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自律神経の乱れにも効果的…女性ホルモンを整える睡眠のポイント

妊活中は心穏やかに過ごしたいのに、ヤキモキしたり憂鬱な気持ちになりがち。なかなか寝つけなかったり、何度も途中で起きてしまったり、睡眠の悩みが絶えないかたもいらっしゃるでしょう。そこで今回は、実際に妊活中のかたへの指導もしている、眠りとお風呂の専門家でSleepLIVE(株)代表の小林麻利子さんに対策を伺いました。

ホルモンバランス、自律神経を整えよう!

妊活も含め、女性の生活に関係が深いホルモンバランスを整えるには、自律神経を整えることが先決。妊活中で睡眠に課題があるならば、就寝前の自律神経を整えることが不可欠です。

よい眠りを得ることで、自律神経が修復され、女性ホルモンなどの内分泌の修復に繋がります。よい循環を作るために、思い悩んでいる状態から一歩前に進むための対策を行っていきましょう。

ラベンダーで交感神経の働きを低下させよう

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嗅覚刺激は侮るなかれ。五感の中で最も早く自律神経に作用します。

さまざまな自律神経の研究で、その効果が報告されているラベンダーは不可欠です! ラベンダーと一言でいっても、産地や収穫年度、採取方法によって香りは違います。もし、ラベンダー単体が苦手なら、ブレンドされているものでもいいですし、ハーブそのものを購入して、お茶の葉を入れるパックなどに入れて枕元におくのもok。ピローミストやボディクリームといったものなら、手軽に使用できるので重宝します。

好きな香りをかいで、交感神経を落ち着けよう

同僚に「子どもは?」と聞かれて心がザワザワしたり、妊婦さんや家族連れを見て落胆したり…そんな時は交感神経が刺激されています。

夜だけではなく、日中の自律神経を整えるために、何か心がマイナスに動いたら、その度に好きな香りをかぐ習慣を取り入れていきましょう。

小瓶に入れて持ち運ぶのでもいいですし、腕時計型や、胸ポケットに挿せるもの、ペンダントタイプのディフューザーを用いるのもいいでしょう。ロールオンタイプのものやボディオイルなどをカバンの中に入れておいて、そのたびにつけるのもいいですね。

香りをかぐと自然に呼吸がゆったりと穏やかになっていきます。それによって、さらに交感神経を低下させることも可能になります。

照明の工夫をしよう

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眠りを促すメラトニンの分泌を促すには、照明を暗く、赤っぽい光にチェンジする必要があります。外の太陽の明るさと連動させて、光の調整をしていきましょう。

日本人の家はとにかく明るすぎます。イメージは、ムーディーな雰囲気です。夕飯時から、赤っぽい光に変えていき、夕飯後から、入浴前までに照明の数をどんどん減らしていきます。

入浴中は脱衣所の光だけつけて、お風呂場は照明をオフ。脱衣所でスキンケアなどをする際は、脱衣所を消してお風呂場のみ。

寝室や廊下は基本的につけずに間接照明などで工夫するとよいでしょう。そのまま妊活のタイミングをとるならば雰囲気も良いですし、睡眠の邪魔もしませんので、ぜひ今日からチャレンジしてみてください。

夫婦で過ごす寝室の見直しを!

睡眠に適した場所であるかどうかを見直してみましょう。もし少し課題があるならば、休日を利用して、改善を。

  • 寝室はいつも片付いていますか?
  • 漫画、パソコン、テレビ類など、寝ることに関係のないものはありませんか? 
  • 枕元に睡眠に関係のないものを乱雑に置いていませんか?
  • 空気清浄機などで空気は整えていますか?
  • エアコン類で快適温度湿度に整えていますか?

ベッドのサイズを確認しよう

夜、妊活のタイミングを取った後、きちんと効果的に働くためには、良質な睡眠が不可欠。しかし、特に新婚さんは、一緒に寝たいからと、大きめのベッドを用意して2人で寝ているかたもおられるでしょう。

今のベッドで、2人とも大の字で眠れていますか? 1人は眠れても、もう1人は横向き寝などで縮こまって寝ていたりはしていませんか?

また、2人で寄り添って眠ることで安心感は得られますが、どちらかが繊細なタイプであれば、お相手の寝言や寝相、ちょっとした物音などで起きてしまったり、例え起きなくても、眠りの質が悪くなってしまうこともありえます。

ベストは、シングルやセミダブルベッドを2台連ねて用意。気配は感じても、ベッドの境目がありますので、振動がダイレクトに感じることもありません。また、距離も取れるので、それぞれ穏やかにおやすみすることが可能になります。一緒に寝ている感覚が欲しければ、ベッドフレームを同じにして、ベッドヘッドが床と並行に伸びているようなタイプであれば、大きな1台のベッドとも言えなくはないので、解決するのではないでしょうか?

購入したてでなければ、妊活に必要な経費として、ベッドを新調することも視野に入れるのもよいかもしれません。

タイミング以外に夫とハグの習慣を

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妊活期間が長くなると、夫と妊活タイミングの時しか触れ合わないこともあります。しかし、たとえ服を着たままでも、人とハグをすることでオキシトシンが分泌し、自律神経も整いやすくなり、リラックスしやすくなることが分かっています。

まずは寝る前だけでも、お互いの呼吸の早さが遅くゆったりとなるまでしばらくハグをしてからお休みしてみてください。

いかがでしたでしょうか? 何かピンときたものだけでもいいので、ぜひ日常に取り入れていただけたら幸いです。

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眠りとお風呂の専門家
小林麻利子さん

同志社大学卒業、京都市出身。SleepLIVE株式会社代表取締役社長。生活習慣改善サロンFlura主催。公認心理師。科学的根拠のあるデータや研究を元に、睡眠と入浴を中心とした生活習慣を見直すことで、自律神経を改善していく指導が人気。約3,000名以上もの悩みを解決し、テレビや雑誌など、多くのメディアで活躍中。不規則な生活になりがちな、芸能人やモデル、アナウンサーへも指導。

企業向けには、健康経営や睡眠関連事業支援などを行う。著書に『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン)『不美人習慣を3日で整える熟睡の練習帳』(G.B.)など多数。プライベートは、3歳児と0歳児の母。

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