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腕を伸ばすだけで楽になる! 医師直伝「いつでもできる頭痛、肩こり、疲れ対策」

コロナ禍で在宅時間が増えたりと、以前とはライフスタイルも大きく変わりました。同時に、気づかないうちにストレスや疲れが蓄積して「なんとなく不調」を抱えていたりしませんか?筆者はその一人でもあります。今回は漢方薬でもおなじみのツムラによる「第3回 なんとなく不調に関する実態調査」の結果をもとに「なんとなく不調」について見てみましょう。実はみなさんが見過ごしているその症状もカラダや心からのSOSかもしれませんよ。

20代〜40代の男女1,800人を対象とした「なんとなく不調」の調査結果

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2023年、コロナ禍は早くも4年目となりました。この生活にだいぶ慣れてはきましたが、カラダや心には歪みが出るものです。

ツムラが行っている20代〜40代の男女1,800人を対象とした調査結果(2022年12月実査 )からは4人に3人 (75.6%)が「なんとなく不調」を感じており、男性(70.0%)よりわずかばかりですが、女性(81.1%)の方が「なんとなく不調」を感じていることがわかりました。この「なんとなく不調」とは、自覚しながらもつい我慢しがちな症状や、調子が悪いものの病名の診断がつかない症状の総称と定義しています。

また、3年連続でこの調査は行われていますが、「なんとなく不調」を抱える人は約7割前後で推移しているそう。

「なんとなく不調」を感じる症状の経年変化 (女性)

特に女性が感じる、「なんとなく不調」には上位に「頭痛」「肩こり」「疲れ・だるさ」がきています。PMSなどの代表的な症状の一つである「イライラ感」も5位に入っていて、女性ならではの不調、ストレスもありそうです。

筆者も家やカフェで作業することが多くなり、スマホやタブレットを見る機会が増えたことによる目の疲れや、慣れないテーブルと椅子を利用することにより姿勢が悪くなり、肩こりなどの不調をけっこう感じています。

「なんとなく不調」を感じたとき、「病院に行く」のは半数以下

[図5]「なんとなく不調」を感じたときの対処方法

正直、「頭痛」「肩こり」「疲れ・だるさ」だと日常でも感じる不調なので病院に行くか迷いますよね。そこで調査結果を見てみると、「病院の受診・医師の診察を受ける」と答えた人は全体の35.7% 。そして女性に関しては34.2%という半数以下の結果になりました。市販薬の服用が50%となっていて、特に女性は自力でなんとかしようと、がんばりやさんが多いのが現状です。

【図6-2】病院に行くことを躊躇する理由

実際、「なんとなく不調」で病院に行く人は増えてはいるものの、心身の不調で医師の診察を受けることに対して躊躇するかと聞くと、全体の65.1%、女性に関しては70%が「躊躇する」と答えており、この3年間でその意識はほとんど変化していない結果が出ています。その主な理由としては表の通り「お金がかかる」 「病院に行く時間がない」 などが挙げられます。

正直、筆者も「頭痛」「肩こり」「疲れ・だるさ」は日常も感じる些細な不調として軽視してしまい、なんとか過ごせてしまうので病院は少しハードルが高い印象です。しかし、「なんとなく不調」を抱える人は「受診を躊躇する人」に多く、女性の方が受診を躊躇する人の割合が高いという結果が出ています。これは受診しないで我慢したまま、症状を抱えている可能性が考えられるんです。

専門家が進める「なんとなく不調」ヘの対策

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外科医&漢方医であり、「芝大門いまづクリニック」院長の今津嘉宏さんは今回調査した「なんとなく不調」の原因は運動不足、移動不足、PCなど電子機器の使用時間の増加が考えられると言います。また、1日中家の中にいることは、動物園の檻の中にいるのと同じ状態となり、精神的なストレスにもつながるそうです。確かにずっと家にこもっていると気分が落ち込んできますよね。そこで、次のような対策を今津さんは進めています。

【おすすめ対策1】「なんとなく不調」の症状を改善する「伸び」

左右と上への2つの伸びで全身をほぐし心身を開放しましょう。

伸び1. 両腕をカラダの前に伸ばし、ゆっくりと背中側へ開きます。
手のひらを上へ向け、できるだけ小指が上、親指が下になるように回転させます。両腕を伸ばししたまま背中側へ広げていくと、左右の肩甲骨が合わさるようになります。約1分行い、ゆっくりと元の位置へ腕を戻します。

伸び2. 両腕を真っ直ぐに上へ伸ばします。
手のひらは後ろ側へ向くようにし、できるだけ小指が後ろ、親指が前になるように 回転させ、ゆっくりと天高く伸ばしていきます。約1分行い、ゆっくりと下げていきます。

この2つの「伸び」を30分に1回程度、1、2の順で行ってみてください。疲れ・だるさ、目の疲れ、肩こりなど、「なんとなく不調」の症状がぐっと楽になるはずです。

【おすすめ対策2】かかりつけ医を見つける。

withコロナ生活で、リアルに話ができる「かかりつけ医」とのコミュニケーションがより重要に。

今回の調査ではコミュニケーション頻度が増えた人は心身の「調子が上がり」、減った人は「調子が下がった」という傾向も出ています。そのため、コミュニケーション環境を見直してみるのもいいと今津さんは言います。その1つとしてオススメしたいのが、話しやすい医療従事者を見つけることです。SNSやWEBではなく、対面で実際に会って話ができるかかりつけ医療機関(病院、診療所、薬局など)を見つけましょう。

このように知らないうちにカラダや心に不調を抱えながら頑張りすぎてしまっている自分がいるのかもしれないですね。筆者もずっと家にこもりっぱなしで不調を抱えた時、少し外に出て友人と話すだけでも、心がパッと晴れるのを感じ、人とコニュニケーションを取ることの重要性が身にしみました。

無理はしないで今津さんが進める対策を実践してみるなどして「なんとなく不調」と上手に付き合ってみてくださいね。

(C)hisa nishiya/Getty Images