便秘や肌荒れ、ストレスにも! 「発酵フルーツシロップ」の作り方と活用テク
おうちでカフェ風に、爽やかなフルーツシロップを使ったドリンクを飲んでみませんか? フルーツと砂糖で作った発酵フルーツシロップは、レモネードやレモンスカッシュ、アイスコーヒー、ヨーグルト、かき氷とアレンジの幅が豊富! 専門家が効果、レシピ、アレンジ術を伝授します。
簡単に手作りできる! 発酵フルーツシロップ
フルーツを砂糖に漬け込んで作る発酵フルーツシロップ。酵素シロップとも呼ばれます。夏場は冬よりも早くできあがるので、作るのに向いているシーズンなんですよ。
水に溶かして飲むほか、スイーツやヨーグルトにかけて食べるなど、万能なのも特徴。おうちカフェ風に、オリジナルドリンクやメニューを作って楽しむのもおすすめです。
今回は、発酵の専門家に、発酵フルーツシロップの女性に嬉しい効果を、そして発酵フルーツシロップ作りに詳しい人気フルーツ店の代表に、おうちで作れる簡単レシピを教わります。
発酵フルーツシロップには美肌効果も!?
発酵フルーツシロップとは、フルーツを砂糖で一週間ほど発酵させて、シロップにするもの。その栄養や効果とは? 福岡で発酵食料理教室「Lien~リアン~」を主宰する発酵料理研究家で栄養士の山本知美さんにうかがいました。
山本さん 発酵フルーツシロップは、砂糖で発酵を促し、フルーツを発酵させることにより、フルーツの保存性や栄養価が高まります。熟成して風味もよくなり、栄養が体内に吸収されやすくなります。
また、フルーツといえば美白効果が高いといわれているビタミンCを多く含みますが、発酵フルーツシロップでは生のフルーツを使い、加熱しないことから、熱に弱いビタミンCも摂取しやすくなります。
そして発酵させることにより、乳酸菌や酵母菌などの善玉菌が増えるので、摂取することで腸内環境が整い、便秘予防、美肌効果、ストレス軽減などが期待できます。ただし、糖質を多く含むため、取り過ぎには注意する必要があります。
ーー発酵フルーツシロップは、美味しくて見た目がオシャレなだけでなく、健康や美容にもいいんですね。
発酵フルーツシロップのレシピをご紹介!
発酵レモンシロップのレシピを説明する『フタバフルーツ』代表の成瀬大輔さん
さあ、いよいよ、発酵フルーツシロップを作ってみましょう。材料と道具をそろえれば、とっても簡単にできるんですよ!
レシピを教えてくれたのは、創業80年を迎える、中野にある老舗フルーツ店『フタバフルーツ』の代表、成瀬大輔さん。先日、富士山の銘水が手がけるコーヒーメーカー内蔵の2in1ウォーターサーバー「FRECIOUS Slat+cafe(フレシャス・スラット カフェ)」を使っておうちカフェを楽しむイベントに登壇していた成瀬さんにインタビューした内容と共にご紹介します。
「発酵レモンシロップ」
【材料】
(1.7Lのガラス容器を使用)
レモン 10個/皮ごと使用(中1個約130gくらいのもの)
てんさい糖 500g(他の砂糖でも可)
はちみつ 大さじ8
ローズマリー 3本
【準備】
密閉できるガラス容器と、かき混ぜるための菜箸orスプーンを用意する。すべて煮沸消毒し、しっかりと乾かす。
レモンを皮ごと使用するため、流水でよく洗う。
【作り方】
1. レモンを皮ごと5mm幅にスライスする。
2. ガラス容器にてんさい糖を100g程度、まんべんなく広げ、その上にスライスしたレモンを1/5量程度、さらにその上にはちみつを大さじ2杯、回し入れる。
3. 2を繰り返し、砂糖、レモン、はちみつが層になるように入れていく。(最後にレモンスライスがこないようにする)さらに隙間にローズマリーを差し込む。
4. すべて入れたら軽くふたをして、ひと晩、冷暗所に置く。
5. レモンから水分が出て、てんさい糖が溶けてなじんだら、菜箸orスプーンで全体をゆっくりかき混ぜる。
6. ふたをしっかりとし密閉したら、ゆっくりと上下にひっくり返し全体に染み渡らせる。その後、冷蔵庫に入れる。
7. 5と6の工程を1日1回行い、約1週間でシロップの完成。
※賞味期限はできあがりから1か月ほどが目安。
発酵フルーツシロップを手作りするときのポイント
成瀬さんに、発酵フルーツシロップを手作りする際のポイントを伺いました。
成瀬さん 砂糖は、黒砂糖や白砂糖を使ってもいいですが、てんさい糖はミネラル豊富でオリゴ糖も含まれているので、ぜひおすすめしたいですね。完成したら、レモンは取り出したほうがいいです。発酵が進んでしまい、苦味が出すぎることがあるからです。
夏場は、室温20度くらいの場所での保管がおすすめです。冷蔵庫など20度以下の保管もできますが、その場合、シロップのできあがり日が少し長引きます。逆に暑すぎる場所での保管は、発酵が進みすぎたり腐敗したりする可能性があるため注意してください。
発酵フルーツシロップに適したフルーツ
ところで、発酵フルーツシロップにはどんなフルーツが適しているのでしょうか?
