いまわたしたちにできること~美容・健康・環境も~

夫へのイライラが止まらない…夫婦仲を改善するためにしたいこと

裏返しになったままの靴下、脱ぎっぱなしのシャツ…イライラが止まらない妻は、少なくありません。育児も家事も仕事も、私は頑張っている! 自分のことは自分でやって! と、つい叫んでしまうその心、痛いほどわかります。穏やかでいたいし、夫と仲良く過ごしたい。でも、どうやって…。今回はその方法を公認心理師で眠りとお風呂の専門家、SleepLIVE(株)代表の小林麻利子さんに伺いました。

体のメカニズムを知る

まずは、なぜ自分が感情をコントロールできない状況なのかを見定める必要があります。例えば、産後約1年は、ホルモンバランスが整っていません。さらに、守らなければ死んでしまう赤ちゃんがすぐそばにいるので、本能的に攻撃的になってしまうのは仕方がないのです。

また、更年期に差し掛かる年齢であれば、内分泌の働きが乱れ、メンタル面で不調を感じやすくなります。月経前も、コントロールが難しくなります。

ただ、どんな状況でも諦めるのは、もったいないこと。限りある人生、一度きりの人生、具体的に解決していきましょう。

夫に対して性格が悪くなってしまう自分を変えたい

夫婦仲改善 睡眠

例えば、いくら夫が、靴下を丸めずに洗濯機に入れてくれるようになったとしても、イライラしやすい自分のままなら、夫の他の嫌なところを見つけ、またイライラしてしまいます。このような場合、夫に改善してもらうための交渉をしながら、自分自身の適応力を高め、今の状態を打破する必要があるのです。

ストレッサーを小さくする

ストレスの元となるストレッサーを小さくする、または無くすために、まずは交渉をしましょう。夫にイライラするなら、夫に変えてほしいところがあるはずです。

もしあなたが、イライラした直後に、夫に変えてほしいことを言っているならば、単なる小言と片づけられてしまいがち。あぁ、また始まったよ…と、夫は聞く耳も持ちません。都度言うのではなく、土日などの休日、特に昼食後の血糖レベルが高いタイミングがオススメです。夫もイライラせずに、しっかり聞いてくれるようになることが多いようです。

そして内容は、論理的思考の男性にきちんと伝わりやすいように、交渉内容を構造化させます。
まず変えてほしいことを伝えます。その上でその理由を3つ用意しましょう。ただ感情に任せて言うのではなく、根拠をきちんと揃えて言うことが大切です。

深呼吸をする

夫婦仲改善 睡眠

イライラしている時は、交感神経が刺激され、筋肉にも力が入り血圧が上昇し、アドレナリンが分泌されます。イライラは次のイライラを生むきっかけにもなります。イライラしたら、即深呼吸。人と会話中でも、電話中でも、誰にも気づかれることなく深呼吸はできます。だからいいのです。
やり方はとっても簡単。3秒吸って2秒息を止めて5秒かけて吐いていきます。
1分間で6回繰り返すことができるこの速度は、心拍と共鳴することがわかっています。呼吸を繰り返すことで、どんどん心臓の鼓動が落ち着いていきます。息を止めることで、脱力しやすくなるので、ただ吐くよりも効果的です。

睡眠とお風呂のタイミング

良質な睡眠をとることも大切です。寝不足状態は、ちょっとしたことでイライラしたり、憂鬱な気持ちになったり、自己嫌悪になったりしてしまします。睡眠とメンタルの関係は、多くのかたが経験しているでしょう。

産後1年であれば、睡眠リズムが整っていない子どもがいるので、ママも難しいと思います。『赤ちゃんとママの熟睡スイッチ(G.B.刊)』をご覧いただき、赤ちゃんの睡眠リズムをまず整えることが大切です。

月経前は、基礎体温が高い状況です。本来であれば就寝2~3時間前から深部体温が低下し、眠りに入りますが、月経前は通常通りに下がらないことがわかっています。そのため、就寝1時間前には、洗髪をして40度のお風呂に15分浸かり、あがることです。一時的に深部体温が上昇し、その後急降下することで、寝つきがよくなり、眠りの質自体も高くなることがわかっています。汗がひいてからおやすみしましょう。

触れ合いの時間を増やす

夫婦仲改善 睡眠

人の肌と肌を触れ合わせることで、オキシトシンが分泌され、リラックス効果が得られることはよく知られている情報です。しかし、そういう機会が減ってしまったご家庭の場合は、夫にイライラしやすくなるかたが多いです。筆者が指導している生徒さんでもその傾向が高いです。

まずは、帰宅した夫にお帰りと言いながら、両肩をタッチすることからはじめましょう。夫にイライラしやすいのであれば、極力夫に触れたくない…と感じるかたもいるかもしれません。あなたは、夫と仲良くしたいですか? それとも、もっと嫌いになりたいですか? もし前者なら、はじめは気が乗らなかったとしても、しっかり実践してください。内分泌の働きによい変化があることで、夫に対する気持ち自体がよくなることもあります。

次に、手を繋いだり、軽くハグをしたりと触れ合いの時間を増やしていきます。

夫に触れ合うのが難しいと感じる場合、もしお子さんがいらっしゃれば、お子さんを抱っこしながら「家族ぎゅー」と言い、家族みんなで抱きしめるのも手。少しずつ触れ合いの時間が増えることで、夫へのイライラも軽減していくことが多いです。

いかがでしたでしょうか?
できる範囲でマイペースに、進めていきましょう!

IMG_0055_1-768x593-1

眠りとお風呂の専門家
小林麻利子さん

同志社大学卒業、京都市出身。SleepLIVE株式会社代表取締役社長。生活習慣改善サロンFlura主催。公認心理師。科学的根拠のあるデータや研究を元に、睡眠と入浴を中心とした生活習慣を見直すことで、自律神経を改善していく指導が人気。約3,000名以上もの悩みを解決し、テレビや雑誌など、多くのメディアで活躍中。不規則な生活になりがちな、芸能人やモデル、アナウンサーへも指導。

企業向けには、健康経営や睡眠関連事業支援などを行う。著書に『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン)『不美人習慣を3日で整える熟睡の練習帳』(G.B.)など多数。プライベートは、3歳児と0歳児の母。

(C) fizkes/Getty Images
(C) fcscafeine/Getty Images
(C) Todd Pearson/Getty Images