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一晩中エアコンでも朝だるくならない! プロ直伝「夏の快眠」簡単テク

エアコンをつけて眠っても、朝まで何度も起きてしまう時もあります。そこで今回は、2000人以上の睡眠課題を解決してきた、眠りとお風呂の専門家の小林麻利子さんに、暑い時期の睡眠時のエアコンの使い方についてうかがいました。

一晩中エアコンは体がだるい…その5つの原因と対策

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熱中症対策のためにも、エアコンは一晩中つけっぱなしがいいと一般的に言われます。しかし、つけっ放しにすると、体がだるくなったり冷えすぎてしまったりして、エアコンの調整がうまくいかず、結局汗をかきながら、寝て起きてを繰り返す夜を過ごされている方も少なくないようです。

そこで今回は、2000人以上の睡眠課題を解決してきた、眠りとお風呂の専門家の小林麻利子が、考えられる原因とその対策をご紹介します。

原因1. 体に冷風が少しでも当たっているから

気づかないほどの微風でも、冷風である限り、体に風が当たっていると睡眠の質を低下させることがわかっています。

対策は、エアコンのリモコン設定で行っていきます。風向きは体に一切当たらないところで一定固定、風量は自動にしましょう。風向きが上下左右に自動で動かせるタイプは、体に冷風が吹き付ける瞬間があります。

寝はじめは気持ちよくて快適に感じても、深部体温が低い朝方はそれが原因で冷えを感じたり、血流が悪くなって、朝方深部体温が上昇しづらくなり、朝の寝起きが悪くなる可能性があります。

原因2. 深部体温がいちばん低い早朝の対策をしていないから

筋肉や脂肪が少ない足首は、冷えを感じやすい場所です。風が当たらなくても、どうしても深部体温が低くなる早朝は寒さを感じてしまうという方は少なくないようです。

対策は夏用レッグウォーマー。柔らかくて締めつけ感のないものを選んで装着してみてください。肌に直接触れるものは、通気性、吸水性、放湿性に優れた天然素材がおすすめです。

原因3. 温度設定に課題があるから

睡眠に適した温度は約26度であることがわかっていますが、実際の室温とイコールでない場合があります。

対策は、エアコンの温度設定ではなくて、温湿度計を必ず置いて、室温を確認して調整することです。100円均一の温湿度計でいいので、寝室に1つ用意して、確認したうえで、エアコンの温度設定を検討してみてください。

感覚に頼らないことが快眠のためには大切です。

原因4. エアコンの温度設定の調整に何度か起きてしまうから

原因3にも関係しますが、室温を確認せずにエアコンをつけた場合、寝つく際には快適な温度と感じても、体温が下がったあとは寒く感じることもあり、その都度起きてリモコン設定を変更して…と中途覚醒が当たり前になっている場合があります。

体がだるくなるのは、こうした中途覚醒が増えて体がしっかりと修復されていないことが原因であることも。

対策は、先ほどと同じように、温湿度計を用意して室温を確認すること、そして衣類や寝具で調整してみてください。

原因5. 深部体温がうまく下がっていないから

体の内側の深部体温は、19時頃最も高く、就寝2時間ほど前から早朝4時頃にかけて低下し、起床時刻にかけて上昇するメカニズムがあります。しかし、寝る前、ストレスを感じたり考えごとをしていたりと交感神経が優位になっていたり、日中の活動量が少なく体温の高低差が小さければ、うまく深部体温が下がらず、熱が体にこもった、熱ごもり状態になりやすいです。

そこで、過去記事でもご紹介しました、入浴法を取り入れて深部体温をぐっと急降下させましょう。暑いとリモコンの温度を下げがちですが、適切にお風呂に浸かって深部体温をコントロールすることで快適におやすみすることが可能となります。

みなさんの睡眠が快適なものとなりますように。ぜひお試しください。

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眠りとお風呂の専門家
小林麻利子さん

同志社大学卒業、京都市出身。SleepLIVE株式会社代表取締役社長。生活習慣改善サロンFlura主催。公認心理師。科学的根拠のあるデータや研究を元に、睡眠と入浴を中心とした生活習慣を見直すことで、自律神経を改善していく指導が人気。約2,000名以上もの悩みを解決し、テレビや雑誌など、多くのメディアで活躍中。不規則な生活になりがちな、芸能人やモデル、アナウンサーへも指導。

企業向けには、健康経営や睡眠関連事業支援などを行う。著書に『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン)『不美人習慣を3日で整える熟睡の練習帳』(G.B.)など多数。プライベートは、3歳児と0歳児の母。

(C)demaerre/Gettyimages