成瀬さん 基本的には果物なら何でもOK。特に柑橘系など、酸味のあるフルーツのほうがシロップにしたときに甘すぎず、味のバランスが取りやすいのと、酸を含んでいるほうが発酵しやすいのでおすすめです。
レモンを使う場合は、黄色いレモンもいいけれど、グリーンレモンもビターな苦味が大人味でとっても美味しいですよ。手作りが初めての方にもレモンがおすすめ。簡単に手に入りやすいのと、状態が変化しづらいので扱いやすいためです。
今の時期なら、香りの良いスモモもおすすめ。あまり熟れてない固めのものが適しており、スライスしたものと合わせていくつか丸ごと入れると、見た目もすごくきれいですよ。炭酸水で割ると美味しいです。
発酵レモンシロップの活用術
ーー好きなフルーツで発酵フルーツシロップを作ったら、さっそくいただきましょう。どんな活用法があるのでしょうか? 今回は、発酵レモンシロップの活用法を成瀬さんにうかがいました。
ドリンクに加える場合
成瀬さん シロップをドリンクに加える場合、ドリンク170mlに対してシロップ大さじ2杯くらいの割合がベストです。水や炭酸で割るレモネード、レモンスカッシュのほか、紅茶やコーヒーに入れても美味しくいただけます。
また今回、ウォーターサーバー「FRECIOUS Slat+cafe」による富士山の天然水を使用していますが、天然水との相性はとても良く、美味しく飲めます。
ーー実際、飲んでみたところ、シロップ単体だとまろやかな酸味と甘味があり、パンにつけたりしても美味しくいただけそうだと思いました。天然水に発酵フルーツシロップを入れると、甘くてほろ苦い大人な美味しさでした。
アイスコーヒーにレモンシロップを入れると爽やかさアップ!
成瀬さんがおすすめしていたアイスコーヒーに入れて飲んでみると、爽やかな風味が足されて、さっぱりいただけました。これは意外!
その他の活用法
成瀬さん 果肉を凍らせて、氷代わりに飲み物に入れると飲み物自体の味も薄まらず、ほんのり甘くなって美味しいですよ。その他、ヨーグルトのソースやかき氷のシロップにもおすすめです。
またハイボールに果肉とシロップを少しを入れるととても合います。ワインに入れてサングリア風にもできますよ。
料理にも活用できます。ポークソテーのソースやサラダのドレッシングに、さまざまな使い方ができます。
ーー発酵フルーツシロップは、簡単に仕込むことができ、発酵するまでの時間や手間もおうち時間を長い今の時期にはちょうどいい! できあがった後は活用の幅も多いので、とことん楽しめそうです。
お気に入りのフルーツを使って、発酵フルーツシロップ作りから始めてみましょう。
Information
教えてくれた人
山本 知美さん 発酵料理研究家・栄養士 福岡で発酵食料理教室を主宰。
成瀬 大輔さん
フタバフルーツ(有限会社フタバヤ)代表。現在はフルーツ販売に留まらず、ケータリングやデリバリー、カフェカンパニーと組んでフルーツパーラーも展開。