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更年期症状がピタッと止まった! 43歳で閉経した女性が感じた「更年期のメリット」

「更年期」。女性、特にアラフォー以上の女性にとって、このワードは最も気になるトピックのひとつではないでしょうか。43歳で閉経し、現在、更年期症状の治療をされている大塚貴子さん(仮名)にお話を聞きました。更年期に対して前向きな気持ちになる秘訣を紹介します。

更年期、どのように始まるの?

更年期とは、閉経の前後、約10年間のこと。この期間中、個人差が大きくありますが、動悸、ほてり、だるさ、イライラ等の更年期症状に悩まされることがあります。43歳で閉経し、現在更年期症状の治療をされている大塚貴子さん(仮名)に症状や治療、感じたことなどをうかがいました。

――どのような症状で更年期かもしれないと感じましたか?

当初は、更年期と結び付かなかったのですが、今となっては、なんとなくだるい日々が続いていたなと思います。また、元々肩こりもちなのですが、その肩こりが少し酷くなったり、頭痛もいつもよりあったと思います。

ただ、私にとって、更年期症状とは、イライラや止まらない汗というイメージ。だから、そのような怠さや肩こり頭痛がそれだとは思いませんでした。また、普段の生活でも少し忙しかったり、疲れがたまりがちな時にもなりますよね。だから、しんどいなぁ、でもわざわざ病院に行くほどでもないし…、寝ていたい、という感じでした。

ただ、イライラ症状が出てきで、これはもしや…と感じるようになりました。月経前に多少イライラすることはありましたが、この頃のイライラは、今までに感じたことのないカラダの内側から沸き立つようなもので、我慢できませんでした。

――月経周期はいかがでしたか?

月経は、来たり来なかったりという状況でした。というのも、実は子どもの授乳が完全に終わっていなかったということもあり、それで乱れているのだと思っていたんです。

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――病院へ行こうと感じたのはなぜですか? またどうやって病院を選びましたか?

先ほどのイライラ症状が、これまでの自分が感じたものとは明らかに何か違う、という違和感があったからです。この頃は、もしかしたら更年期かも…、もしそうだったら病院とは長い付き合いになるなぁ、と考えていたので、近所の通いやすいところで婦人科を探しました。

これまで年に1回子宮頸がんの検査等で婦人科には行っていましたが、月経不順等もなく、かかりつけの婦人科はありませんでした。今通院している病院を選んだ決め手は、自宅から通いやすいことに加え、女医さんであるということと、ホームページを見て院長先生の考えかたに共感できたからです。

――病院では、どのような検査をしましたか?

血液検査と問診、内診をしました。だるさ、肩こり、頭痛、イライラ、月経周期の乱れという症状と、さらに血液検査の結果から更年期が始まっているのかも、という診断でした。

症状を和らげるために、治療を開始することにしたのですが、授乳が終わっていなかったこともあり、まずは漢方とエクオールというサプリメントを処方してもらいました。

この2つを1か月ほど続けると、どちらが効いたのかはわかりませんが、諸症状が穏やかになったように感じました。その後、薬の処方等で、クリニックには2~3か月に1回のペースで通院していたのですが、2021年秋を境に月経が止まりました。以降、1年間月経が来なかったので、私は43歳で閉経となりました。

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――閉経を迎えた時の気持ちはいかがでしたか?

更年期症状の改善のために通院していたので、ショック等はありませんでした。また、実は私の母親も40代半ばで閉経を迎えていて、その話も聞いていたので、「閉経=女性としての終わり」という考えも元々ありませんでした。

夫に伝えても「そうなんだね」という様子で、特段接しかたが変化したということはありません。元々、婦人科に通い始めた時も、辛いことは我慢しなくていいよ、薬で緩和されるといいねと言ってくれていて、家庭内で嫌な思いはしていません。子どもにも、私がイライラしてしまっているのは、更年期の症状だと伝えています。

