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だから痩せなかったのかも! ダイエット中に気をつけたい「野菜のNG食べ方」

そろそろ薄着になり、体型が気になりだす時期。食べ物を選ぶ際には、太りにくいものを選びたいものですよね。今回は野菜に注目! ダイエットにおすすめの栄養を持つ野菜、注意したい野菜を管理栄養士にうかがいました!

ダイエット中の野菜選びは賢く慎重に!

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暑さも増してきて、薄着になる季節。体型が気になりますよね。そんなときには、食べ物選びにちょっとだけ、ひと工夫を。なかでも油断しがちなのが野菜です。どれがダイエットにおすすめで、どれが要注意なのか気になるところです。

そこで今回は、企業の健康管理指導等の事業を行うドクタートラスト在籍の管理栄養士、小林彩実さんに、栄養の観点からダイエットにおすすめの野菜と、注意が必要な野菜を3つずつピックアップしていただきました。

おすすめの野菜については、小林さん直伝、ダイエットにいい調理法もご紹介するので、普段の食事にすぐに取り入れられますよ!

ダイエットにおすすめの野菜3選

まずはダイエットにおすすめの野菜から教えていただきました。

1. 玉ねぎ

小林さん 玉ねぎには、ケルセチン配糖体というポリフェノールが含まれています。このケルセチン配糖体には体脂肪を減らす効果を抑える効果が期待できると、研究で明らかになっています(※1、2)。

また、甘み成分である栄養素フラクトオリゴ糖が含まれており、腸内に存在する善玉菌のエサになることによって便秘を解消する効果も期待できます。

2. ブロッコリー

小林さん ブロッコリーに含まれる食物繊維の量は100グラムあたり5.1グラムと、野菜の中でもトップクラスです。食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があり、ブロッコリーには不溶性食物繊維が豊富に含まれています。不溶性食物繊維には、便の量を増やして便秘を改善する効果があります。

また、ブロッコリーには他の野菜と比較して植物性のたんぱく質が多く含まれます。ダイエット中、つい肉や魚を食べる量が減ってしまい、タンパク質が不足してしまう方、ダイエット中の栄養バランスが気になる方におすすめの食材です。

3. キノコ類

小林さん 作物の分類上は野菜ではないのですが、一般的にスーパーの野菜コーナーで売られているので今回、ピックアップしました。シメジやシイタケ、エノキなどのキノコ類は平均して100グラムあたり20キロカロリーと低カロリーなうえ、食べ応えがありアレンジ自在なので、ダイエットにぴったりな食材です。

キノコにも不溶性食物繊維が豊富に含まれているため、便秘解消効果が期待できます。またキノコキトサンという成分が体脂肪を減少させる効果を有することも確認されています(※3)。

ダイエットにおすすめの調理法

ーーどれも身近な野菜ばかり! これなら普段の食事に手軽に取り入れられそうですね。それぞれのダイエットにおすすめの調理法も教えていただきました。

1. 玉ネギの調理法

小林さん 先ほどご紹介した玉ネギに豊富に含まれているケルセチン配糖体やフラクトオリゴ糖は、熱に強い栄養素です。苦味や辛味が気になる方は、スープや炒め物などに入れて食べるのがおすすめです。常備菜として、酢漬けにしたりマリネにしたりといった調理法があります。

2. ブロッコリーの調理法

小林さん ブロッコリーに含まれる食物繊維の量は、塩ゆでなどのゆで調理をしても大きくは変化しません(※4)。

しかし水溶性のビタミンやミネラルは、ゆでることで減少してしまいますので、気になる方はレンジで加熱したり、フライパンで炒めたりすると良いでしょう。また茎にも食物繊維やビタミンCが豊富に含まれているので、捨てずに一緒に調理するのがおすすめです。

3. キノコ類の調理法

小林さん キノコに含まれる食物繊維の大部分は不溶性食物といって、水に溶ける食物繊維ではありません。しかし、水に溶けやすい水溶性食物繊維も含まれているので、栄養素を逃さないためには水洗いせずに使うのがポイントです。

煮物や炒め物などいつもの料理にプラスする、お好みのキノコをまとめて炒め、しょうゆやオリーブオイル、塩コショウなどで味をととのえた「キノコマリネ」を作っておき、冷蔵庫にストックしておくのもおすすめです。

エノキは、パスタの麺の代わりのかさ増しに使うことでカロリーが抑えられ、たっぷりの食物繊維を摂取できます。

ダイエット中は食べ方に注意したい野菜3選

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ーーところで、ダイエット中は食べ方に注意したい野菜もあるようです。小林さんに3種類ピックアップいただきました。

1. カボチャ

小林さん カボチャにはβ‐カロテンやビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類が豊富に含まれている一方で、100グラムあたり78キロカロリーと、他の野菜に比べてカロリーが高めであるのに加えて、炭水化物も同じ量のご飯の半分以上と、多く含まれています。カボチャの煮物は、砂糖やみりんを入れて作りますので特に注意が必要です。

ダイエット中は摂取量に気をつけたり、その分ご飯を抑えるなどの調整をするのをおすすめします。

2. イモ類

小林さん ジャガイモやサツマイモなどのイモ類は、食物繊維やビタミンCが多く含まれているので便秘やアンチエイジングが気になる方にぴったりの食材です。しかし、カボチャと同様にカロリーと炭水化物が多く含まれているので、ダイエットしている方は食べ方に注意が必要です。

ポテトサラダやフライドポテト、大学芋など調理法でさらに高カロリーになりやすい食材ですので、食べたいときはご飯や他の料理から取るカロリーを抑えるようにしましょう。

3. アボカド

小林さん アボカドは作物の分類では果物にあたりますが、サラダに入れたり和え物にしたりと使われ方が野菜に近いことから今回、ピックアップしました。ビタミン・ミネラルが豊富に含まれ、栄養価が高いことで知られていますが、アボカドは1/2個(約90グラム)は約160キロカロリー、脂質は同じ量の豚や牛のひき肉に含まれるのと同程度の約15グラムとなります。

肉料理と同じタイミングでアボカドを食べると、脂質摂取量が多くなってしまいますので、食べ合わせに注意しましょう。

ーー「野菜なら何でも太りにくい」と思っているなら要注意かも。ダイエット中は、今回ご紹介した野菜選びのポイントを押さえて、賢く食事をコントロールしたいですね。

Information

●教えてくれた人…小林 彩実(こばやし・あやみ)さん

小林 彩実さん

株式会社ドクタートラスト在籍。管理栄養士。「多忙な人にも健康を意識してほしい」の想いから産業保健業界へ。セミナーや特定保健指導に携わる。

●参照
※1 小堀真珠子「ケルセチンの生活習慣病予防機能」(「食糧:その科学と技術」54巻、5~18頁)

※2 立石法史、中村淳一、野中裕司「体脂肪低減効果を有するケルセチン配糖体配合飲料の研究開発 特定保健用食品「伊右衛門 特茶」の開発」(「化学と生物」56巻6号、408~413頁)

※3 宮澤紀子、栗原昭一、浜屋忠生、瀬山智子、吉本博明、江口文陽「肥満モデル動物におけるキノコキトサンの抗肥満効果」(「日本きのこ学会誌」21巻1号、30~35頁)

※4 高橋リエ、小川晴子、佐藤英子、森文平「野菜の食物繊維含量と加熱による変化」(栄養学雑誌47巻4号、189~197頁)

文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

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