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やってはいけない「NGごみ出し習慣」とは? 資源回収員が困っていること3選

女性たちが実際にやっている、身近なエコ活動をご紹介。122回目は、ecocoメンバーの朱里さん。今回はごみ収集作業員が感じる迷惑なごみ、そして正しいごみの出しかたについてご紹介します。

2024年ごみ出し習慣を変えよう

©宮本志保
©宮本志保

【最近やってるエコなこと】vol.122

2024年が始まりました。年末年始におうちの掃除や片付けなどをしたかたも多いのではないでしょうか。その際に出るごみ、実は収集作業員に迷惑をかけているかも? ごみ出しは、各自治体によってルールが違いますが、今回はごみ出しについて気をつけてほしいことを、お兄さんがごみ収集作業員をされている朱里さんに伺いました。

資源回収員に聞いた「気を付けてほしいこと」3選

【1】ガラスは可燃ごみに捨てないで!

©朱里
©朱里

朱里さん ガラスを可燃ごみに出されると、回収の際にケガをしやすいです。可燃ごみの袋に、ガラスや電球を入れるかたがいますが、そうすると、回収車でごみをプレスするときにガラスがパンッと飛散して作業員が怪我をすることがあります。道に飛散したガラスは皆さんが怪我をしないように掃除しますが、拾う際にも手を切ってしまうことがあります。

あと、長い蛍光灯を裸で置いていくかたもいるそうです。どう捨てたらいいか分からないのでしょうね。コロコロ転がって車に轢かれたりすると、作業員が片付けなければならないので絶対にやめてほしいです。

「可燃ごみは全部燃えるから大丈夫」と思っているかたが多いようで、ガラスは可燃ごみに混合されていることもありますが、可燃ごみには生ごみやオムツなどの汚染されたものが多く含まれるため、作業員が小さな怪我をしても破傷風(はしょうふう)や感染症リスクがあります。コロナ禍を経て現場は非常に厳しい現状です。

【2】破裂するから、ごみ袋の空気は抜いて!

©朱里
©朱里

朱里さん 可燃ごみは食べ残しなどの生ごみも多く含まれます。食べ残しを捨てるなら、小さめの袋に生ごみを入れ、さらに可燃ごみとまとめて、袋の空気を抜いて出してください。
空気が入ったごみ袋は、回収車でプレスするときに破裂し、生ごみが飛び散りがちです。可燃ごみの回収日に出される頃には、賞味期限切れで腐っているものが多いですから…特にキムチは、全部食べてからパッケージを洗うかティッシュなどで拭ってから出してほしいです。キムチの臭いが顔や作業服に付くと洗濯しても落ちにくいんです。

作業員たちは、膨らんだ袋を見かけたら破裂のリスクを回避するために指で突いて空気を抜いています。回収所に持って行く時間の制限もあるなか、袋を開く時間などないので仕方なく指で突いていますが、袋の圧で突き指してしまうこともあります。

【3】段ボールを段ボールに入れて出さないで!

©photoAC
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段ボールを写真のような形で出されるかたがいますが、こういった箱型の段ボールのままでは資源回収所に引き渡せないので、作業員が潰さなければなりません。
回収車のスペースを取るだけでなく、作業効率も下がるので折りたたんでから紐で十字に縛って出してください。

©photoAC
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一部では、ダンボールについた粘着テープや伝票は剥がしてから回収に出したり、紐で縛らないルールの地域もあります。自治体の回収方法を確認して正しく出してもらえれば、古い段ボールの90%以上が新しい段ボールに生まれ変わります。

もう一度、自治体のルールを確認しよう!

朱里さんのお兄さん ごみ収集作業員の僕が「ああしてほしい、こうしてほしい」と言っただけでは「わがまま」「そういう仕事だろ」と思われがちですが、ごみの捨て方は皆さんが生活するにあたって決められているルールなので、まずは自治体の回収方法を見てから行動してくれたら嬉しいです。

朱里さん 兄がこの仕事をするようになってから、ごみの日にごみを出すことが「大切な人に資源を引き渡す」行動に変わりました。正しく分別して回収に出すことは、自分の後始末を自分でするということだと思うので、まずは自治体のルールを確認してみてくださいね。
私が住んでいる東京の場合は、区によって回収方法がかなり異なるので、引越し後は要注意ですよ!

<紹介してくれた人>

平野朱里
化粧品メーカー勤務。2015年よりナチュラルコスメ業界に入り、先輩に勧められスタートした"布ナプキン"から、エシカルライフがもたらす好循環に興味を持つ。現在は保護犬と夫の3人暮らし。

<筆者情報>

ecoco代表 平野絢子
エコをテーマとし全国の女性を集めた団体「ecoco」を立ち上げ、身近にできるエコ活動、エコを通した地域活性とウーマンエンパワーメントを推進している。
また岡山県の観光特使として東京を拠点に行き来するデュアルライフを行いながら、せとうちの農園や市場、工場などに自ら足を運び、創り手の‟想い”を伝えるため、商品開発、営業、PRなどを企業と一緒に行っている。

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