ただ、すごく親しい友人以外には、更年期や閉経のことをなんとなく言えていません。わざわざ宣言することもでもないので。ちょうど私が通院を開始した頃って、吸水ショーツなどフェムテック商品がすごく身近になった時期と重なるんです。

周りがその商品についてあれこれ言っている中、その会話に入れない一抹の寂しさを感じることもありました。更年期は誰もが迎えることで、恥ずかしいことではないということもわかっています。また、お医者さんからは「体質だね。少し早いと感じるかもだけど、人それぞれだよ」と言われ納得もしています。

しかし、インターネットで検索すると「セックスレスだったから」「カラダを冷やしていたから」など、真偽のわからないありとあらゆる情報が出てくるため、すごく親しい友人以外には伝えていません。

――現在はどのような治療をされているのですか?

先ほどもお伝えしましたが、通院し始めてから1年間は子どもの授乳もあり、漢方とエクオールを続けていました。その後、授乳が終わり、また、ホットフラッシュの症状が出始めたので、ホルモン補充療法に切り替え、現在も続けています。

私は元々汗かき体質ではないのですが、胸の谷間、首の後ろ、額と、特に上半身から滝のように汗が出てきて止まらなくなったんです。ホルモン補充療法は、経口薬、張り薬、ジェルと3つの選択肢があるのですが、私は飲み忘れをしそうだったので、週に2回貼りかえるだけの貼り薬を選択しました。

500円玉くらいの半透明のシールを、お腹の柔らかいところに貼っておくだけです。治療開始時は不正出血や少しの吐き気がありましたが、ホットフラッシュの症状がピタッと止まりました。

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――更年期になって感じたことはありますか?

実は、私が婦人科に通院し始めた頃、たまたま昔からの親しい同級生2人も不調に悩まされていて、それぞれ婦人科に行っていたんです。1人は更年期症状だったようで、私とほぼ同時期に閉経を迎えました。

閉経の平均年齢は50歳前後と言われていますが、40代前半で更年期症状に悩んでいる人って意外と多いのでは? と感じました。もう1人の友人は、不調の原因は更年期ではなかったのですが、貧血ということがわかったそうです。この年代の不調って更年期だけじゃないんだと改めて感じました。

――最後にこれから閉経を迎えるかたにアドバイスをお願いいたします。

まずは、1人で抱え込まずに、パートナーに素直に症状などを伝えるのがいいと思います。頑張ることは大切です。だけど、少しだけ自分ファーストになったり、周りの人に頼ることも必要だと思いました。

閉経ってマイナスイメージをお持ちのかたが多いかもしれません。しかし、実際になってみて、新たなスタートが切れる一つのきっかけになると感じるようになりました。

というのも、今度スイミングかホットヨガに通おうかと思っています。閉経前だったら、月経の日と被ると気持ち悪いなと感じていたので、行こうとは思わなかったんですが、その心配がありません。また、旅先で月経の心配をすることもなくなりました。

閉経を迎えて、自分が思っていた以上に、月経が妨げていたり、月経に縛られていたものやことがたくさんあったんだなと感じます。同時期に閉経を迎えた友人は、月経がなくなってカラダがすごく楽になったと言っています。

閉経は初潮があった人に誰でも訪れるものなので、恥ずかしいことではありません。構えたり、過剰に心配する必要はないと思います。ただ、カラダの違和感を感じた時に、ほったらかしにしないことが大切です。

忙しい年代だからこそ、カラダのちょっとしたSOSに耳を傾けて、そして婦人科へ行くという選択をしてほしいなと思います。病院へ行って、何もなかったら、それはそれで良かったなということですし。どんな不調でも早めに、小さいうちにコントロールすることで、これから先の未来が変わっていくると思います。

閉経はコントロールできないけど更年期症状はコントロールできる

初潮と同じように、閉経のタイミングはコントロールできません。しかし、症状の差は大いにありますが、更年期症状はある程度コントロールでき、また治療の選択肢もひとつではないところがいいですね。これからの人生を健康で充実して過ごすために、カラダのちょっとした変化を無視せずに、クリニックや周りの人に頼らなければならないですね。

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