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お酒を楽しんでも翌朝スッキリ! 翌日に響かないお酒の飲みかた

暑い夏に、冷たいビールを飲んだりと、お酒を飲む機会が増えたかたも多いのではないでしょうか? お酒を飲むと出てくる悩みが「朝の寝起きの悪さ」。翌日が休日ならまだしも、仕事ならその日1日をダメにしてしまうなんてことも…。ということで、今回は、睡眠の個人指導を長年行ってきている、眠りとお風呂の専門家、公認心理師のSleepLIVE(株)代表の小林麻利子さんに対策を伺いました。

お酒を飲む時、どう楽しむかをジャッジしよう!

飲み会 睡眠不足

まずは、今日のお酒は、自分を制御するかしないかをご判断ください。

例えば、お誕生日でパーッと楽しくいきたい! と思うなら、「制御しない」でOK。肌荒れは嫌だし、体調を悪くしたくない…と思うなら、やはりここは「制御する」を選択です。これは飲む場でジャッジするのではなく、できればまだ太陽が高い時間帯で、理性的に判断できる時に、「今日の私はどうしたいのか」を決めておきましょう。

まずは、制御して飲むという場合について紹介します。

制御してお酒を飲むのを楽しむ場合

お酒を飲み終わる時間ではなく、お風呂から上がる時間を決めます。そのために、まずは翌日の起床時刻を確認します。朝食を食べられて、朝ゆっくりと過ごすための起床時刻は何時ですか?

その時間から逆算して、睡眠時間をだいたい7時間とすると、就寝時刻は何時になりますか? その時間が決まったら、その1時間前に入浴終了時刻となります。

例えば就寝時刻が24時であれば、入浴終了時刻は1時間前の23時になります。

この入浴終了時刻を決めるのは、お酒を飲む前に決めておきましょう。「私は23時にはお風呂から上がるんだ」と考えておき、飲む準備をするのです。どんなに遅くなったとしても、入浴終了時刻23時にお風呂から上がっていれば、いつものように、身支度して落ち着いてお休みすることができますので、罪悪感はかなり減るはず。

極力長時間、お酒を楽しみたい場合

特別楽しくて、今日はできる限り長くお酒を飲みたいと思うことだってありますよね。その場合は、お風呂<飲み。飲むことの優先順位が高くなります。

この場合、洗髪は翌朝にまわして、その日はお風呂に浸かるだけにしましょう。お風呂に浸かったほうが、自律神経も深部体温もコントロールができて、眠りの質が格段に良くなります。

もちろん、お酒を飲みすぎている場合、お風呂に浸かるのは大変危険なので避けていただきたいのです(量や時刻については後述します)。しかし、そうでない場合は、お風呂に浸かって、深部体温を一時的に上昇させたほうが、飲酒時でもぐっすりお休みすることが可能になのです。

飲み会 睡眠 睡眠不足

時間は、入浴終了時刻を23時とすると、22時30分にすぐお風呂を沸かせば22時45分にはお風呂に入り、15分間ゆっくりと浸かれます。湯温は40度にセットすると、体の内側の深部体温が一時的に上昇し、その後しっかり急降下させることができるので、快適にお休みすることができるでしょう。

お酒を飲んだ後、そのままソファへ座ってしまったら、そのまま寝落ちしてしまう可能性があり、罪悪感が大きくなります。浴室へ直行し、お湯を沸かし、沸かしている間にクレンジングをして、お湯がまだ溜まっていない段階から体をお湯に沈めて、歯を磨きながらお風呂が溜まるのを待ってみましょう。

時間通り帰れそうな場合

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入浴終了時刻を23時とすると、お風呂を沸かす時間を含め、22時15分に準備できれば合格です。もし外出先であれば、22時15分に家につくなら、何時の電車に乗ればいいか、あらかじめ決めておきます。

帰宅したら、すぐに浴室へ直行して、身支度をしながらお湯を沸かします。入浴後は、いつものようにスキンケアをしてお休みしますが、汗がひいて眠くなってきたら、1時間を待たずにお休みしてOKです。

飲酒を終わらせる時間について

飲酒は就寝何時間前に終わらせればよいかとよく聞かれます。これは食事と同じで、就寝3時間前です。もし、翌朝起きたときに空腹を感じなければ、就寝4時間前に終了する必要があります。制御しない場合は、お好きに飲んでいただいて構いませんが、毎回飲む機会があるたびに罪悪感があるかたは、楽しみながらも自分を制御していくほうが、これからの人生において、また美容や健康において、あなたにとって有益に働くことは間違いありません。

つまり、例えば24時に就寝するならば、21時までに飲酒は終わらせておいたほうがいいということです。とはいえ、飲み会に参加している場合なら、21時に飲酒を終わらせたら、その後どうしたらいいの…とお思いかもしれません。このような場合は、梅酒のお湯割りを飲んでいるふりをして、温かいお茶(ノンカフェインがベスト)を飲んだり、周りの人には言わずに、自分の飲み物を変えていきましょう。

飲んでその場を楽しみたい、ということであれば、この方法でその場を過ごすことができるはずです。

飲むときの注意点

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お酒をオーダーするときに、同じ量のお水を準備したり注文したりして飲むようにしましょう。お酒を飲んだら、同じ量だけお水飲みましょう。お酒の量は人それぞれ耐性が違いますし、飲酒に慣れていないかたでなければ、経験でこれ以上飲んだらよくない、という量が皆さんそれぞれあると思います。量を減らす、というよりも、同じ量のお水を用意する、ということでまずは解決です。その際、氷なしにしたり、白湯を用意いただくと、胃腸にも優しく、自分自身への罪悪感も薄れるはず。

何度も言いますが、制御しなくていい! というかたは飲んでいただいていいと思いますが、どうしても今日は飲みたい、とか、行かなければいけない会社の付き合いなどで、翌日を無駄な1日にしたくない…というかたのためにご紹介しました。ぜひ実践いただけたらと思います。

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眠りとお風呂の専門家
小林麻利子さん

同志社大学卒業、京都市出身。SleepLIVE株式会社代表取締役社長。生活習慣改善サロンFlura主催。公認心理師。科学的根拠のあるデータや研究を元に、睡眠と入浴を中心とした生活習慣を見直すことで、自律神経を改善していく指導が人気。約3,000名以上もの悩みを解決し、テレビや雑誌など、多くのメディアで活躍中。不規則な生活になりがちな、芸能人やモデル、アナウンサーへも指導。

企業向けには、健康経営や睡眠関連事業支援などを行う。著書に『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン)『不美人習慣を3日で整える熟睡の練習帳』(G.B.)など多数。プライベートは、3歳児と0歳児の母。

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