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スマホ代、年間で2万3千円も安くなります! FP直伝「格安SIMのメリット&デメリット」

いつからか巷で耳にする「格安SIM」や「格安スマホ」。言葉のイメージから、スマホ料金が安くなる気はするけど、実際はよくわからない…そんな方へ、二級ファイナンシャル・プランニング技能士の三谷真美が、格安SIMや格安スマホの基本から、メリット・デメリット、実際に安くなるのかどうかをご紹介します。

格安SIM・格安スマホって何?

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格安SIM(格安スマホ)とは、一般的に、月額料金が安い通信サービスのことを指します。

NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルのように、自社でネットワーク整備をする事業者(大手通信キャリア)を、「MNO(Mobile Network Operator)」と呼び、そこからネットワークを借りて携帯電話サービスを提供している事業者を「MVNO(Mobile Virtual Network Operator)」と呼びます。

大手通信キャリアは、通信設備にを整えるためにコストがかかりますが、回線を借りている格安SIMの会社は、自社で通信設備にコストがかからないため、その名の通り、通信費を格安で提供できます。

大手通信キャリア(MNO)・格安スマホ(MVNO)

MNOブランドには、NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの他に、大手キャリアの格安ブランドやプランもあります。NTTドコモが提供するahamo、KDDIが提供するpovo、UQ mobile(※1)、ソフトバンクが提供するY!mobile、LINEMOなどは、中価格や低価格でのプランが豊富です。また、7月1日より、NTTドコモから新料金プランとして、eximo(エクシモ)、irumo(イルモ)の提供が開始されます。

大手キャリアの格安ブランド・プランは、大手キャリアの通信回線をそのまま利用しているため、通信速度の低下などが起こりにくいというメリットがあります。

MVNOブランドには、イオンモバイル、マイネオ、IIJmio、BIGLOBEモバイル、donedoneなどがあります。

※1 UQ mobileは、2020年10月1日まではMVNOでしたが、現在はKDDIにより提供されています。

格安SIMのメリット

1:電波のつながりやすさ(通信エリア)や音声通信の品質は大手キャリアと同等なのに、利用料が安い。使用量によって異なるが、月額の支払いを、2,000円前後に抑えられることが多い。

2:オンライン手続きが充実しているため、自宅にいながら手軽に契約手続きができる。

3:1GB、3GBなど、低用量のプランが多く、最低の月額料金が1,000円以下のプランを用意している会社もある。

4:特定のSNSや動画見放題など、各会社によってオリジナルのフリープランもある。

格安SIMのデメリット

1:店舗が少ない(またはない)ため、基本的にオンライン対応。修理サポートなどもネット経由で行うケースが多い。

2:サービス利用開始に必要なAPN(Access Point Name)などの設定を、自分で行う必要がある。

3:大手キャリアからネットワークの一部を借りているため、通信量が増える時間帯(通勤時間や昼休憩、夜間等)はデータ通信速度が遅くなる場合もある。

4:現在、固定回線(自宅のインターネット)や家族の通信契約(家族割)など、セットの契約によって割引を受けている場合、条件から外れてそれぞれの料金が上がる可能性がある。また、固定回線や家族の通信契約を解約する場合の違約金が発生する場合もある。

年間で約2万3千円、携帯料金が安くなる!

総務省が行なった、携帯電話の料金プランの見直しや携帯ブランドの乗換え等についてのウェブアンケート調査(※2)によると、約半数の方が、これまでに携帯会社・ブランドを乗り換えたことがあると回答(※3)。また、年間で平均約2万3千円、携帯料金が安くなったそうです(※4)。
その調査について、具体的に見ていきましょう。

Q. 携帯会社・携帯ブランドの乗り換え経験

乗り換えたことがある 48.9%
乗り換えたことがない 51.1%

携帯電話を持っている方の48.9%が、今までに携帯会社または携帯ブランドを乗り換えたことが1回以上あると回答。

Q. 乗り換えによる携帯電話料金の変化

安くなった 60.6%
変わらない 28.3%
高くなった 11.2%

2021年2月以降、携帯会社各社が提供を開始した新しい料金プランをすでに利用している方のうち約6割が、以前より携帯料金が「安くなった」と回答。

さらに、「安くなった」と回答した方に実際に安くなった額をたずねたところ、平均で年間約2万3千円安くなったという結果が出ました。

格安SIMを検討して、賢く節約しましょう!

格安SIMは、店舗でのサポートがなかったり、時間帯によっては通信速度が遅くなる可能性があるなどのデメリットがあります。

ですが、スマホ料金が安くなるケースが多いので、「何となく、昔から大手キャリアを利用したまま」という方は、一度格安SIMを検討してみてはいかがでしょうか。

<筆者情報>

三谷真美(みたに・まみ)
anan、美的などの雑誌やWebメディアで活躍する美容ライター・美容家。2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を持ち、金融に関する記事も執筆中。

※3 携帯電話を持っている方11,796人について
(2021年12月に総務省が実施した 全国の18歳から79歳男女を対象にしたウェブアンケート調査より)
※4 すでに新しい料金プランを利用している方2,225人について
(2022年2月に総務省が実施した全国20歳以上の6,000人を対象にしたウェブアンケート調査より)

(C)Seiya Tabuchi/Getty Images