスマホを見ていると、目の筋肉を緊張させっぱなしにしているので、休ませる必要があります。

目を休めるにはあたためることが大切です。温かい蒸しタオルや市販のアイマスクをまぶたに乗せると、目の筋肉がほぐれ血流がよくなります。疲れがひどいときは蒸しタオルなどであたためた後、冷たいタオルを当てるとさらに効果的です。
理想は、温かいタオルで3分、冷たいタオルで30秒当てるのを3回繰り返すこと。時間がない場合は、温かいタオルを3分だけでもいいです。

疲れ目予防のために、日頃から「時々遠くの景色を見る」「まぶたの周りを大きく動かすために、目をギュッとつぶり、パッと大きく見開く」「視線だけ上下左右、斜め方向に眼球を大きく動かす」などもおすすめです。

ーー花粉症や疲れ目のアイケア方法を教えていただきました。目の不調を感じているなら、目薬や温めなどの対策と共に、食生活の見直しも実践して、カラダの内側からの健康を目指しましょう。

Information

●教えてくれた人…石原 新菜(いしはら・にいな)さん

石原新菜さん

医師。「イシハラクリニック」副院長。現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察のほか、わかりやすい医学解説と、親しみやすいキャラクターで、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。

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