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体にいい食べ物は朝と夜で違う!?【管理栄養士監修】朝食と夕食で食べ分けたほうがいい食品6つ

同じ食品や食材であっても、食べるのに適したタイミングがあることを知っていますか? 近年では「いつ、どのように食事をするか」を研究する、“時間栄養学”という学問もあります。そこで今回は、朝食と夕食でそれぞれ気をつけるべき注意点や、朝と夜に摂った方がいいとされる食品について、管理栄養士の筆者が解説します。

朝に摂った方がいい食品

体にいい食べ物は朝と夜で違う!?【管理栄養士監修】朝食と夕食で食べたほうがいい食品6つ

一般的に眠っている間は体温が下がるとされています。朝起きたときは、体温を上げるためにもエネルギー源となる食品を摂ることが大切です。

起床後は日光を浴び、しっかり朝食を食べてください。体内時計のリセットを促し、良い睡眠にもつながるでしょう(※1)。朝食を取ることで体内リズムが整えられ、胃腸を刺激してくれます。

では具体的にどのような食品を摂ればいいのでしょうか。

玉子

玉子

目玉焼きやスクランブルエッグなど、玉子を使った料理は用意しやすく、忙しい朝でも手軽に摂りやすい食材ですよね。

食事をした後に、体内で栄養素が分解されることで代謝が上がることを“食事誘発性熱産生”といいます(※2)が、玉子に多く含まれているたんぱく質は、糖質や脂質に比べてより体温が上がりやすい特徴があります。

朝食にしっかりとたんぱく質を摂ることで、活動的な一日のスタートに役立つといえるでしょう。

ご飯やパン(主食)

私たちの脳は、ブドウ糖をエネルギー源としています。寝ている間にブドウ糖が使われて不足している状態のまま朝食を抜いてしまうと、午前中に頭が働きにくくなり、ぼーっとしたり集中力が落ちたりすることも。

ご飯やパンなどの炭水化物には脳のエネルギー源となるブドウ糖が多く含まれているので、朝食では必ず食べることをおすすめします(※3)。

また玄米ごはんや麦ごはん、全粒小麦パンなどを選ぶと、食物繊維が多く摂取できます。食物繊維は血糖値の上昇をゆるやかにし、血中コレステロールの低下にも役立つとされているため(※4)、主食の選び方を工夫して効率よく摂るといいでしょう。

バナナ

エネルギー源として効率よく使われやすい“糖質”を含むバナナは、忙しい朝でも手軽に食べられるため、朝食がしっかり取れない人にもおすすめです。

また、バナナに含まれているトリプトファンは、質の良い睡眠に必要なホルモン「メラトニン」の材料になるといわれています。

夜に摂った方がいい食品

夕食を食べすぎてしまうと、消化しきれない分は脂肪として蓄積されやすく、肥満の原因となってしまうことも(※5)。肥満を放置すると生活習慣病を招くので、なるべく夕食の量は多くなりすぎないように気を付けましょう。

また、脂質が多い食材は消化するまで時間がかかるため、夕食に摂りすぎると胃もたれや肥満の要因となる可能性があります。

以下、夕食におすすめしたい食材について解説します。

納豆

納豆に含まれている成分「ナットウキナーゼ」は、血栓の予防に役立つといわれています。血栓は深夜から早朝にかけてつくられやすいため、納豆を夕食に食べるのが良いと考えられています。

ただし1日1パック程度までにして、過度に摂りすぎないようにしましょう。血栓が気になる場合は必ず医療機関へ相談してください。

また、たんぱく質を補給するという点では朝に食べるのもおすすめです。

豆腐

豆腐は低脂質・低カロリーで、たんぱく質を多く含む食材。また豆腐などに含まれる“サポニン”という成分は、脂肪を蓄積しにくくする働きが期待されています。

例えば夕食の時間が遅くなってしまったときなどは、生活習慣病予防のためにも豆腐を取り入れるとよいでしょう。

また冷奴や湯豆腐、水切り豆腐などアレンジも豊富で、飽きずに食べやすいこともポイントです。

きのこ

きのこ

きのこには食物繊維が豊富に含まれています。食事の最初に食物繊維が豊富な食品を食べることで、消化吸収が緩やかになり、血糖値の急上昇を抑える働きが期待できるでしょう(※4)。

きのこのほかに野菜・海草類も食物繊維が多く含まれています。食べすぎを予防するためにも、食物繊維を意識できると良いですね。

食べる時間帯によって食べ方を工夫しよう

毎日の食事は、私たちの健康を保つ上で欠かせません。基本的には食べる時間帯によって摂取できる栄養素に大きな差はありませんが、朝食は一日の活動をスタートさせるのに大切であり、夕食は摂りすぎると肥満を招くため注意が必要です。

今回お伝えした「朝と夜に摂った方がいい食品」をぜひ参考にしてみてください。食事の摂り方を工夫して、健康的な毎日を過ごしましょう。

【監修】管理栄養士 寺内麻美

管理栄養士 寺内麻美

管理栄養士を取得後、病院での給食や栄養管理、クリニックで生活習慣病予防のための食事指導に携わる。現在はダイエットサポートやレシピ制作、根拠のあるデータをもとに食や健康コラムの執筆などを行なっている。