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実は避けたほうがいいんです… 管理栄養士が教える「バナナのNG食べ方」

バナナは甘くて栄養豊富な果物です。皮をむくだけで食べやすく、手ごろな価格で手に入りやすいため、ついつい食べすぎてしまうことはありませんか? しかし、バナナを食べる際にはいくつか気を付けたいポイントがあります。今回は管理栄養士の筆者が、バナナのNGな食べ方やその理由、バナナに含まれる栄養価について詳しく解説します。

バナナに含まれる栄養素

バナナに含まれる栄養素とは

バナナは手軽に食べられる果物として人気がありますが、健康のために大切な栄養素が入っている点も魅力的です。まずはバナナに含まれる主な栄養素とそれぞれの健康効果について詳しく説明します。

カリウム

バナナに多く含まれているカリウムは、体内の水分バランスを調整し、細胞の機能を維持するために重要なミネラルです。塩分を外に出してくれる役割があり(※1)、むくみ予防の効果が期待されています。

ビタミンB6

バナナにはビタミンB6も含まれています。ビタミンB6は食事から摂ったエネルギーやたんぱく質を効率的に利用するために重要なビタミンです。また、脳の神経伝達物質であるセロトニン(※2)やドーパミンの生成を助け、心の安定のためにも大切な役割を担っています。

糖質

バナナには、その甘さからもわかるように、体のエネルギー源となる糖質が含まれています。特に、果糖というすぐにエネルギーに代わりやすい糖質が含まれているため、運動前や運動後のエネルギー補給としてもおすすめです(※3)。

食物繊維

バナナには食物繊維も多く含まれています。食物繊維は便秘の予防・改善の効果が期待され、血糖値のコントロールなどにも役立ちます(※4)。食物繊維は日本人が不足しやすい栄養素なので、バナナは補給源としておすすめです。

バナナのNG食べ方

バナナのNGな食べ方とは

バナナは健康にいい果物ですが、食べ方によってはその効果を最大限に活かせないこともあります。ここからはバナナのNGな食べ方を解説します。

バナナの食べすぎはNG

バナナは果物の中でも比較的安価で手軽に食べやすい食品ですが、食べすぎはカロリーや糖質の摂りすぎにつながります。バナナの適量は大きさにもよりますが、1日に1~2本程度といえるでしょう。

バナナだけを食べるのはNG

バナナにはカリウムや食物繊維など健康にうれしい栄養素が含まれています。しかし、バナナだけを食べていると体に必要な栄養素が不足してしまう恐れがあります。

たとえば、朝食に摂るなら糖質の多いバナナだけでなく、たんぱく質が含まれているヨーグルトやゆで卵などもプラスするとよいでしょう。

バナナの加工品は食べすぎないようにする

市販のバナナチップスやバナナを使ったケーキなど、バナナを使ったお菓子は一見健康に良さそうに見えるかもしれません。しかし、砂糖や油などが添加されているため、摂りすぎは体重増加につながる可能性があります。バナナそのものでも十分甘味があるため、加工品よりも生のバナナを摂るようにするとよいでしょう。

黒くなったバナナは要注意

冷蔵庫で保存したバナナは皮が黒く変色しやすいのですが、皮をむいたときに果肉が白色であれば問題ありません。しかし、果肉の部分が茶色や黒く変色している場合は、傷んでいる可能性があります。食中毒を起こすリスクもあるため、傷んでいそうなバナナは食べないように気を付けましょう。

バナナは常温で保存しておくと追熟して甘くなりますが、暑い時期に常温に置いておくと腐敗も進みやすくなります。そのためバナナは好みの状態まで常温で追熟させ、1本ずつラップで包みポリ袋に入れて野菜室で保存しておくのがおすすめです(※5)。

バナナは適量を守って楽しみましょう

バナナは手軽に食べやすい果物であり、ビタミンやカリウムなど体にうれしい栄養素も含まれています。しかし、一日の中で食べすぎたり、偏った食べ方をしたりするのは健康によくありません。バナナに限ったことではありませんが、食事を健康的に楽しむためには、特定の食品ばかり食べるのではなく、適量を守って偏らない食べ方を心がけましょう。

筆者情報

寺内麻美
管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。