いまわたしたちにできること~美容・健康・環境も~

見えていないだけで、実はカビだらけです… 掃除のプロが明かす「秋のカビ対策」

からりとした晴れの日が多くなり、清々しい秋の季節になりました。寒い冬が本格化する前に、夏から持ち越したカビや汚れは今のうちにすっきり掃除しておくのがおすすめです! そこで今回は、お家の夏じまい・冬支度のために対策しておきたい「エアコンとお風呂の掃除ポイント」を、クリンネスト1級の資格を持つ筆者がご紹介します。

意外とカビが発生しやすい秋

カビが発生しやすい環境は、温度20~30℃、湿度70%以上といわれています(※1・2)。日中の気温が高く、秋雨が続いた場合、梅雨時期と似たような温度・湿度になり、秋でも思いがけずカビが繁殖してしまうことも。

「今年の夏は暑すぎて最低限の掃除のみだった」「細かい掃除は大掃除にまとめてやるつもり」など、手入れが行き届かなかった場所の掃除をつい後回しにしてしまうと、いつの間にかカビが増えてしまうかもしれません。そこで、秋のカビ対策として、以下の2か所にポイントを絞って掃除をしてみましょう!

  • エアコンの夏じまい・冬支度
  • カビの発生や結露がおきやすいお風呂場のふた

カビの嫌なニオイを撃退! エアコンの夏じまいと冬支度のポイント3つ

カビの嫌なニオイを撃退! エアコンの夏じまいと冬支度のポイント3つ

記録的な猛暑が続いた今年の夏は、一日中エアコンをつけっぱなしだったという人も多いのではないでしょうか。気温が下がりエアコンを使わなくなったからといって、何も掃除をしていない場合は要注意! 久しぶりに暖房を使用したらなんだかカビ臭いにおいがする、なんてことが起きるかもしれません。

夏に冷房を使用している間、エアコン内部には結露した水分がたまり、カビが繁殖しやすい環境になります。フィルターを通り抜けてしまうような小さなホコリがエアコン内部にたまり、それがカビのエサになると、エアコン内部の見えにくいところでカビが増殖してしまうのです。そのため、嫌なニオイの原因になるカビは、暖房を使用する前にしっかりと撃退しておきましょう!

(1)「送風運転」でエアコン内部をしっかり乾燥させる

冷房やドライ運転をすると、エアコン内部に水分がたまります。冷房を使い終える頃に「送風運転」を3~4時間行い、エアコン内部をしっかり乾燥させておくことがカビ防止において特に大切なポイントです(※3)。

(2)吹き出し口の周辺を拭き掃除

エアコン内部をしっかり乾燥させたら、エアコンのコンセントを抜き、電源を切ります。吹き出し口や風向きフラップ周りの汚れやカビを、水に濡らして硬く絞った雑巾で拭き取りましょう。エアコン内部には手が届きにくいため、無理せず手が届く範囲で大丈夫です。

内部の奥にカビが繁殖している場合は、専門業者に依頼するのがおすすめですよ。エアコンクリーニングは11月中旬~12月下旬も混み合うことが多いようなので、本格的に暖房を使用する前に依頼を検討しておくといいでしょう。今すぐ手帳やカレンダーにメモしておくと、依頼するタイミングを忘れません。なお、洗浄スプレーなどを使って自分で掃除をすると、内部に残った洗浄剤が故障の原因になる場合があるため、注意が必要です。

(3)エアコンのフィルター掃除

エアコンのフィルター掃除

フィルター掃除をする際は、フィルターを外し、まずは掃除機でホコリを吸い取ります。落ちにくい汚れは、ウタマロなどの中性洗剤をつけてブラシでこすり洗いをして、陰干しで完全に乾かしてから元に戻しましょう。

お風呂場のフタの黒カビをすっきり!

お風呂場のフタの黒カビをすっきり!

これから寒くなる季節は、あたたかいお風呂にゆっくり入って一日の疲れを取りたいですよね。お湯を冷めにくく、あたたかいままキープするために、お風呂のフタを活用する方も多いでしょう。東京ガスの公式サイトによると、フタ有り:一日あたり17.4円、フタ無し:一日あたり28.5円と、光熱費に11.1円の差が出るそうです(※4)。お風呂のフタの使用は、光熱費節約のためにも大切なポイントだと言えるでしょう。

しかし、お風呂のフタは凸凹していてくるくる巻くタイプだったり、大きくて重たいため、掃除が面倒でついお手入れを放置してしまいがちかもしれません。お風呂のフタは意外と汚れやすく、シャンプーや石鹸カス、皮脂汚れが付着したり、お風呂の湯気で常に結露してカビが発生しやすいです。

筆者宅でも以前はくるくる巻くタイプのフタを使用しており、なかなか汚れが落ちないつなぎ目部分や、側面の黒カビ・変色などに悩まされていました。寒い季節に快適なお風呂時間を過ごせるよう、今のうちにしっかり掃除を行っておきましょう。

(1)お風呂のフタは塩素系洗剤でカビ取り

お風呂のフタは塩素系洗剤でカビ取り

お風呂のフタのカビ取りは、塩素系洗剤を使用してカビを除去・除菌しておきましょう。筆者宅の場合、フタを立てかけて置き、塩素系の泡スプレーをかけます。汚れがひどいところは、上からラップでパックすると少量の洗剤でカバーしやすくなり、塩素系のニオイが充満することも防げますよ。一度で取り切れなかった頑固な黒カビはもう一度洗剤をかけ、ラップパックを試してみてくださいね。

(2)お風呂のフタはプレートタイプがおすすめ

お風呂のフタはプレートタイプがおすすめ

くるくる巻き取る凸凹タイプのフタだとカビ取りがしにくいと感じる場合は、プレートタイプに変えてみるのもおすすめです。筆者宅では3枚組のプレートタイプに変えて、壁にマグネットでつくスタンドを設置。壁掛けのスタンドに収めることで、プレートの間に隙間ができて乾きやすくなり、ぬめりやカビにほとんど悩まされなくなりました。

お風呂のフタをしないと、浴室内に湯気が常に充満してカビが繁殖しやすい環境が長時間続き、黒カビが発生する原因にもなります。フタの形や収納方法を変えてみると、フタ自体の掃除が簡単になるだけでなく、光熱費削減やお風呂場全体のカビ対策にもなり一石三鳥ですよ。

まとめ

秋のうちにエアコンをしっかり掃除しておくと、カビや嫌なニオイの発生を抑制でき、本格的な寒さがきたらすぐに暖房を使えるはずです。また、お風呂のフタをすっきりカビ取りすることで、お風呂全体のカビの広がりを抑え、節約効果もアップするでしょう。意外とカビの発生が見えにくく、気が付きにくい2か所ですが、ぜひ今のうちに掃除をすすめてみてくださいね。

【参考】
※1 東京都保健医療局.カビQ&A
※2 文部科学省.カビ対策マニュアル 基礎編
※3 三菱電機.実は重要!? 秋にもエアコンのお手入れを!
※4 TOTO.家族で毎日のことだから 少しの節約が、とっても大きい!

©buritora/Adobe Stock

筆者情報

のぞみ
シンプル志向の整理収納アドバイザー・ライター。クリンネスト1級。「暮らしもこころも かろやかに」をテーマに、ものとじぶんとゆっくり向き合える、続けやすい暮らしのちいさな仕組みを提案しています。Instagram▶@non.karoyakani